記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
「先週から急に検索順位が下がった気がするのですが、何が起きているのでしょうか」――ここ数日、こうしたご相談が立て続けに届いています。夜遅くまでアクセス数のグラフを眺めて不安になっている、という声も少なくありません。
実は2026年9月24日、Googleがスパムアップデートを開始したばかりです。しかも今回は、過去の実施と比べて展開に時間がかかる異例のペースだと公式に発表されています。原因不明のまま順位が動いて見えるのは、この影響である可能性があります。
本記事では、今回のアップデートの事実関係を一次情報にもとづいて整理したうえで、中小企業のWeb担当者が今すぐ確認すべきことと、慌てて手を出してはいけないことを分けて解説します。感覚で対処するのではなく、根拠のある行動につなげていただければ幸いです。
筆者は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作歴10年以上・延べ1,000件以上のサイトのSEO支援に携わってきました。アップデートのたびに寄せられる定番の誤解についても、実務の視点からあわせてお伝えします。
Googleが2026年9月にスパムアップデートを実施

まずは事実関係を整理します。要点は「いつ・何が・どの範囲で」の3つです。憶測が広がりやすいタイミングだからこそ、公式発表の言葉を正確に押さえておきましょう。
結論から言うと、日本語のサイトも含め、世界中のすべてのサイトが対象になっています。「海外向けサイトだけの話」と誤解している方も見かけますが、そうではありません。
「順位が下がった=自社サイトに問題がある」と即断する必要もありません。アップデートの展開中は、ポリシー違反のないサイトでも一時的に数値が揺れることがあります。落ち着いて事実を確認する姿勢が何より大切です。
発表の経緯
2026年9月24日(現地時間)、Googleは公式X(旧Twitter)およびLinkedInのアカウントで「September 2026 spam update」の展開開始を発表しました。同時に、検索セントラルの公式ステータスダッシュボードにも展開開始の記録が追加されています。
Search Engine LandやSearch Engine Journal、Search Engine Roundtableといった海外の主要SEOメディアが同日中にこの内容を報じており、情報の裏付けは十分に取れています。単一の情報源だけに頼らず、複数のメディアが同じ内容を伝えている点も確認済みです。
今回のアップデートは「グローバル規模で、すべての言語に適用される」とGoogleが明言しており、日本語サイトも当然ながら対象に含まれます。
「スパムアップデート」は、Googleのランキングシステム全体を見直すコアアップデートとは異なり、スパムに関するポリシーへの違反を検出する仕組みだけを更新するものです。対象になるのは基本的にポリシー違反のあるサイトであり、健全に運用されているサイトへの影響は限定的とされています。
2026年で4回目のスパムアップデート
2026年に入ってから、Googleは3月・6月・8月と続けてスパムアップデートを実施してきました。今回の9月分はそれに続く4回目にあたります。半年で4回というペースは、決して少なくありません。
直近の6月・8月はいずれも展開完了までわずか2〜3日というスピードでした。今回はそれと比べて明らかに異なるペースになっており、担当者の間でも話題になっています。
なぜ今回だけ展開に2週間かかるのか

