アプリ開発

Claude Codeでアプリは作れる?依頼する側が知るべきこと

記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司

「最近よく聞くClaude Codeを使えば、アプリは安く早く作れるのでしょうか」「開発会社からAIで作ると言われたけれど、任せて大丈夫か分からない」。アプリ開発のご相談で、こうした質問をいただく機会が増えています。

Claude Codeは、AI企業のAnthropicが提供している、プログラムを書いたり直したりするためのAIツールです。2025年2月に試験提供が始まり、同年5月に一般提供になって以降、開発の現場で急速に広がりました。

この記事では、自分でプログラムを書く方法ではなく、アプリを依頼する側の目線で、Claude Codeでできること・できないこと、費用や期間への影響、契約や情報管理で確認しておくことを整理します。

筆者は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作に10年以上携わり、延べ1,000件以上のご相談に対応してきました。当社でも自社アプリの開発でAIによるコーディング支援を使っており、その経験も交えてお伝えします。

目次

Claude Codeとは|AIがプログラムを書く開発ツール

パソコンの画面上でAIがファイルを読み書きしている様子のイラスト

まずは、Claude Codeがどのような道具なのかを、Anthropicの公式ドキュメントの説明をもとに押さえておきましょう。名前は聞いたことがあっても、チャットのAIと何が違うのかは分かりにくいところです。

公式の説明では「エージェント型のコーディングツール」

Anthropicの公式ドキュメントでは、Claude Codeは「コードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行し、開発ツールと連携するエージェント型のコーディングツール」と説明されています。エージェント型とは、指示を受けたAIが自分で手順を考え、複数の作業を続けて進める仕組みのことです。

チャットで質問してコードの断片をもらう使い方とは違い、プロジェクト全体のファイルを読んだうえで、修正からテストの実行までをまとめて進められるのが特徴です。人が一行ずつ書いていた作業の多くを、AIが下書きする時代になったと考えると分かりやすいでしょう。

使える場所はターミナル・エディタ・デスクトップ・ブラウザ

公式ドキュメントによると、Claude Codeは開発者が使う黒い画面(ターミナル)のほか、VS CodeやJetBrainsといった開発用のエディタ、デスクトップアプリ、ブラウザから利用できます。チャットツールのSlackや、ソースコードを管理するGitHubとの連携も用意されています。

使う場所は増えていますが、操作するのは基本的に開発者です。発注する会社の担当者がClaude Codeを直接触る場面は、今のところ多くないと考えられます。

2026年に入ってからも、作業を自動で判定する仕組みや、クラウド上で定期的に作業を進める機能など、新しい機能が次々に追加されています。依頼する側としては、細かな機能より、開発会社がそれをどう管理しているかに目を向けるのが現実的です。

チャットのClaudeとの違い

AnthropicのAIには、文章の作成や相談に使うチャットのClaudeもあります。チャットのClaudeとの大きな違いは、パソコンの中のファイルを直接読み書きし、コマンドを実行できる点です。

その分、できることが多い代わりに、権限の設定や確認の手順が重要になります。チャットのClaudeそのものの特徴や使い分けは、別の記事で詳しく紹介しています。

Claude Codeでアプリは作れるのか

スマートフォンアプリの部品がAIによって組み立てられていく様子のイラスト

結論から言うと、Claude Codeを使ってアプリを作ることはできます。ただし、「誰が使っても、思いどおりのアプリが完成する」という意味ではありません。

得意なのは「決まったことを速く形にする」作業

Claude Codeが力を発揮しやすいのは、画面の組み立て、データを保存する処理、よくある機能の実装、テストの作成など、やることがはっきりしている作業です。Anthropicが2025年4月に公表した分析では、Claude Codeでの会話の79%が、AIに作業そのものを任せる「自動化」に分類されたと報告されています。

筆者の経験でも、画面の試作や細かな修正の往復は、AIを使うと目に見えて速くなります。打ち合わせで出た「ここのボタンを右に」「一覧に日付を足して」といった変更を、その日のうちに確認できることも珍しくありません。

苦手なのは「何を作るかを決める」こと

一方で、どんな業務を、誰のために、どこまでアプリにするのかを決めるのは、AIではなく人の仕事です。要件があいまいなまま作り始めると、AIはそれらしいものを速く作りますが、業務に合わないものが速くできるだけになりかねません。

