サイトを運営していく中で権威性は大切だと思ってはいるけど、実際にどういうものなのかは分からない方も多いと思います。
そこで本記事では、SEOにおける権威性とはどういうものか。また、Googleが重視するE-E-A-Tの解説とE-E-A-Tの高め方、またYMYLとの関係も解説いたします。
SEOに重要な権威性とは
権威性（Authority）は、SEOにおいて非常に重要な要素です。これは、Webサイトが特定のジャンルにおいて社会的な価値が認められる状態を指します。Googleは検索品質評価ガイドラインにおいて、権威性を評価基準の1つとして重視しています。
主に以下の要点が権威性の重要性を示しています。
コンテンツの信頼性： 権威性はコンテンツの信頼性を示すものであり、誰がその情報を提供しているかが重要です。Googleは信頼性のある情報提供者を評価し、その情報を優先的に表示します。
社会的な承認： 権威性は、Webサイトやコンテンツが社会的に認められ、信頼されるかどうかを示します。これは、特定のジャンルでの専門知識や経験を持つサイトによって高められます。
E-E-A-T（経験、専門性、権威性、信頼性）の一部： 権威性は、Googleが定めるE-E-A-Tの要素の一つです。経験、専門性、権威性、信頼性の四つの要素が組み合わさり、高品質なコンテンツを評価する際に重要な役割を果たします。
YMYL（Your Money or Your Life）における影響： 特に医療、法律、金融などのYMYLコンテンツにおいて、権威性は重要です。このような分野では、正確で信頼性のある情報提供が要求され、権威性がランキングに影響を与えます。
マーケティングへの影響： 権威性は単にSEOだけでなく、マーケティングにおいても重要な意味を持っています。社会的な承認が高まると、ビジネスにとってもプラスとなります。
権威性はSEOとオンラインプレゼンス（オンラインでの存在感やオンラインでの可視性）の構築において不可欠な要素であり、コンテンツの信頼性と社会的な承認を高めることが重要です。これにより、Googleでのランキング向上が期待できます。
Googleが重視するE-E-A-Tとは
Googleが重視するE-E-A-Tとは、Webサイトの評価において重要な要素です。E-E-A-Tとは、Experience（経験）、Expertise（専門性）、Authoritativeness（権威性）、Trust（信頼）の頭文字をとったもので、これらの要素が高いウェブページほど検索結果の上位に表示されやすくなります。
Googleはこれらの基準を使用してウェブサイトのランキングを評価し、高品質なコンテンツを提供するサイトを優先的に表示します。ウェブサイト運営者やSEO担当者は、E-E-A-Tの基準に合致するコンテンツを提供することで、検索結果での可視性を向上させることができます。
尚、2022年の12月に検索品質評価ガイドラインが更新され、いままでのE-A-TにExperience（経験）が追加されました。
またこのガイドラインの中で、Trust（信頼性）が最も重要だと明記されています。
経験（Experience）
経験とは、Webページの作成者や運営者がその分野での実績や知識を持っていることを指します。Googleはコンテンツの作成者が十分な経験を持つことを重視し、その経験を持つ者の情報をユーザーに提供することを目指しています。
具体的には、専門知識やスキルを持つ人物の情報や意見を含んだコンテンツは、より高い評価を受ける傾向があります。例えば、特定の健康問題に関するウェブページが、その分野で実績を持つ医師や専門家によって作成・監修されている場合、その情報はより信頼性が高く評価される可能性があります。
また、経験とはWebページの作成者がその分野において実際に経験を積んでいることも含まれます。例えば、料理レシピを紹介するサイトが、料理のプロや有名なシェフによって運営されている場合、そのレシピの信頼性が高まります。
専門性（Expertise）
専門性とは、コンテンツの提供者やウェブサイト自体が特定の分野やテーマにおいて専門的な知識や経験を持っていることを指すものです。Googleはユーザーが信頼できる情報を受け取るために、専門性の高いコンテンツを重視しています。
具体的に専門性を示すためには、以下のポイントに注意が必要です。
まず、Webサイトやコンテンツの制作者が関連する分野での専門的な知識や経験を持つことが求められます。例えば、自動車に関する情報を提供するサイトであれば、自動車の専門家やメカニックの関与が望ましいです。