気になるのは、なぜ今回に限って展開が長引くのかという点です。Googleの発表内容を正確に読み解いていきます。
Googleの発表内容を正確に読む
Googleは今回のアップデートについて「完全に展開されるまで約2週間かかる可能性がある」と説明しています。ランキングアップデートとしては長めの部類に入る見込みで、公式にもその点は明言されています。
一方でGoogleは、展開が長引く技術的な理由までは明かしていません。「時間がかかる=影響が大きい」と単純に結びつけるのは早計です。期間の長さと影響範囲の大きさは、必ずしもイコールではありません。
展開直前に検索順位のボラティリティ(変動)が観測されていたことについても、Googleは今回のアップデートとは無関係だとコメントしています。憶測で原因を決めつけないことが大切です。
過去の実施ペースとの比較
直近の3月・6月・8月の3回はいずれも数日で展開が完了しており、今回の「最大2週間」という見込みは2026年のスパムアップデートの中でも突出して長い部類です。
展開期間が長いということは、その分だけ判定の対象となるページやサイトが多い、あるいは判定ロジックがより複雑になっている可能性を示唆しますが、これもあくまで推測の域を出ません。断定的な言い方をしている記事があれば、出典を確認することをおすすめします。
コアアップデートの展開期間と比べると
実は、Googleのコアアップデートは以前から1〜2週間程度の展開期間がかかるものが多く、むしろ「数日で終わる」というこれまでのスパムアップデートのほうが例外的に速かったとも言えます。
今回の2週間という期間は、スパムアップデートがコアアップデートに近い規模・複雑さで実施されている可能性を示していますが、これもGoogleが明言しているわけではなく、過去の傾向からの推測にとどまる点にご注意ください。
自社サイトで確認すべきこと

事実関係を踏まえたうえで、実際に何を確認すればよいかを見ていきましょう。手順を先に決めておくと、実際に順位が動いたときも落ち着いて対応できます。
Search Consoleでの確認手順
まず確認すべきは「検索パフォーマンス」レポートです。過去28日間と直近7日間の掲載順位・クリック数・表示回数を比較し、特定のページや検索クエリだけが大きく落ちていないかを見ます。
特定ページの急落と、サイト全体の緩やかな増減は切り分けて見る必要があります。サイト全体でなだらかに下がっている場合は、季節要因やサイトの通常の変動範囲であることも珍しくありません。
あわせて「ページ」タブでURLごとの表示回数を並び替え、下落幅の大きいページを上から順にリストアップしておくと、あとの原因調査がスムーズになります。

具体的に確認する4つのポイント
実務では次の4点を順番に確認すると効率的です。1つ目はサイト全体の表示回数の推移、2つ目は個別ページの掲載順位、3つ目は検索クエリ別のクリック数、4つ目はインデックス登録状況です。
これらを1つのスプレッドシートにまとめておくと、2週間後に「展開前・展開中・展開後」の3点で比較でき、感覚ではなく数字で振り返ることができます。日付をあわせて記録しておくことも忘れないでください。
変動があった場合/なかった場合の対応
明確な下落が確認できた場合は、次の章で解説する「スパムポリシー」に照らして心当たりがないかを確認します。変動が見られない場合は、通常どおりの運用を続けて問題ありません。
どちらの場合も、展開完了(最長2週間後)まではむやみに大きな変更をサイトに加えないことをおすすめします。原因の切り分けが難しくなるためです。
再チェックのタイミングを決めておく
展開開始から1週間後と、完了見込みの2週間後の2回、同じ手順でSearch Consoleを見直す予定をあらかじめカレンダーに入れておくと、確認漏れを防げます。
思い出したときにその都度確認するよりも、決まったタイミングで淡々と記録するほうが、感情に左右されない判断につながります。
Googleが定義する「スパムポリシー」の主な違反類型

順位下落の原因を探るうえで欠かせないのが、Googleのスパムに関するポリシーの理解です。ここで主な違反類型をおさらいします。
中小企業が意図せず触れやすい項目
Googleのスパムに関するポリシーには複数の違反類型が定義されています。中でも中小企業のサイトが意図せず触れやすいのが「サイトの評判の乱用」と「大量に生成された無価値なコンテンツ」の2つです。
前者は自社サイトの評価を利用して無関係な第三者のコンテンツを大量に公開するケースを指し、後者はAIツールなどを使って品質確認をせずにページを量産する行為が該当します。

