記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
「スマホのGoogleアプリを開くと勝手に出てくる記事一覧、あそこから自社ブログにお客さんが来ていたのに、最近様子が違う気がする」というご相談をいただくことが増えました。ここで話題になっているのは、GoogleアプリやChromeのトップに並ぶ「Discover(ディスカバー)」という記事フィードのことです。
2026年9月18日、Google検索のプロダクト担当バイスプレジデントであるロビー・スタイン氏が、このDiscoverに「Dive deeper(さらに深く)」という新しいボタンを試していることを自身のXで明らかにしました。タップすると記事に飛ぶのではなく、AIが生成した短いトピック概要の画面にいったん着地する仕組みです。
検索結果のAIによる概要(AI Overviews)で起きたことがDiscoverでも始まった、と受け取った方も多いはずです。実際、海外のSEO専門メディアからは「出版社への流入がさらに減るのではないか」という懸念の声が上がっています。
この記事では、今回の実験で何が変わるのかを事実にもとづいて整理したうえで、中小企業のWeb担当者が今日から手を動かせる対策を順にご紹介します。あわせて、自社サイトがDiscoverからどれだけ流入を得ているのかを確認する手順もまとめました。筆者は日々、中小企業のサイトを預かってSearch Consoleの数字を追っていますが、Discoverは意外に見落とされがちな流入源です。
GoogleがDiscoverで「さらに深く」の実験を始めた

まず、今回明らかになった事実だけを切り分けて確認しておきます。推測と事実が混ざると判断を誤るためです。
発表は2026年9月18日、Google担当VPのX投稿
情報源は、Google検索のプロダクト担当バイスプレジデントであるロビー・スタイン氏のX投稿です。「Discoverでトピックを掘り下げ、関連するウェブコンテンツを見つけやすくする新しい方法を試している」という趣旨の内容でした。
Googleの公式ブログや検索セントラルのドキュメントに掲載された正式なアナウンスではなく、あくまで担当者が実験の開始を共有した形です。つまり現時点では「テスト」であり、全ユーザーに展開が確定した仕様ではありません。
この点は落ち着いて押さえておきたいところです。GoogleはDiscoverや検索結果で常に何十件もの実験を並行しており、そのすべてが正式機能になるわけではありません。
まずは動画コンテンツから試される
スタイン氏の説明では、この体験は最初に動画で試されるとされています。そのうえで「今後数週間のあいだに複数のデザインを試し、何が最も機能するかを学んでいく」とも述べられました。
言い換えると、記事フィード全体がいきなりAI概要に置き換わるわけではありません。動画カードを起点に、段階的に検証していく段取りです。
ただし検索結果でのAIによる概要も、当初は限定的なテストから始まり、数か月で対象クエリが急速に広がりました。「まだテストだから」で思考を止めず、広がった場合の備えを先に考えておくのが現実的な判断です。
日本での提供状況は明らかになっていない
今回の実験について、対象の国や言語は明示されていません。Googleの新機能は例年、米国の英語環境から始まり、数か月から1年ほどかけて他の地域に広がる流れが一般的です。
そのため、日本のユーザーの画面にすぐ「さらに深く」が出るとは限りません。ここで期間を確約することはできませんし、そもそも日本に来ないまま終わる可能性もあります。
とはいえ、後述するとおり今回の対策は「Discoverに出続けるための基本」とほぼ重なります。日本に来る前にやっておいて損になる作業はひとつもありません。
「さらに深く」をタップすると何が起きるのか

次に、読者の画面で実際に何が起きるのかを追います。ここが理解できれば、自社サイトへの影響も見積もれるようになります。
行き先は記事ではなくAI生成のトピック概要
従来のDiscoverは、カードをタップすればその記事のページに直行していました。今回の実験では、カードに添えられた「さらに深く」を押すと、まずAIが生成した短いトピック概要の画面が開きます。
公開されたスクリーンショットでは、Discoverのカードに表示される短い要約のほうに「AIで生成されており、誤りが含まれる可能性があります」という注記が添えられ、その下に「さらに深く」のボタンが置かれていました。読者は記事の前にAIの要約を読み、そのうえで先に進むかを決める形になります。
検索結果のAIによる概要と構造はよく似ています。ただしDiscoverはキーワードを打ち込まずに受け取る画面なので、読者の姿勢がより受け身である点が違います。
概要画面のなかに記事へのリンクは残る
重要なのは、この概要画面が行き止まりではないという点です。スタイン氏は「関連する記事への目立つリンク、コミュニティの反応、オリジナルの報道が表示される」と説明しています。
つまりリンクは残ります。読者が概要を読んで「もっと詳しく知りたい」と思えば、そこから発信元のサイトへ進む経路は用意されているということです。
この設計は、検索結果のAIモードで引用リンクが見つけにくくなった問題への反省が反映されているように見えます。ただ、リンクが残ることと実際にクリックされることは別の話です。