AIが速くするのは「作る工程」であって、「決める工程」は依頼する会社と開発者が一緒に詰める必要があります。ここを省くと、結局は作り直しで時間と費用がかかります。

専門知識のない人が一人で作るのは難しい

「AIがあるなら、社員に作らせれば外注はいらないのでは」というご質問もよくいただきます。小さな社内ツールなら形になることもありますが、公開して運用するアプリでは、セキュリティ、データの保存先、ストアの審査、更新作業など、判断が必要な場面が次々に出てきます。

AIが出してきた提案が正しいかどうかを見極めるには、結局のところ開発の知識が欠かせません。社員の方が試してみること自体はよい経験になりますが、お客様が使うアプリは専門家の確認を入れることをおすすめします。

「バイブコーディング」との違い

AIに話しかけるだけで、中身をよく確かめずにプログラムを作る方法は「バイブコーディング」と呼ばれ、話題になりました。試作や個人の趣味の範囲なら便利な方法です。

業務で使うアプリでは、AIが書いたコードを人が読み、テストし、責任を持って納品する進め方が前提になります。開発を依頼するときは、どちらの進め方なのかを確認しておくと安心です。

開発会社がClaude Codeを使うと何が変わるか

開発会社と依頼主が試作アプリの画面を一緒に確認している様子のイラスト

依頼する側にとって気になるのは、開発会社がClaude Codeのようなツールを使うと、費用や期間、品質がどう変わるのかという点でしょう。期待できることと、変わらないことを分けて考えます。

試作品を早い段階で見られる

一番分かりやすい変化は、動く試作品を早く見られるようになることです。紙の資料だけで打ち合わせを重ねるより、実際の画面を触りながら意見を出せるほうが、認識のずれに早く気づけます。

「思っていたのと違う」が完成間際に発覚するのは、アプリ開発でよくある失敗です。試作の段階でそれを見つけられるのは、発注する側にとって大きな利点です。

費用が下がる部分と下がらない部分

プログラムを書く時間が短くなれば、その分の人件費は抑えやすくなります。ただし、要件を決める打ち合わせ、デザイン、テスト、ストアへの申請、公開後の保守といった工程は、AIを使ってもなくなりません。

「AIを使うから全体が半額になる」とは考えず、どの工程がどれだけ短くなるのかを見積書で確認しましょう。見積書の内訳の読み方は、別の記事でまとめています。

期間は「待ち時間」が残る

開発の作業が速くなっても、確認と承認の待ち時間、App StoreやGoogle Playの審査、開発者アカウントの取得などには、AIでは縮められない時間がかかります。特にストアの審査は、内容によって日数が変わります。

公開日が決まっているアプリは、AIを使う場合でも余裕を持った日程を組むことが大切です。

AIで縮むのは作業時間であり、審査や確認の待ち時間は残ると考えて日程を組みましょう。審査の目安や待ち時間の内訳は、開発会社に事前に確認しておくと安心です。

品質は「人の確認」で決まる

同じClaude Codeを使っていても、AIが書いたコードをどこまで人が読み、テストしているかで品質は大きく変わります。速さだけを売りにする提案より、確認の手順を具体的に説明できる提案のほうが、安心して任せられます。

知っておきたい料金とプランの仕組み

料金プランのカードを並べて比べている担当者のイラスト

開発会社に依頼する場合、Claude Codeの利用料を発注者が直接払うことは通常ありません。それでも、開発会社がどのような契約で使っているかを知っておくと、情報管理の確認に役立ちます。

Claude Codeは有料プランに含まれる

Anthropicの料金ページ(2026年11月時点)では、Claude Codeは「すべての有料プランに含まれる」と書かれています。個人向けのProプランは月払いで20ドル、法人向けのTeamプランは1席あたり月払いで25ドルからで、料金はいずれも米ドルで表示されています。

このほか、使った分だけ支払うAPIの契約でも利用できます。料金や上限は変更されることがあるため、最新の情報は公式の料金ページで確認してください。

個人向けと法人向けで規約が違う

Anthropicの公式ドキュメントでは、Free・Pro・Maxといった個人向けのプランには個人向けの規約が、TeamやEnterprise、APIには法人向けの規約が適用されると説明されています。この違いは、後で説明するデータの扱いに関わります。

お客様の情報を扱う開発で、どの契約のAIを使っているかは、依頼する側が確認してよい大事なポイントです。遠慮せずに質問しましょう。

AIの利用料は見積もりにどう入るか

AI開発ツールの利用料は、開発会社の経費として作業単価に含まれていることが一般的で、見積書に別の行として出てくるとは限りません。一方、アプリの中にAIの機能を組み込む場合は、公開後もAPIの利用料が毎月かかります。