その他の違反類型にも目を通しておく
このほかにも、検索結果の操作を目的とした不正なリダイレクトや、隠しテキスト・隠しリンク、キーワードの乱用的な詰め込みなど、ポリシーには複数の違反類型が定義されています。
いずれも「ユーザーではなく検索エンジンをだますための工夫」という共通点があります。自社サイトの施策が、最終的に読者のためになっているかどうかを基準に考えると、判断に迷いにくくなります。
迷ったときは「この施策は、検索エンジンがなければやらないことか」を自問するのも一つの方法です。答えが「はい」であれば、ポリシー違反に近づいている可能性を疑ってみてください。
セルフチェックのポイント
外部のライターやSEO業者に記事作成を委託している場合、成果物が独自の情報や一次情報の確認を伴わない「量産型」になっていないかを定期的に見直すことをおすすめします。
筆者がこれまで携わってきた案件でも、悪意はなくとも結果的にスパムポリシーに近い状態になっていたケースは少なくありません。委託先まかせにせず、月に一度は公開済み記事を自分の目で読み返す時間を作ることをおすすめします。

「2週間かけて展開」が中小企業に意味すること

ここまでの内容を踏まえて、実務としてどう動けばよいかを整理します。
焦って対処しない方がいい理由
展開が2週間続くということは、期間中に何度も順位が上下する可能性があるということです。1日だけの数値を見て一喜一憂し、その都度サイトに手を加えると、かえって何が効いたのか分からなくなります。
特にタイトルやメタディスクリプションを毎日のように書き換えるのは避けてください。変更の効果を判定する前に次の変更を重ねると、原因の特定がほぼ不可能になります。
社内・取引先への伝え方
経営層やクライアントから「順位はどうなっているか」と聞かれた際は、憶測で原因を断定せず、「Googleが2週間としている展開期間中であり、完了後に改めて評価する」という事実ベースの説明を心がけましょう。
不確かな情報で不安をあおるよりも、いつ・何を基準に判断するかを先に共有しておくほうが、結果的に信頼を得やすくなります。
社内向けの簡単な報告フォーマットを用意しておき、「確認日・順位の状況・次回確認予定日」の3項目だけでも共有しておくと、問い合わせのたびに一から説明する手間も省けます。
それでも今できる具体的な行動
今すぐできるのは「記録」です。展開が始まった9月24日時点の順位・表示回数をスプレッドシートなどに控えておき、2週間後の完了時点と比較できるようにしておきましょう。
あわせて、Search Consoleの「URL検査」ツールで主要ページのインデックス状況を確認しておくと、順位変動と切り分けて判断しやすくなります。
過去のアップデートとの位置づけ・2026年の傾向

最後に、今回のアップデートを2026年全体の流れの中に位置づけて考えてみます。
2026年のアップデート年表
2026年はこれまでに、3月のスパムアップデート、5月のコアアップデート、6月のスパムアップデート、8月のスパムアップデート、そして今回9月のスパムアップデートと、ほぼ隔月のペースで大きな検索アップデートが実施されてきました。
頻度が上がっているように見えますが、Googleは「アップデートの回数が増えること自体は、通常のランキングシステムの改善プロセスの一部」だと説明しています。参考までに、2026年5月のコアアップデートも展開完了までに約2週間を要しており、今回のスパムアップデートの期間はそれと同水準です。

中小企業が意識すべき向き合い方
大切なのは個別のアップデートに一喜一憂することではなく、Googleが繰り返し示している「ユーザーの役に立つ独自性のあるコンテンツを継続的に提供する」という原則に沿った運用を続けることです。
筆者も全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、アップデートのたびに個別の対処法を探すよりも、日頃からの土台づくりの重要性をお客様にお伝えしています。第三者のSEOツールやアドバイスをうのみにせず、まずはSearch Consoleという一次情報で自社の状態を確認する姿勢が、結果的に遠回りに見えて一番の近道です。


よくある質問(FAQ)