懸念されているのは「読み終わってしまう」こと
Search Engine Roundtableの編集者バリー・シュワルツ氏は、この機能について率直な懸念を書いています。Googleが生成する要約が読者に十分な文脈を与えてしまうなら、読者はなぜクリックするのか、という問いです。
これはAIによる概要が広がった2025年以降、世界中の発信者が直面してきた構図とまったく同じです。要約の精度が上がるほど、リンクは押されなくなるという緊張関係があります。
ここで特定の企業を批判する意図はありません。ただ、Googleが検索結果で通った道をDiscoverでもたどろうとしているという構造は、事実として押さえておくべきです。
「コミュニティの反応」が加わる意味
概要画面に並ぶ要素として「コミュニティの反応」が明示されたことも見逃せません。これはSNSや掲示板など、一次報道以外の声を同じ画面に並べるという意思表示です。
Google検索ではここ数年、掲示板やSNSの投稿が上位に出やすくなる傾向が続いてきました。Discoverでも同じ方向に進むなら、自社の記事は「第三者の声」と同じ枠で比較されることになります。
自社で公開した情報が、SNS上の断片的な感想と横並びになる。そう考えると、記事の中身そのもので差をつける必要性がいっそう高まります。
なぜGoogleはDiscoverにAI要約を入れるのか

Googleの意図を正確に知ることはできませんが、公表されている情報から読み取れる背景はいくつかあります。対策を考えるうえで土台になるので整理します。
Discoverは検索と違って「キーワードがない」画面
Google検索セントラルのドキュメントは、Discoverについて「ユーザーのウェブとアプリのアクティビティにもとづき、関心に関連するコンテンツを表示するGoogle検索の一部」と説明しています。読者が言葉で問いを立てるわけではありません。
そのため、Googleの側には「この読者はこのトピックのどこに関心があるのか」を推測する余地が大きく残ります。AIで概要を作って提示すれば、その推測を一歩進められるという計算は成り立ちます。
言い換えると、Discoverは検索よりもAIによる介入の余地が大きい画面です。今回の実験がDiscoverから始まったのは自然な流れだと筆者は見ています。
動画から試すのは「情報量が読めない」から
動画カードから試すという順序にも意味があります。動画はサムネイルとタイトルだけでは中身が判断しづらく、読者が再生をためらう場面が多いためです。
そこにAIの概要が入れば、「見る価値があるか」を先に判断できます。Googleにとっては、読者の離脱を抑えつつ滞在を延ばせる形になります。
この観点からすると、次に対象になりやすいのは長文記事や複数の見方が並ぶニュースだと考えられます。ただしこれは筆者の見立てであり、Googleが表明したものではありません。
発信者への流入が減っている現実
調査会社Similarwebのデータをもとにした2026年9月の報道によると、米国の主要ニュースサイト上位50社のうち41社で、2026年8月のサイト訪問数が前年同月を下回りました。検索経由に限った数字ではありませんが、AIによる概要とAIモードの広がりが背景にあるという見方が主流です。
Googleはこの因果関係を公式には認めていません。一方で、発信者を検索内で「フォロー」できる仕組みを整えたり、AI回答での利用に対して対価を払う試験を始めたりと、関係の再構築を模索する動きは続いています。
今回の「さらに深く」も、この文脈のなかに置いて読むと理解しやすくなります。読者をAIの画面に留めつつ、そこから発信元への道も用意するという折衷案です。

Google自身が「Discover流入は不安定」と書いている
ここでひとつ、公式ドキュメントの記述を正確に紹介しておきます。Googleは「Discoverからのトラフィックは、キーワード起点の検索訪問に比べて予測しにくく、頼りにしづらい」と明記しています。
さらに「偶然性のある性質を考えると、Discoverからのトラフィックはキーワード起点の検索トラフィックを補うものとして考えるべき」とも書かれています。これはGoogleが今回の実験の前から示している立場で、今も変わっていません。
つまりDiscoverは、増えたときにありがたく受け取る流入源です。ここに事業の柱を置く設計は、Google自身が推奨していません。
中小企業のサイトに起きる変化