「開発のためのAI」と「アプリに入れるAI」は別の費用なので、混同しないように整理しておきましょう。後者は保守費用と同じく、毎月の運用費として見込んでおく必要があります。

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依頼する側が確認したい情報管理と安全性

鍵と盾でデータを守りながら開発を進める様子のイラスト

AIで開発するときに、発注する側が最も気にかけるべきなのは、自社やお客様の情報の扱いです。Claude Codeの公式ドキュメントには、データの使い方と安全のための仕組みがはっきり書かれています。

入力した情報が学習に使われるかどうか

公式ドキュメントによると、法人向けの規約で使う場合、Anthropicは送られたコードやプロンプトを、利用者が自ら提供を選んだ場合を除き、生成AIの学習に使わないとしています。一方、個人向けのプランでは、学習への利用を許可するかどうかを利用者が設定で選ぶ仕組みです。

許可した場合のデータの保存期間は5年、許可しない場合は30日と説明されています。開発会社がどちらの設定で使っているかは、契約前に確認しておくと安心です。

本番のデータや鍵を渡さない

テスト用のデータで開発を進め、本物の顧客名簿やパスワード、外部サービスの鍵は、AIに読ませない運用が基本です。必要な場面では、名前を伏せたデータや架空のデータに置き換えて作業します。

依頼する側も、「とりあえず全部のデータを渡す」のではなく、必要な範囲だけを渡すように意識すると事故を防げます。

操作の許可と確認の仕組み

Claude Codeには、ファイルの編集やコマンドの実行の前に許可を求める確認の仕組みや、作業範囲を限定する仕組みが用意されています。2026年8月からは、ターミナルやVS Codeで使う場合に、AIの判定モデルが危険な操作を止める「Auto mode」が標準の設定になっています。

それでも公式ドキュメントには、承認する前に提案されたコードやコマンドの安全性を確認するのは利用者の責任であること、どんな仕組みもすべての攻撃を防げるわけではないことが明記されています。ツールの安全機能に任せきりにせず、人が確認する体制があるかどうかが分かれ目です。

AIが書いたコードにも脆弱性は入る

セキュリティ企業のVeracodeが2026年3月に公表した調査では、AIにコードを書かせた課題のうち、安全なコードになったのは55%にとどまったと報告されています。同社が2026年7月に公表した年次報告でも、安全性の検査を通った割合は平均56%で、大きな改善は見られませんでした。

この数字は特定のツールだけの話ではなく、AIで作るコード全般に言えることです。脆弱性の検査やコードの確認を、開発の工程にきちんと組み込んでいるかを確認しましょう。

契約で決めておきたいこと|権利と責任

発注者と開発会社が契約書を確認している様子のイラスト

AIを使った開発でも、契約で確認すべきことの基本は変わりません。ただし、AIならではの論点がいくつか加わります。

作ったプログラムの権利は誰のものか

Anthropicの法人向け規約では、AIが出力したものの権利は利用者に帰属すると定められています。ただし、これはAnthropicと開発会社の間の取り決めで、発注者と開発会社の間の権利は、あくまで両者の契約で決まります。

また、人の創作的な関与が少ないAIの生成部分には、著作権が発生しない場合もあると考えられています。

納品物の著作権を発注者に移すのか、開発会社に残して利用を許諾するのかを、契約書に明記しておきましょう。著作権や契約の判断に迷うときは、弁護士など専門家にご相談ください。

AIの利用を契約書にどう書くか

最近は、AIツールを使ってよいかどうか、使う場合にどの範囲の情報を入力してよいかを、契約書や発注書に書いておく会社も増えています。禁止するか許可するかに正解はなく、扱う情報の重要度に合わせて決めるのが現実的です。

少なくとも「どのツールを、どの契約で使うのか」「個人情報や営業秘密を入力しないこと」は、文書で取り決めておくと後のトラブルを防げます。

取り決めの内容は、社内でAIを使うときのルールと考え方をそろえておくと、担当者が迷わずに済みます。社内ルールの作り方は、AIを業務に取り入れる段階で一度整理しておくとよいでしょう。

不具合が見つかったときの対応

公開後に不具合が見つかったとき、無償で直す期間や範囲をどうするかは、AIを使ったかどうかに関係なく重要です。「AIが書いた部分なので責任を持てない」という言い訳が通らないよう、納品物の品質に責任を持つのは開発会社であることを確認しておきましょう。

