AI活用

ChatGPT・Claude・Gemini比較|業務別の使い分け

記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司

「ChatGPTとClaudeとGemini、結局どれを契約すればいいのか」「社員がそれぞれ違うAIを使っていて、ルールが決められない」。AI導入のご相談を受けていると、最初の段階でこうした質問をよくいただきます。

総務省の令和8年版情報通信白書では、生成AIを「積極的に活用」または「領域を限定して利用」する方針の企業は68.9%でした。一方で中小企業に限ると58.1%で、大企業の74.0%とは差があります。

この記事では、3つのAIの違い、料金とプラン、入力したデータが学習に使われるかどうか、業務別の使い分け、会社の環境に合わせた選び方までを整理します。料金や仕様は2026年11月初めに各社の公式ページで確認できたものだけを載せています。

筆者は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作に10年以上携わり、延べ1,000件以上のご相談に対応してきました。自社の業務でも複数のAIを使い分けており、その経験も交えてお伝えします。

目次

3つのAIの違いを先に整理|会社ごとの強み

それぞれ得意分野の違う3つのAIを並べたイラスト

まずは、3つのサービスがどの会社のもので、どこに強みがあるのかを押さえておきましょう。性能の優劣は時期によって入れ替わるため、ここでは「どの環境で使いやすいか」という視点で整理します。

ChatGPT|機能の幅が広く利用者が多い

ChatGPTは米OpenAIのサービスです。文章の作成や要約に加えて、画像の生成、調べものをまとめる「ディープリサーチ」、作業を代わりに進める「エージェントモード」などを1つの画面で使えます。

利用者が多いため、使い方の解説や社内研修の教材が見つけやすいのも利点です。最初の1つとして社内に広めやすいAIと言えます。

OpenAIは2026年9月から10月にかけて、GPT-6系のモデルを順次ChatGPTに展開しています。モデルの名称は頻繁に変わるため、契約前に公式の案内を確認してください。

Claude|長い文書の読み込みと丁寧な文章が得意

Claudeは米Anthropicのサービスです。長い資料をまとめて読み込んで要約したり、提案書のたたき台を整えたりする用途で評価されています。

上位モデルは、一度に100万トークン(文字数の単位のようなもの)を扱えると公式に説明されています。

プロジェクトに社内資料を登録して繰り返し使える機能や、パソコン上のフォルダで資料を作る機能もあります。文章の品質を重視する業務やプログラムの作成で選ばれることが多いサービスです。

Gemini|Googleのサービスとつながる

Geminiは米Googleのサービスです。Gmail・Googleドキュメント・スプレッドシート・ドライブと連携できるのが最大の特徴で、Google Workspaceの法人プランにも標準で組み込まれています。

2026年10月にはGemini 4 Argonというモデルが発表され、Geminiアプリでは有料のGoogle AI ProとUltraの契約者から使えるようになっています。すでにGoogle Workspaceを使っている会社なら、追加の契約なしで始められる場合があります。

「どれが一番賢いか」で選ばない

性能の比較記事はたくさんありますが、各社のモデルは数か月ごとに更新され、順位は簡単に入れ替わります。どれが一番かを追いかけるより、自社の業務と使っているツールに合うかで選ぶほうが失敗しにくくなります。

筆者の実感でも、日常の業務であれば3つのどれを使っても大きな差は出にくいです。差が出るのは、社内のデータとつながるか、社員が迷わず使えるか、情報管理のルールを守れるかという点です。

料金とプランの比較|個人向けと法人向け

AIサービスの料金プランを比べる経営者のイラスト

次に料金を見ていきます。3つとも無料プランがありますが、会社で使うなら個人向けと法人向けの違いを理解しておくことが大切です。

個人向けの有料プランは月20米ドル前後が中心

ChatGPTの公式料金ページでは、無料のFreeのほか、Goが月8米ドル、Plusが月20米ドル、Proが月100米ドルからとされています。Claudeは、Proが月払いで20米ドル(年払いなら月17米ドル相当)、さらに上位のMaxが月100米ドル、Ultraが月200米ドルです。

Geminiは日本円の表示があり、Google AI Plusが月725円、Google AI Proが月2,900円、Google AI Ultraが月14,500円からです。ChatGPTとClaudeは米ドル建てで、円での支払額は為替と税で変わる点に注意してください。

法人向けプランは1人あたり月20〜25米ドルが目安

ChatGPT Business(旧Team)は、2人以上で年払いなら1人月20米ドル、月払いなら月25米ドルです。Claude Teamも2〜150人向けで、標準の席が年払いで1人月20米ドル、月払いで月25米ドルとされています。