ここからは自社サイトの側の話に移ります。「さらに深く」が広がった場合に、数字としてどこに表れるのかを具体的に見ていきます。
表示回数は残り、クリック率が下がる形になりやすい
AIによる概要が広がったときに多くのサイトで起きたのは、表示回数はほぼ維持されるのにクリックだけが減るという動きでした。Discoverでも同じ形になる可能性があります。
Search ConsoleのDiscoverレポートには表示回数・クリック数・クリック率が並びます。もし今後、表示回数が横ばいでクリック率だけが落ちていたら、この変化を疑う価値があります。
逆に表示回数そのものが減っている場合は、別の原因を探すべきです。Googleは「読者の関心が移ればDiscoverの表示内容も変わる」と説明しており、季節性やトピックの旬が影響することがあります。
クリックされる記事とされない記事の差が広がる
AIの概要を読んだあとに読者がクリックするのは、「要約では足りない」と感じたときだけです。逆にいえば、要約で用が済む記事は選ばれなくなります。
一般的な説明を並べた記事、他社サイトの情報をまとめ直しただけの記事は、この条件で不利になります。自社の実測値、現場での判断、実際に踏んだ失敗といった要素が差になります。
筆者が預かっているサイトでも、この傾向は検索結果側で先に表れていました。読者が「その会社だから書ける話」を求める流れは、Discoverでも強まると見ておくべきです。
サムネイル画像の役割がさらに重くなる
Discoverはもともと画像が大きく出るフィードです。概要画面のなかで関連記事として並ぶ際も、画像が判断材料になる場面が増えると考えられます。
Googleの公式ドキュメントは、Discover向けの画像として幅1200ピクセル以上、総ピクセル数30万を超える高解像度、16対9のアスペクト比を推奨しています。あわせて、この大きな画像を表示させるには「max-image-preview:large」の設定が必要とも書かれています。
このあたりは後半の実務パートで具体的な確認手順をご紹介します。まずは画像の重みが増すという方向感だけ押さえてください。

「会社名で指名される」ルートの価値が上がる
AIが要約を挟む画面が増えるほど、間接的な流入は目減りします。そのぶん、会社名やサービス名で直接たどり着いてもらう経路の価値は相対的に上がります。
ここはSEOだけの話ではありません。名刺、見積書、既存のお客様へのメール、ビジネスプロフィール、SNSといった接点が全部この経路をつくります。
Discoverの変化に振り回されないためには、この「名前で来てもらう線」を太くしておくのが結局のところ一番堅い対策です。
自社サイトのDiscover流入を確認する手順

ここからは実際の操作です。まず「自社はDiscoverからどれだけ来ているのか」を把握しないと、変化が起きても気づけません。
Search ConsoleにDiscoverの項目があるかを見る
手順はシンプルです。Search Consoleを開き、左側のメニューを上から見ていくと「検索結果」の下に「Discover」という項目が並んでいます。
ここで大事なのは、この項目が出ていないサイトも珍しくないという点です。Googleはこのレポートについて「データが最低の表示回数のしきい値に達している場合に限り」表示されると説明しています。
メニューにDiscoverが無ければ、そのサイトはDiscoverからの流入がほぼゼロということです。この場合、今回の変化による影響も事実上ありません。
見るのは表示回数・クリック数・クリック率の3つ
Discoverのレポートには、過去16か月分の表示回数・クリック数・クリック率が記録されます。期間を「過去6か月」などに切り替えて、折れ線の傾きを見てください。
ページ別のタブに切り替えれば、どの記事がDiscoverに載ったのかも分かります。自社で意外に思うページが並ぶことがあり、記事の企画に役立ちます。
なお、このレポートにはChrome経由のDiscover流入も含まれています。パソコンのChromeの新しいタブに出る記事一覧も同じ枠として集計される仕組みです。
検索結果のデータと必ず分けて読む
ここでよくある間違いをひとつ挙げます。「検索パフォーマンス」の数字とDiscoverの数字を合算して見てしまうことです。
この2つは性質がまったく違います。検索はキーワードで能動的に探されている流入、Discoverは受け身で受け取られている流入です。混ぜると、どちらが動いたのか分からなくなります。
月次で数字を記録している企業であれば、この2つは別の行で管理してください。それだけで原因の切り分けが格段に楽になります。

