記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
「先月まで安定していた検索順位が、急に落ちた」「原因を調べてもコアアップデートの発表が見当たらない」——2026年7月に入ってから、こうした相談を受ける機会が増えました。
実は多くのケースで背後にあるのが、Googleが2026年6月24日から26日にかけて実施したスパムアップデートです。コアアップデートほど大きく報じられませんが、対象となったサイトへの影響は決して小さくありません。
本記事では、全日本SEO協会認定SEOコンサルタントの視点から、この2026年6月スパムアップデートで何が起きたのか、コアアップデートとの違い、そして中小企業のWeb担当者が今すぐ確認すべき対策を、公式情報にもとづいて整理します。順位変動の原因が分からず不安を感じている方にも、落ち着いて状況を切り分けられるよう、具体的な確認手順まで解説していきます。
Googleスパムアップデートとは?コアアップデートとの違い

まず前提として、Googleが実施する検索アルゴリズムの変更には大きく分けて2種類あります。「コアアップデート」と「スパムアップデート」です。
この2つは目的も仕組みも異なるため、混同すると対策の方向性を誤ってしまいます。
順位変動が起きたときに「とにかくコンテンツを増やせばいい」「被リンクを増やせばいい」といった対症療法に走ってしまう方も少なくありませんが、原因の種類によって有効な対策はまったく異なります。まずはこの2つの違いを正確に理解することが、遠回りを防ぐ第一歩です。
コアアップデートは「評価基準」全体の見直し
コアアップデートは、Googleが検索結果の品質や関連性を評価する仕組み全体を定期的に見直すものです。特定の違反行為を狙い撃ちするのではなく、コンテンツの専門性や信頼性、ユーザーにとっての有用性といった評価の重みづけを、全体的に調整します。
影響範囲が広く、業種やジャンルを問わず順位変動が起こりやすいのが特徴です。Googleは概ね3〜4か月に一度のペースでコアアップデートを実施しており、2026年は3月にもコアアップデートが行われ、直近では5月にも大型のコアアップデートが展開されました。
コアアップデートの後は数週間かけて評価が安定していくため、「アップデート直後の数値」だけで一喜一憂しないことも大切です。
コアアップデートによる順位変動は、多くの場合「もともとのコンテンツの質」に対する評価の見直しです。そのため特効薬的な対策は存在せず、Googleが公式に案内している「ユーザーファーストなコンテンツ作成のためのガイドライン」に沿って、地道にコンテンツの質を高めていくことが基本方針になります。
スパムアップデートは「違反サイト」の検出精度向上
一方でスパムアップデートは、既存のスパムポリシーに違反しているサイトをより高精度に検出するためのアップデートです。新しいルールが追加されるわけではなく、Googleが以前から禁止してきた行為を行っているサイトを、より正確に見つけ出して評価を下げる仕組みだと理解してください。
中核を担うのは「SpamBrain」と呼ばれるAIベースの検出システムです。SpamBrainは2018年から稼働しており、2022年以降に確認されているスパムアップデートはすべてこのシステムの改善によって行われています。
健全に運営されているサイトであれば、通常は大きな影響を受けません。
重要なのは、スパムアップデートは「新しい基準で足切りをする」ものではなく、「以前から存在するルールに対する検出漏れを減らす」ものだという点です。つまり、これまでたまたま検出をすり抜けていたサイトが、今回のアップデートを機に評価を下げられる、という構造になっています。