Claude Codeを使う開発会社を選ぶときのポイント

複数の開発会社を虫めがねで見比べている経営者のイラスト

「AIを使って開発します」という会社は、これからさらに増えていきます。AIを使うかどうかより、どう使っているかで会社を見極めることが大切です。

確認の手順を具体的に説明できるか

打ち合わせでは、「AIが書いたコードを誰が、どのように確認していますか」と聞いてみてください。テストの方法、コードの読み合わせ、脆弱性の検査など、具体的な答えが返ってくる会社は信頼しやすいと言えます。

反対に、「AIなので大丈夫です」としか答えられない場合は、慎重に判断したほうがよいでしょう。

要件を決める工程に時間をかけるか

良い開発会社ほど、作り始める前の聞き取りに時間をかけます。業務の流れ、使う人、今困っていること、将来やりたいことを丁寧に聞いたうえで、AIで速くできる部分とそうでない部分を説明してくれるはずです。

作り始めるまでの聞き取りを省略して、すぐに開発に入ろうとする提案には注意が必要です。速く作れる道具があるからこそ、最初の設計の質が完成度を左右します。

公開後の保守まで見てくれるか

アプリは公開して終わりではなく、スマートフォンのOSの更新やストアの規約の変更に合わせて手を入れ続ける必要があります。AIで速く作れても、保守を引き受けてくれる体制がなければ、数年後に動かなくなるおそれがあります。

開発会社の選び方の全体像は、比較の項目を整理した記事も参考にしてください。

小さく始めて相性を確かめる

初めて依頼する開発会社であれば、いきなり大きなアプリを丸ごと任せるより、試作品や一部の機能から始めるのも一つの方法です。AIを使う会社なら試作のハードルが低いため、短い期間で進め方や連絡の取りやすさを確かめられます。

試作の段階で、打ち合わせの内容がどれだけ正確に画面に反映されるか、質問への返事が分かりやすいかを見ておくと、本格的な開発を任せるかどうかの判断材料になります。

よくある質問(FAQ)

アプリ開発について相談する経営者と担当者のイラスト

Claude Codeを使えば、開発費用は必ず安くなりますか?

プログラムを書く時間が短くなる分、費用を抑えやすくなる傾向はあります。ただし、要件の整理やデザイン、テスト、審査、保守にかかる費用は残るため、必ず安くなるとは言えません。

見積書で、どの工程がAIで短くなっているのかを確認することをおすすめします。

社内の担当者がClaude Codeでアプリを作ることはできますか?

小さな社内ツールであれば、形になることもあります。ただし、お客様が使うアプリや個人情報を扱うアプリは、セキュリティや運用の判断が必要になるため、専門家の確認を入れるほうが安全です。

開発会社がAIを使うことを断ってもよいですか?

発注者として、AIツールの利用を制限したり、条件を付けたりすることは可能です。ただし、AIを使わない場合は作業時間が延び、費用や期間に影響することもあるため、事前に相談して決めましょう。

AIで作ったアプリはストアの審査に通りますか?

App StoreやGoogle Playの審査は、作った方法ではなく、アプリの内容や規約への適合で判断されます。AIで作ったかどうかに関係なく、審査のルールに沿った作りになっているかが大切です。

Claude Code以外のAI開発ツールとの違いは何ですか?

AIでコードを書くツールは、Claude Codeのほかにも複数の会社から提供されています。依頼する側にとって大切なのはツールの名前より、情報の扱いと人による確認の手順なので、ツールの比較より体制の確認を優先しましょう。

当社のアプリ開発の進め方や料金の目安は、アプリ開発のページで紹介しています。

まとめ|AIで開発するほど「決める力」と「確かめる力」が大切に

完成したアプリが利用者のスマートフォンに届けられる様子のイラスト

Claude Codeは、Anthropicが提供するエージェント型のコーディングツールで、開発の作業を大きく速くする力を持っています。開発会社が使えば、試作品を早く見られる、修正の往復が速くなるといった利点を、発注する側も受け取れます。

一方で、何を作るかを決めること、AIが書いたコードを確かめること、情報を守ることは、これまでどおり人の仕事です。費用も期間も、AIで縮む部分と縮まない部分があります。

依頼する側がまずできることは、開発会社に「AIをどの契約で使い、書かれたコードを誰がどう確認しているか」を一つ質問してみることです。その答え方で、任せられる会社かどうかがかなり見えてきます。

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