ポリシー違反の通知が来ていないかも確認する
もうひとつ見ておきたいのが、Search Consoleの「セキュリティと手動による対策」です。Discoverのコンテンツポリシーに違反すると、この欄に手動による対策が表示されます。
ここに何か出ていれば、Discoverへの掲載自体が止まっている可能性があります。流入が急に消えた場合は、まずこの欄を確認するのが正しい順番です。
通常の企業ブログで違反に触れることはまずありませんが、確認は数十秒で済みます。月に一度のチェック項目に入れておくと安心です。
Discoverに出るためにGoogleが公式に示している条件

Discover対策には特別な裏技があると思われがちですが、Googleの公式ドキュメントに書かれている内容は驚くほど素直です。まずここを押さえるのが遠回りに見えて最短です。
特別なタグや構造化データは不要
Googleは「コンテンツはGoogleにインデックスされ、Discoverのコンテンツポリシーを満たしていれば、自動的にDiscoverに表示される対象になる」と書いています。そして「特別なタグや構造化データは必要ない」と明言しています。
つまり、Discoverのために専用のマークアップを追加する作業は不要です。この一文は、有料のDiscover対策を勧められたときの判断基準になります。
ただし「対象になること」と「実際に表示されること」は別だとも書かれています。掲載が保証される仕組みではありません。
古い記事も対象になる
意外に知られていないのが、「古いコンテンツも、その人の関心にとって役立ち関連性があれば表示されることがある」という記述です。新着記事だけの世界ではありません。
これは中小企業にとって朗報です。毎日更新できなくても、過去に書いた記事が読者の関心と重なった瞬間に拾われる可能性が残ります。
だからこそ、既存記事の手入れが効きます。情報が古くなった記事を現在の内容に直しておくことは、検索対策とDiscover対策を同時に進めることになります。
避けるべき書き方が具体的に列挙されている
Googleは推奨事項として、いくつかの「やらないこと」を挙げています。要点を整理すると次のとおりです。
- タイトル・スニペット・画像で誤解を招く表現や大げさな表現を使い、関心を人為的に引き上げること
- 内容を理解するために必要な重要情報をあえて隠すこと
- 下品な好奇心や怒りに訴えて関心を操作するような煽り方をすること
- サイトのロゴなど汎用的な画像をog:imageやschema.orgに指定すること
- 文字が多い画像をサムネイルとして指定すること
逆に推奨されているのは、内容の本質をとらえたタイトルと見出しをつけること、そして「今の関心に対してタイムリー」「物語としてよく語られている」「独自の洞察を提供している」コンテンツを出すことです。
この「独自の洞察」という言葉が、今回の変化への答えそのものだと筆者は考えています。AIが要約できない情報こそが、AI要約の先で選ばれる理由になります。
Discoverに出ないタイプのページもある
Googleは、Discoverが除外する傾向のあるコンテンツも挙げています。求人応募、署名活動、フォーム、コードリポジトリ、文脈のない風刺などです。
Discoverが想定しているのは「関心にもとづくフィードに向いたコンテンツ」、つまり記事と動画です。お問い合わせページやサービス一覧ページが載ることは期待できません。
そのため、Discoverを流入源として考えるならブログ記事が主戦場になります。サービスページだけのサイトはDiscoverの対象になりにくいと理解しておいてください。