Google Workspaceは、管理者向けヘルプ(2026年10月時点)で、Business Starterが年間プランで1人月800円、Business Standardが1,600円、Business Plusが2,500円(いずれも税別)と案内されています。GeminiはどのプランでもGmailとGeminiアプリで使えますが、ドキュメントやスプレッドシートの中で使うにはBusiness Standard以上が必要です。

少人数の会社は「法人プランか、個人プラン+設定か」を決める

社員が2〜3人で、まず試してみたい段階なら、個人向けの有料プランから始める会社も少なくありません。その場合は、次の章で説明する学習の設定を必ず確認してください。

顧客情報を扱う業務で本格的に使うなら、管理者がアカウントをまとめて管理できる法人プランを選ぶのが基本です。退職者のアカウントを止められることも、法人プランを選ぶ大きな理由になります。

入力したデータは学習に使われる?各社の扱い

入力データを守る設定を確認するイラスト

会社でAIを使うときに最も重要なのが、入力した情報がAIの学習に使われるかどうかです。3社とも、個人向けと法人向けで扱いが分かれています。

ChatGPT|個人向けは設定で止める

OpenAIのデータ利用に関するページ(2026年3月13日更新)では、個人向けサービスの内容はモデルの学習に使われる場合があり、利用者が設定で止められると説明されています。法人向けについては、既定で入出力を学習に使わないと明記されています。

公式の料金表でも、Free・Go・Plus・Proは「オプトアウト(利用者が拒否できる)」、Businessは学習なしとされています。個人プランを仕事で使うなら、契約した日に学習の設定を確認することを社内の決まりにしておきましょう。

Claude|2025年に個人向けの方針が変わった

Anthropicは2025年8月に、Free・Pro・Max(当時の個人向けプラン)の利用者に対して、会話を学習に使うかどうかを選んでもらう方式に変えました。学習を許可した場合、データの保持期間は最長5年になると公表されています。

一方、Claude TeamやEnterpriseなどの法人向けサービスは、既定では入出力を学習に使わないとされています。個人プランを使っている社員がいる場合は、設定画面でどちらを選んでいるか確認してもらってください。

Gemini|個人アカウントは「アクティビティの保存」を確認

Geminiアプリのプライバシーに関するヘルプ(2026年10月26日更新)では、会話がAIの改良に使われ、人間のレビュアーが一部を確認することがあると説明されています。そのうえで、レビュアーに見られたくない機密情報は入力しないよう注意喚起しています。

学習に使わせないには[アクティビティの保存]をオフにします。ただし、オフにしても会話は72時間保存され、フィードバックを送った内容は改良に使われる場合があります。

仕事用のGoogle Workspaceアカウントについては、会話が人間のレビュアーに確認されたり、生成AIモデルの改良に使われたりすることはないと、Googleのヘルプに明記されています。

どのAIでも入力しない情報を決めておく

設定を正しくしていても、顧客の個人情報や未発表の契約内容、パスワードなどは入力しないのが原則です。どこまで入力してよいかの線引きは、AIを使い始める前に社内で決めておきましょう。

入力してはいけない情報と、各社の設定画面の具体的な手順は、別の記事で詳しくまとめています。

業務別の使い分け|メール・議事録・資料作成

メールや議事録の作成をAIで進めるオフィスのイラスト

ここからは、中小企業でよくある業務ごとに、どのAIが使いやすいかを見ていきます。情報通信白書でも、企業の生成AIの活用で最も多いのは「議事録・メール作成補助」で、約7割の企業が挙げています。

メールの下書き|普段使っているメールソフトで選ぶ

Gmailを使っている会社なら、Gmailの画面の中でGeminiに下書きを頼めるのが便利です。Google Workspaceの機能表では、Gmailでのメール作成の支援はすべてのBusinessプランで使えるとされています。

Outlookなど別のメールソフトの場合は、ChatGPTやClaudeの画面で下書きを作って貼り付けるのが現実的です。どのAIでも、宛名・金額・日付は送信前に必ず人が確認することを徹底してください。

議事録の作成|録音と文字起こしの環境で選ぶ

Google Meetで会議をしている会社なら、Business Standard以上でGeminiが自動でメモを作る機能を使えます。会議ツールと同じ会社のAIを使うと、録音から要約までの手間を減らしやすくなります。

別のツールで文字起こしをしている場合は、その文字データをClaudeやChatGPTに渡して要約してもらう方法が使えます。長い会議の記録をまとめて読み込ませたいときは、長文に強いClaudeが候補になります。