今回のスパムアップデートで自社サイトの順位が下がったらどうすればいいですか?
まずはSearch Consoleで下落の範囲(特定ページか、サイト全体か)を確認してください。特定ページの急落であれば、そのページの内容がスパムポリシーの違反類型に触れていないかを見直します。
展開完了まで最長2週間かかる可能性があるため、断定的な判断は完了後に行うことをおすすめします。焦って大きく作り替えると、あとから振り返ったときに何が原因だったか分からなくなります。
順位が変わらなかった場合、対策は不要ですか?
対応不要と判断して問題ありません。ただし、スパムポリシーの違反類型は定期的に見直しておくと、次回以降のアップデートに備えられます。
「今は影響がない」ことと「今後も影響がない」ことは別です。半年に一度程度、ポリシーの内容が更新されていないかを確認する習慣をおすすめします。
外部のSEO業者に記事作成を委託していますが、確認すべきことはありますか?
委託先の制作フローで、AIツールの出力をそのまま公開していないか、独自の情報や一次情報の確認が入っているかを確認してください。
量産型のコンテンツはスパムポリシーの「大量に生成された無価値なコンテンツ」に該当するリスクがあります。納品物を定期的にサンプルチェックする仕組みを社内に持っておくと安心です。
コアアップデートとスパムアップデートは何が違いますか?
コアアップデートはGoogleのランキングシステム全般の見直しで、特定の原因を切り分けることが難しいのが特徴です。
一方でスパムアップデートは、スパムに関するポリシーへの違反を検出する仕組みの更新であり、ポリシーに沿った運用をしていれば影響を受けにくいとされています。
スパムアップデートの影響を受けやすい業種はありますか?
Googleは特定の業種を名指ししていませんが、これまでの傾向として、比較競争の激しいテーマや口コミ・比較サイトのような第三者コンテンツを扱うサイトは、スパムポリシーの違反類型に触れやすい傾向があります。
中小企業のコーポレートサイトやサービスサイトであれば、通常どおりの健全な運用を続けていれば、過度に心配する必要はありません。
複数のサイトを運用している場合、優先して確認すべきサイトはありますか?
問い合わせや売上に直結するサイト、つまりビジネスへの影響が大きいサイトから優先して確認することをおすすめします。表示回数の絶対数が多いサイトほど、変動の影響も大きく出やすい傾向があります。
サブサイトやキャンペーン用の特設サイトは、本体サイトの確認が落ち着いてから見ても遅くありません。限られた時間は優先度の高いものから使いましょう。
順位の変動はいつまで様子を見ればいいですか?
Googleは今回の展開完了までに最大2週間としているため、9月24日から数えて10月上旬ごろまでは変動が続く可能性があります。
その間は大きな仕様変更を避け、数値の記録を続けることをおすすめします。完了後に改めて比較すれば、本当に影響があったのかどうかを冷静に判断できます。
まとめ|スパムアップデートは焦らず記録し、原則に沿った運用を

2026年9月24日に始まったGoogleのスパムアップデートは、展開に最大2週間かかる異例のペースであることが明らかになっています。
中小企業のWeb担当者がまず行うべきは、Search Consoleでの順位・表示回数の記録と、スパムポリシーの違反類型に心当たりがないかのセルフチェックです。
展開期間中は一喜一憂せず、原因の切り分けが済むまでは大きな変更を控えることをおすすめします。日頃からユーザーの役に立つ情報を積み重ねておくことが、結局のところ一番の備えになります。
今回のように展開期間が長いアップデートは、今後も増えていく可能性があります。一喜一憂する運用から、記録にもとづいて淡々と振り返る運用へと切り替えるよい機会と捉えることもできます。
今日からできる行動は、今日時点の順位データを保存しておくことです。2週間後の比較材料として必ず役立ちます。
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株式会社アクセス・リンクは、栃木県下野市を拠点にSEOコンサルティング・ホームページ制作・サジェスト対策を提供するデジタルマーケティング会社です。代表の三田健司は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作歴10年以上・延べ1,000件以上のサイトのSEO支援に携わってきました。
「順位が下がった原因が分からない」「アップデートのたびに何をすればいいか判断できない」といったお悩みに対し、Search Consoleのデータにもとづいた具体的な診断と、中長期的な改善提案を行っています。
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記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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