さらに、信頼性のあるソースからの情報を引用することや、専門家の意見やアドバイスを取り入れることも、専門性のアピールには有効です。信頼性のある情報源からの引用は、コンテンツの質を高め、読者にとっての信頼性も向上させます。
また、実績や経験を積極的にアピールすることで、ユーザーやGoogleなどの検索エンジンにWebサイトが信頼できる専門家であることを認識させることができます。過去のプロジェクトや成果物の紹介などが役立ちます。
権威性（Authoritativeness）
権威性とは、コンテンツ提供者の信頼性や専門知識の有無を示すものです。例えば、業界の専門家や著名な研究者による情報は、自ずと権威性が高まると考えられます。
一方、個人や、一般的にあまり知られていない企業や組織からの情報は、ユーザーの信頼を獲得するのが難しくなることがあります。
特に医療や法律のような専門的な分野では、情報の信頼性が強く求められるため、権威性が高いサイトは特に評価される傾向にあります。
Googleも検索ランキングで権威性を大きな要因として評価しています。他の権威あるサイトから被リンクを受けていたり、頻繁に引用されていたりするサイトは、権威性が高いとみなされる可能性があります。
信頼性（Trust）
信頼性は、E-E-A-Tの中でGoogleが最も重要視している要素で、ユーザーがWebサイトの情報を信頼できるかどうかを判断する指標となります。
具体的には、Webサイトに掲載されているコンテンツを作成している人物の信頼性が問われます。例えば、執筆者の情報や運営している企業の情報を明示することで、ユーザーはその情報の信頼性を高めることができます。
信頼性は特に商品のレビューなどの場面で重要です。例えば、商品のレビューを見る際に、その商品を実際に使用したことのある人の意見の方が、信頼性が高いとされます。つまり、使用した経験や知識を持つ人が、正確で信頼性のある情報を提供することが求められるのです。
よって、情報提供者のプロフィールや経歴、専門知識などを明示することが重要です。また、信頼性を高めるためには、信頼できる外部の情報源や専門家のコメントなどを引用することも効果的です。
E-E-A-Tは、Webページの評価において重要な要素ですが、単体で評価されるのではなく、コンテンツ全体の品質や他のランキング要素とも組み合わさって評価されます。したがって、高品質なコンテンツを提供することが、E-E-A-Tを向上させるための重要なポイントとなります。
YMYLとE-E-A-Tの関連性
YMYLとE-A-Tの関連性について解説いたします。
YMYLとは
YMYLは”Your Money or Your Life”の略称であり、これは人々の生活や健康、そして経済的な安全に深く関わる情報を示す用語です。具体的には、金融、医療、法律、教育、保険など、重大な決断を伴う分野の情報として認識されています。このような情報が間違っていれば、ユーザーの生活に大きな影響を与える可能性があります。
YMYL情報の提供におけるE-E-A-Tの重要性
YMYL情報の提供におけるE-E-A-Tの重要性を3つ解説いたします。
1.専門家の関与
特定の分野における専門的知識が求められるため、その分野の専門家や経験者が情報提供に関与することが望ましい。例えば、医療情報の場合、医師や医療専門家の監修や寄稿が信頼性を高める要素となります。
2.信頼性のある情報源の使用
信頼できる外部ソースからの引用やリンクは、コンテンツの質を向上させます。読者は、第三者の信頼性のあるソースからの情報が提供されていることを確認できると、その情報をより信頼します。
3.情報源の品質確認
公式機関や専門家団体、または長い歴史を持ち、高い評価を受けているメディアなどからの情報提供が、信頼性のあるコンテンツ作成には不可欠です。
YMYLの情報は人々の生活に直接的な影響を与えるため、その信頼性と品質を確保することが求められます。E-E-A-Tの基準をしっかりと満たすことで、ユーザーに対して信頼性の高い情報を提供することができます。
E-E-A-Tを高める方法
それでは、実際にE-E-A-Tを高めるための方法を7つ解説いたします。
専門家の監修を受ける
専門家による監修は、Webサイトやブログ記事の信頼性を向上させる上で、極めて重要な役割を果たします。専門家の知識や経験を生かして、正確かつ高い信頼性の情報を提供することで、ユーザーからの信頼を得ることができます。
例えば、化粧品を販売するサイトを運営しており、エイジングケアの方法に関するブログ記事を提供している場合、その内容を皮膚科の医師などの専門家が監修することで、ユーザーは記事の内容を信頼して安心して読むことができます。