2026年6月スパムアップデートの詳細と実施スケジュール

今回のアップデートについて、公式情報から確認できる事実を整理します。憶測や噂ではなく、Googleの発表内容と、それを取材した海外SEOメディアの報道にもとづいた内容です。
実施期間はわずか2日間
Googleは2026年6月24日午前9時3分(太平洋時間)に、検索ステータスダッシュボード上でアップデートの開始を発表しました。展開は2日後の6月26日に完了しており、Googleが発表するスパムアップデートとしてはかなり短い展開期間だったといえます。
コアアップデートの場合は展開に1〜2週間程度かかることが多いのに対し、今回のスパムアップデートは2日間で完了したことになります。展開期間が短いということは、対象となる違反パターンが比較的明確で、システム側の判定処理が速やかに完了したことを示唆しています。
Google自身も「2026年6月スパムアップデートをリリースした。これは世界中のすべての言語に適用される」とコメントしており、特定の国や言語に限定されたものではなく、グローバル規模で実施されたことが公式に確認されています。
日本語サイトも当然対象に含まれるため、「海外の話だから関係ない」と捉えるのは誤りです。
今回の対象と対象外
Googleがスパムポリシーとして公式に定めている違反行為には、主に次のようなものがあります。
- スケールドコンテンツアビューズ(検索順位の操作を主目的に、大量の低品質・量産型ページを機械的に生成する行為)
- クローキング(検索エンジンとユーザーに異なる内容を表示する行為)
- スニーキーリダイレクト(意図しないページへ不正に転送する行為)
- キーワードスタッフィング(不自然にキーワードを詰め込む行為)
- ドアウェイページ(検索流入だけを目的とした誘導ページ)
- エクスパイアドドメインの不正利用(失効したドメインの評価を悪用する行為)
今回の6月アップデートについてGoogleは「通常のスパムアップデートである」とコメントするにとどまり、対象となる違反行為の詳細までは公式に明言していません。ただし、海外の主要SEOメディアであるSearch Engine RoundtableがGoogleに確認したところによると、今回のアップデートは「リンクスパム」や「サイトレピュテーションアビューズ(第三者コンテンツの評価の不正利用)」のポリシーは対象にしていないとのことです。
つまり今回については、主にコンテンツ面の問題が中心だったと捉えておくのが実務上は無難です。「順位が下がった=被リンクが原因」と短絡的に考えて、リンク否認ツールを闇雲に使ったり、外部リンクの見直しばかりに時間を割いたりすると、本来確認すべきコンテンツ面の課題を見逃してしまう可能性があります。

影響を受けやすいサイトの特徴

スパムアップデートは本来、意図的にGoogleのガイドラインに違反しているサイトを対象とするものです。しかし実務の現場では、「意図せず該当パターンに近い運用をしてしまっていた」中小企業のサイトが、巻き込まれる形で影響を受けるケースも見られます。
ここでは特に注意すべき3つのパターンを紹介します。
AI生成コンテンツの大量投稿
近年、生成AIを使って記事を量産する手法が広がっていますが、人間によるチェックや独自の付加価値がほとんどないまま大量に公開している場合、スケールドコンテンツアビューズに該当するリスクがあります。AI自体の利用が問題なのではなく、「読者の役に立たない内容を、順位獲得だけを目的に量産している」状態が問題視される点に注意が必要です。
弊社でWeb制作・SEOコンサルティングを行う中でも、更新頻度を優先するあまり、同じような構成・薄い内容の記事を短期間に大量公開してしまっているケースを見かけます。件数よりも、1本あたりの情報の独自性や網羅性を重視する姿勢が今まで以上に重要です。
具体的な目安としては、「そのページを読んで、他のサイトでは得られない気づきや情報があったか」を自問してみることをおすすめします。競合サイトの内容を要約しただけのページや、一般論を並べただけのページが大量に存在する場合は、優先的に見直しの対象とすべきです。
テンプレート依存の量産ページ
地域名や商品名だけを差し替えて大量生成した、いわゆる「クローンページ」もスケールドコンテンツアビューズの典型例です。地域展開しているサービスサイトや、店舗ごとのランディングページを多数抱えるサイトでは、各ページの本文がほぼ同一という運用にならないよう注意が必要です。
たとえば「〇〇市の歯科医院」「△△市の歯科医院」のように地域名だけを機械的に差し替えたページを大量生成している場合、検索エンジンからはコピーコンテンツに近い状態と判断されるおそれがあります。各ページに、その地域ならではの情報(アクセス方法、地域特有のニーズ、実際の来院事例など)を盛り込むことで、独自性を確保することが望ましい対応です。
失効ドメインの再利用
SEO会社から「評価の高い中古ドメインを購入して立ち上げましょう」といった提案を受けることがありますが、エクスパイアドドメインの不正利用に該当するリスクがある手法です。ドメインの評価だけを目的とした転用は、今回のような検出精度向上の対象になり得ることを理解しておく必要があります。
中古ドメインの活用自体がすべて問題というわけではありませんが、「そのドメインが以前どのような内容で運営されていたか」「新しく展開する内容と関連性があるか」を無視して、単に評価の高さだけを目当てに乗り換える手法は、Googleのガイドライン上リスクが高いと認識しておくべきです。
順位が下がったときに確認すべき5つのステップ