WordPressでいま確認しておく3つの設定

ここは手を動かすパートです。WordPressでサイトを運営している場合に、今日のうちに確認しておける項目を3つに絞ってご紹介します。
1つ目:大きな画像プレビューが有効かを確認する
Discoverで画像が大きく出るには、ページに「max-image-preview:large」という指定が必要です。多くのSEOプラグインは初期状態でこれを出力していますが、確認しておく価値があります。
確認方法はパソコンのブラウザで自社の記事を開き、ページ上で右クリックして「ページのソースを表示」を選ぶだけです。開いた画面でキーボードのCtrlキーとFキーを同時に押し、「max-image-preview」と入力して検索します。
「max-image-preview:large」という文字が見つかれば問題ありません。見つからない場合や「max-image-preview:standard」になっている場合は、SEOプラグインの設定を見直してください。
2つ目:アイキャッチ画像のサイズを見直す
Googleが示す基準は、幅1200ピクセル以上、総ピクセル数30万超、16対9のアスペクト比です。1200×675ピクセルにしておけば、この3つをすべて満たせます。
注意したいのは切り抜きです。Googleは「縦長の画像を16対9に切り抜く場合は、重要な部分が切り抜き後に含まれているか確認してほしい」と書いています。自動で比率を当てるのではなく、横長で見て成立する構図を選んでください。
そしてもうひとつ、文字を大きく載せたサムネイルは公式に非推奨です。スマホの小さな枠では読めないため、画像だけで内容が伝わる絵柄のほうが有利になります。
3つ目:og:imageに記事ごとの画像が入っているか
Googleは、サムネイルとして使う画像をog:imageまたはschema.orgのマークアップで指定するよう勧めています。ここに会社ロゴや共通の画像が入っていると、記事ごとの魅力が伝わりません。
確認方法は先ほどと同じです。ページのソースを表示して「og:image」で検索し、その記事のアイキャッチ画像のURLが入っているかを見ます。
WordPressの場合、アイキャッチ画像を設定していればog:imageに反映されるのが一般的です。逆に、アイキャッチを空のまま公開している記事はここが弱点になります。
やらなくていいこともはっきりさせる
この3つ以外に、Discoverのためだけに追加すべき技術的な作業はありません。公式ドキュメントが「特別なタグや構造化データは不要」と書いているとおりです。
AI検索向けの専用ファイルについても同様です。Googleは生成AI向けの最適化ガイドのなかで、そうしたファイルは必要ないという立場を示しています。
限られた時間をどこに使うかが中小企業のWeb運営では最も重要です。不要な作業を手放すことも、立派な対策のひとつです。
AI要約の先で選ばれる記事にする実務

設定を整えたうえで、最後に残るのは記事の中身です。AIが要約を先に出す世界で読者がリンクを押す理由を、意図してつくっていく話になります。
要約できない情報を1記事に1つ入れる
AIが要約できるのは、すでにどこかに書かれている情報です。逆に、自社の中にしかない情報は要約されません。
具体的には、施工件数や納期の実測値、断られた依頼の理由、失敗した事例とその修正、お客様から実際に受けた質問などです。こうした情報が1記事に1つ入っているだけで、要約との差が生まれます。
数字は概算でかまいません。「当社では平均して2週間ほど」という粒度でも、どこにも書かれていない情報であれば価値があります。
見出しで「答え」を書ききらない工夫は不要
ここで誤解されやすい点に触れます。「AIに要約されないよう情報を出し渋る」という発想は逆効果です。
Googleは推奨事項のなかで、内容を理解するために必要な重要情報を隠すことをはっきり避けるよう求めています。出し渋りはDiscoverでの評価を下げる方向に働きます。
そのうえでGoogleは、生成AI向けの最適化ガイドで「人は見出しによる明確な構造を好む」とも書いています。読みやすく整理して全部書き、そのうえで自社にしかない情報を足す。これが正攻法です。
タイトルは内容の本質をそのまま書く
Googleは「コンテンツの本質をとらえたページタイトルと見出しを使う」ことを推奨しています。煽りで釣る方向は明確に否定されています。
実務としては、読者が知りたいことをそのままタイトルに書くのが正解です。「〇〇の手順と注意点」「〇〇の費用の考え方」といった素直な形が、Discoverでも検索でも機能します。
スマホの画面ではタイトルが途中で切れます。伝えたい要素は前半に置いてください。
業種別に見る現実的な備え方
業種によって、Discoverから拾われやすいテーマは変わります。代表的な例を挙げます。
製造業や建設業であれば、現場の写真を伴う工程の解説が強くなります。文字では伝わらない情報が画像に載るため、AIの要約では代替しづらい領域です。
飲食店や小売店であれば、季節の話題と自店の動きを結びつけた記事が向きます。Discoverは「今の関心にタイムリーな内容」を評価すると公式に書かれているためです。
士業やコンサルティングであれば、制度改正の解説に自社の実務判断を添える形が効きます。なお医療や法律に踏み込む内容を扱う場合は、記事内で「個別の判断は医師や弁護士など専門家にご相談ください」と明記してください。
検索を主、Discoverを従として設計する
最後に全体の設計の話です。Google自身が「Discoverは補うもの」と書いている以上、記事の企画はキーワード起点で立てるのが基本になります。
そのうえで、画像を整え、タイトルを素直にし、自社の情報を入れる。この3点を満たせばDiscoverの対象としても自然に強くなります。
Discoverのために別の記事を用意する必要はありません。検索で読まれる記事を丁寧に作ることが、そのままDiscover対策になります。