運営者情報を明記する
運営者情報を明記することは、情報の透明性を向上させる手段として非常に重要です。訪問者はその情報を参考に、サイトを信頼できる情報源として評価することが多いです。また、Googleも運営者情報を評価の基準の一つとして重視しています。その結果、信頼性の高い情報を提供するサイトは、検索結果で上位に表示される傾向があります。
Webサイトやオンラインショップにおける運営者情報欄には、代表者名、連絡先、会社情報、所在地などの基本情報をしっかりと明記することが望ましいです。さらに、Googleビジネスプロフィールに登録し、それをWebサイトやオンラインショップと紐づけることで、サイトの信頼性を一層高めることが可能です。
特定のジャンルに特化したサイトにする
特定のジャンルに特化することで、その分野の専門性を高めることができます。これにより、ユーザーからの信頼と検索エンジンの評価を向上させることが可能です。
例えば、おいしいお蕎麦屋さんを探すユーザーには、蕎麦の歴史や打ち方よりも、実際のお店の情報が重要です。そのため、美味しいお蕎麦屋さんの情報に特化したサイトは、検索結果で上位に表示される傾向が高いです。ユーザーが特定の情報を求める際、そのジャンルに特化したサイトの専門性は重要となります。
サイテーションを受ける
サイテーションとは、英語で「引用」や「言及」という意味を持ちます。オンラインの文脈では、他のWebサイト、メディア、SNSなどが、あるWebサイトやビジネスをリンクなしで紹介することを指します。 サイテーションを多く受けることは、そのWebサイトやビジネスの権威性や信頼性を高め、検索エンジンの評価の向上にも影響する可能性があります。
多くのサイテーションを得るための一つの方法として、業界の専門家や有名人への取材やコラボレーションを行い、その内容を自社のWebサイトに掲載することが挙げられます。これにより、他のWebサイトやメディアがその内容を取り上げる可能性が高まります。
出典、引用元を掲載する
出典や引用元を掲載することにより、読者は記事の信頼性を判断しやすくなります。例えば、専門家や業界関係者からの情報を引用している場合、読者はその情報が信頼性の高いものであると認識することができます。
また、出典や引用元の掲載は、著作権の尊重にもつながります。他の記事や研究結果を参考にした場合、それらの情報の出典を明記することで、知的財産の権利を尊重し、正当なクレジットを与えることができます。
さらに、出典や引用元の明示は、SEOにも有利です。検索エンジンは信頼性の高い情報を評価し、ランキングに反映させる傾向があります。出典や引用元の掲載は、それぞれの情報の信頼性を示すため、検索エンジンにとっても重要な要素となります。
書籍の出版やセミナーの開催などリアルな活動をおこなう
書籍の出版やセミナー開催によって、自身の知名度や影響力を高めることも可能です。
知名度の向上によって、Webサイトへのアクセス数も増えることが期待できます。
また、影響力のある講演や執筆活動を通じて、他の専門家やメディアからの引用や紹介が増えることもあります。
これによって、Webサイトの権威性も向上し、信頼度の高い情報提供ができるようになります。
ドメインパワーの強いサイトから被リンクを受ける
自身のサイトがドメインパワーの強いサイトから被リンクを受けると、その権威性は向上します。
そのためのアプローチとして、まずはドメインパワーの強いサイトを特定します。業界のトップニュースサイトや大手企業のオフィシャルページなど、その分野で認知度と信頼性が高いサイトを対象とするのが理想的です。
次に、そのような権威性の高いサイトからの被リンクを獲得するための質の高いコンテンツを作成します。高品質のコンテンツを提供することで、ドメインパワーの強いサイトからのリンクを受けやすくできます。特に、専門的な知識や独自の情報を提供するコンテンツは、他のサイトからの被リンクを受けやすくなります。
まとめ
今回はSEOに重要な権威性について、E-E-A-Tの概要とYMYLとの関係を解説いたしました。
E-E-A-Tは4種類ありますが、それぞれが関連していて最終的には「信頼性」に集約されます。
経験することで専門性が向上し、権威のあるサイトから認められ、ユーザーから信頼されるサイトになります。
また、YMYLとE-E-A-Tは密接な関係になりますので、YMYLのジャンルで上位表示を目指す場合には、とくにE-E-A-Tを強化するように心がけましょう。
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