提案書・企画書のたたき台|文章の質を重視するならClaude

提案書や企画書は、構成を考え、読み手に合わせて言葉を選ぶ作業です。過去の提案書や会社案内をプロジェクトに登録しておけば、自社の言い回しに近いたたき台を作りやすくなります。

筆者の会社でも、長めの文章の下書きにはClaudeを使うことが多く、表現の自然さで手直しの量が減ると感じています。ただし、数字や事例はAIに作らせず、自社の事実だけを使うことが前提です。

チラシや資料の画像|画像生成はChatGPTかGemini

資料に添えるイラストやバナーの案を作りたいときは、画像生成の機能を持つChatGPTやGeminiが便利です。生成した画像を広告などに使う場合は、他社のロゴや人物に似ていないかを必ず確認してください。

画像の著作権や商標の扱いは、まだ議論が続いている分野です。判断に迷う使い方をするときは、弁護士など専門家にご相談ください。

業務別の使い分け|調べもの・Excel・プログラム

調べものと表計算をAIで効率化するイラスト

続いて、調べもの・表計算・プログラムといった、少し専門的な業務の使い分けです。どの業務も、AIの答えをそのまま使わず、人が確かめる工程を残すことが前提になります。

調べもの|3つとも「リサーチ機能」を持っている

ChatGPTのディープリサーチ、ClaudeのResearch、GeminiのDeep Researchと、3社とも複数のWebページを読んでまとめる機能を用意しています。Geminiは公式ページで「数百のソースをリアルタイムで分析」と説明しています。

注意したいのは、各社とも利用規約やヘルプで、AIの答えは不正確な場合があると明記している点です。出典として示されたページを開いて、元の情報を自分の目で確かめる習慣をつけましょう。

Excel・スプレッドシート|使っている表計算ソフトで選ぶ

Googleスプレッドシートを使っている会社なら、Business Standard以上でスプレッドシートの中からGeminiを使えます。Excel中心の会社なら、ChatGPTのPlus・Proなどで使える「ChatGPT for Excel」や、ClaudeのMicrosoft 365連携が候補になります。

関数の作り方を聞く、集計の手順を説明してもらうといった使い方なら、どのAIでも十分に役立ちます。売上や在庫の数字を扱うときは、元のデータと計算結果を照らし合わせる確認を必ず入れてください。

プログラム・社内ツールの作成|Claude CodeやCodex

簡単な社内ツールやWebページの修正であれば、AIにプログラムを書かせることもできます。ClaudeにはClaude Code、OpenAIにはCodexという開発向けの機能があり、Claudeは有料のPro以上で使えます。

ただし、作ったプログラムを業務で使い続けるには、安全性の確認や保守が欠かせません。顧客データを扱うシステムは、AIで作る場合でも専門家の確認を入れることをおすすめします。

まとめて比べると

業務ごとの使い分けを短くまとめると、メールと会議はふだん使っているツールの会社のAI、長い文章や資料はClaude、画像を含む幅広い用途はChatGPTが選びやすいというのが、ひとつの目安です。調べものは3つとも対応しており、確認の手間を減らせるかで選ぶとよいでしょう。

これはあくまで目安で、1つのAIだけでほとんどの業務をこなしている会社も多くあります。まずは1つに決めて使い込み、足りない業務が見えてから2つ目を検討する順番がおすすめです。

会社の環境から選ぶ|Google WorkspaceかMicrosoft 365か

社内で使っている業務ツールとAIをつなぐイラスト

業務別の向き不向きよりも結果に大きく影響するのが、会社でふだん使っているツールです。ここでは環境ごとの選び方を整理します。

Google Workspaceを使っている会社

GmailやGoogleドライブで仕事をしている会社は、まずWorkspaceに含まれるGeminiから始めるのが自然です。追加の契約や新しいアカウント管理が要らず、法人向けのデータ保護の下で使えます。

ドキュメントやスプレッドシートの中で使いたい場合は、契約がBusiness Standard以上かを確認しましょう。Starterの会社は、プランの変更とAIの追加契約のどちらが安いかを比べてから決めると無駄がありません。

Microsoft 365を使っている会社

Word・Excel・Outlookが中心の会社は、Microsoftが提供するCopilotも候補に入ります。そのうえで、ChatGPTやClaudeのMicrosoft 365との連携機能も比べてみてください。