よくある質問(FAQ)

「さらに深く」は日本でも使えるようになりますか
現時点で対象の国や言語は公表されていません。Googleの検索関連の新機能は米国の英語環境から始まる例が多く、日本への展開時期を見通せる情報は出ていません。
そもそも実験段階の機能であり、正式提供に至らずに終わる可能性もあります。時期を確約することはできませんので、来た場合に備えて基本を整えておく形をおすすめします。
Discoverからの流入が急に減りました。この機能の影響でしょうか
2026年9月時点では、まだ動画を対象にした限定的な実験です。日本のサイトで流入が減っている場合、別の原因を先に疑うのが順当です。
Googleは、読者の関心の移り変わり、Discoverが扱うコンテンツ種別の調整、検索のアップデートの3つを変動要因として挙げています。表示回数そのものが落ちているなら、この3つのどれかに当たる可能性が高いと考えられます。
Discover対策のために構造化データを追加すべきですか
Googleは公式ドキュメントで「特別なタグや構造化データは必要ない」と明記しています。Discoverのためだけに構造化データを追加する必要はありません。
ただし、サムネイル画像を指定する用途でschema.orgのマークアップまたはog:imageを使うことは推奨されています。この2つは目的が違うので混同しないようご注意ください。
Search ConsoleにDiscoverのメニューが出てきません
Discoverレポートは、表示回数が一定のしきい値に達しているサイトにのみ表示されます。メニューに無い場合は、Discoverからの流入がほぼ発生していないと判断できます。
設定の不備ではありませんので、操作で出せるものではありません。記事を積み、画像を整えていくうちに表示されるようになることがあります。
動画を作っていない会社は関係ないと考えていいですか
最初のテスト対象が動画である以上、当面の直接的な影響は限定的です。ただしGoogleは「今後数週間で複数のデザインを試す」と述べており、対象が動画に限られ続けるとは書いていません。
記事フィードに広がった場合を想定するなら、いま整えておくべきは画像とタイトル、そして自社にしかない情報です。いずれも動画の有無とは無関係に効きます。
AIに要約されないようにする方法はありますか
技術的には、検索結果での抜粋の長さを制限する指定などを使って露出を絞ることは可能です。しかしそれは検索結果での表示自体を弱める方向にも働くため、集客を目的とするサイトでは慎重な判断が必要です。
中小企業のサイトでは、要約を防ぐよりも「要約の先で選ばれる理由をつくる」方向のほうが成果につながりやすいと筆者は考えています。
まとめ|Discoverの変化にどう向き合うか

2026年9月18日、GoogleはDiscoverに「さらに深く」という新しいボタンの実験を始めました。タップすると記事ではなく、AIが生成した短いトピック概要の画面にいったん着地する仕組みです。
その概要画面には関連記事へのリンクやコミュニティの反応、オリジナル報道が並びます。リンクは残るものの、要約で用が済んでしまえばクリックされないという構図は検索結果と同じです。
現時点では動画を対象にした限定的な実験であり、日本での提供状況も明らかになっていません。それでも、備えとしてやるべきことはDiscoverの基本と重なります。
Googleの公式ドキュメントが示しているのは、特別なタグは不要で、大きく質の高い画像を用意し、本質をとらえたタイトルをつけ、独自の洞察を提供せよという内容でした。加えて、Discoverからの流入は検索を補うものとして考えるべきという立場も明記されています。
今日できる一歩として、Search Consoleを開いて左のメニューに「Discover」があるかを確認してみてください。あればページ別のタブで、どの記事が拾われているかを見る。ここが自社の現在地になります。

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株式会社アクセス・リンクでは、栃木県下野市を拠点に、中小企業のホームページ制作とSEOコンサルティングを行っています。代表の三田健司は全日本SEO協会の認定SEOコンサルタントとして、Web制作10年以上・延べ1,000件以上の実績をもとに、AI検索時代の集客設計をご支援しています。
「Search Consoleの数字の読み方が分からない」「記事を書いているが流入につながらない」「AI検索の影響を受けているのか判断できない」といったご相談を日々お受けしています。現状の数字を一緒に確認し、どこに手を入れるべきかを優先順位をつけてお伝えします。
ご相談はお問い合わせフォームから承っています。まずは現状をお聞かせいただければ、無理のない進め方をご提案いたします。

記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント
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