連携できる範囲はプランや提供地域によって異なります。契約前に、無料期間や1か月だけの契約で、自社のファイルで実際に試すのが確実です。

どちらでもない・これから決める会社

特定のツールに縛られていない会社なら、使う人が多い業務から逆算して選びます。営業のメールと資料作成が中心ならClaudeかChatGPT、店舗の情報発信や画像づくりが多いならChatGPTやGeminiが選びやすいでしょう。

迷う場合は、2つのAIの無料プランで同じ作業を1週間試し、社員が使いやすかったほうを選ぶ方法がおすすめです。比べるときは、個人情報を入れないテスト用の資料を使ってください。

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社内に導入するときの進め方と注意点

社内でAIの使い方を共有する会議のイラスト

どのAIを選んでも、導入の進め方を間違えると定着しません。2026年版中小企業白書でも、省力化投資に取り組みながらAIを活用していない企業が挙げた理由の1位は「活用する業務がイメージできていない」で、63.4%にのぼります。

最初は1つのAIに絞る

社員がそれぞれ好きなAIを使うと、情報管理のルールが守れず、使い方のノウハウも共有できません。まずは会社として1つのAIを決め、法人プランか、設定を確認した個人プランで始めましょう。

2つ目以降のAIは、具体的に足りない業務が見つかってから追加すれば十分です。増やすときも、社内ルールの対象に加えてから使い始めるようにしてください。

社内ルールと公的なガイドラインを確認する

総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は、2026年3月31日に第1.2版が公表されています。AIを使う側の会社が気をつけることも整理されているので、社内ルールを作るときの参考になります。

社内ルールには、入力してよい情報、出力を確認する担当者、社外に出す文書の扱いを最低限入れておきましょう。具体的な項目の決め方は、別の記事で紹介しています。

効果を測ってから広げる

導入したら、メールの作成時間や議事録をまとめる時間が、どれくらい減ったかを記録しておきましょう。効果が数字で見えると、追加の契約や研修の判断がしやすくなります。

反対に、使われていないアカウントがあれば、契約を減らすか使い方を見直すきっかけになります。導入から3か月ほどで一度見直す予定を入れておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

AIの選び方について相談する経営者と担当者のイラスト

無料プランだけで仕事に使えますか?

試しに使う段階なら、無料プランでも十分に役立ちます。ただし、使える回数やモデルに制限があり、業務で毎日使うと途中で上限に達することがあります。

また、無料プランは学習の設定を利用者が自分で管理する必要があります。仕事で使う場合は、設定を確認したうえで、入力する情報を限定してください。

3つとも契約したほうがよいですか?

多くの中小企業では、まず1つで十分です。3つを契約すると費用だけでなく、アカウントの管理や社内ルールの手間も3倍になります。

1つを使い込み、特定の業務で明らかに足りないと分かったときに、2つ目を追加するのがおすすめです。

AIの回答は信用してよいですか?

3社とも、利用規約やヘルプで、AIの出力が不正確な場合があると明記しています。特に数字・日付・固有名詞・法律に関する内容は、元の情報を確認してから使ってください。

法律や税務、医療に関わる判断は、AIの回答だけで決めず、弁護士・税理士など専門家にご相談ください。

料金は日本円でいくらになりますか?

Geminiは公式ページに日本円の価格が表示されていますが、ChatGPTとClaudeの公式料金は米ドルで表示されています。実際の請求額は為替と税金によって変わります。

契約前に、各社の公式ページで最新の価格を確認してください。料金やプランは予告なく変わることがあります。

社員がスマホで使ってもよいですか?

3つともスマートフォンのアプリがあり、外出先でも使えます。ただし、会社のアカウントでログインすること、公共の場所で画面をのぞかれないことなど、パソコンと同じルールを守る必要があります。

私物のスマホで個人アカウントを使うのは、情報管理の面で避けたほうが安全です。

まとめ|AIは「性能」より「環境とルール」で選ぶ

業務ごとにAIを使い分けて仕事が進むイラスト

ChatGPT・Claude・Geminiは、どれも中小企業の日常業務に十分に役立つAIです。性能の順位は数か月で入れ替わるため、どれが一番かを追いかけるより、自社の環境に合うかで選ぶことが大切です。

Google Workspaceの会社はGemini、長い資料や文章の質を重視するならClaude、画像を含めて幅広く使いたいならChatGPTが、それぞれ選びやすい目安になります。個人向けプランは学習の設定を確認し、顧客情報を扱うなら法人プランを選ぶのが基本です。

まずは、自社でいちばん時間がかかっている業務を1つ選び、無料プランで1週間試してみるところから始めてみてください。

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