「最近アクセスが減った」と感じた場合、まずは原因の切り分けから始めることが大切です。以下の手順で、落ち着いて状況を確認していきましょう。
ステップ1:発生時期を特定する
Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」レポートで、クリック数・表示回数の推移をグラフで確認します。急激な変化が起きた日付を特定し、6月24日〜26日の期間と重なっているかを確認してください。
時期がずれている場合は、別の要因(季節変動、競合の台頭、技術的な問題など)を疑う必要があります。
Search Consoleの日別データは初期状態では表示されないことが多いため、「検索結果」レポートの画面で期間を「16か月」などに広げたうえで、日付ごとの推移を折れ線グラフで確認するとわかりやすくなります。
ステップ2:影響を受けたページの傾向を洗い出す
順位や流入が下がったページに共通点がないか確認します。特定のカテゴリやページ群に集中している場合は、そのコンテンツ群の品質や独自性を見直す手がかりになります。
逆に、サイト全体でまんべんなく下がっている場合は、スパムアップデートよりもコアアップデートや技術的な問題を疑ったほうがよいケースもあります。
ステップ3:該当ページの内容を客観的に見直す
影響を受けたページについて、「このページは他にはない情報を提供できているか」「テンプレート的な構成で似た内容のページが複数存在していないか」を、第三者の視点で確認します。可能であれば、実際にそのページで検索意図を満たせるかどうかを、社内の別担当者にも確認してもらうことをおすすめします。
自分たちで作成したコンテンツほど、客観的な評価が難しくなる傾向があります。可能であれば、社内で普段そのコンテンツに関わっていない担当者や、実際の顧客に近い立場の人にレビューしてもらうと、思わぬ改善点が見つかることがあります。
ステップ4:手動による対応ではないか確認する
スパムアップデートによる影響は、多くの場合アルゴリズムによる評価の見直しであり、Search Consoleの「セキュリティと手動による対策」に通知が来ることは基本的にありません。ただし、まれに手動対策が併行して行われるケースもあるため、念のため確認しておくと安心です。
ステップ5:焦って大量の変更をしない
順位が下がったからといって、短期間に大量のページを削除したり、内容を頻繁に書き換えたりすると、かえって評価が不安定になることがあります。まずは原因を落ち着いて特定し、必要な箇所から段階的に改善していく方針が望ましいです。
特にページの一括削除は、それまで蓄積してきた評価やインデックス情報を失うことにもつながりかねません。改善で対応できる場合は、まずは内容の質を高める方向で調整し、それでも改善が見られない場合に限って、統合や削除を検討するという順序を守ることをおすすめします。

次のコアアップデートに備えて今からできること

Googleのコアアップデートは概ね3〜4か月に一度のペースで実施されており、2026年5月に大型のコアアップデートが展開されたことをふまえると、次回は2026年第3四半期、早ければ8月から9月頃になる可能性があると見られています。ただし、これはあくまで過去の実施間隔からの推測であり、Googleから正式なスケジュールが発表されているわけではない点にご留意ください。
コンテンツの独自性を点検する
スパムアップデート・コアアップデートいずれの観点でも共通して重要なのは、「自社にしか書けない情報が入っているか」という点です。実際の施工事例、顧客対応で得た知見、業界特有の実務ノウハウなど、他社サイトの言い換えでは再現できない情報を盛り込むことが、長期的な評価の安定につながります。
具体的には、記事の中に「自社での対応件数」「実際にあった相談事例」「業界特有の注意点」といった、一次情報にもとづく要素を意識的に加えていくことをおすすめします。これは前述のE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の考え方とも直結する取り組みです。
公開頻度よりも1本あたりの完成度を優先する
弊社が中小企業のWebサイトを1,000件以上支援してきた経験からも、「毎日大量に投稿すること」よりも「読者の疑問に過不足なく答える記事を、無理のないペースで積み上げること」の方が、中長期的な検索順位の安定に寄与しています。AIを執筆の下書きに活用すること自体は問題ではありませんが、最終的に人の目でファクトチェックと独自性の追加を行う工程を省略しないことが重要です。
定期的なコンテンツの棚卸しを行う
過去に公開した記事の中に、内容が古くなっているものや、他ページと内容が重複しているものがないか、定期的に棚卸しを行うことも有効です。情報が古いまま放置されているページは、更新するか、必要性が低ければ統合・削除を検討しましょう。
棚卸しの際は、Search Consoleの「検索パフォーマンス」レポートで、表示回数はあるもののクリック率が極端に低いページや、直近1年でアクセスがほとんどないページを一覧化すると、優先的に見直すべきページを効率的に洗い出せます。
よくある質問
Q1. 順位が下がったのはスパムアップデートが原因かどうか、どうやって見分ければいいですか?
Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで、順位低下が始まった日付を確認してください。2026年6月24日〜26日と時期が重なる場合はスパムアップデートの影響である可能性がありますが、断定はできません。
同時期に他の要因(サイトの技術的な変更、競合の動き、季節要因)がなかったかもあわせて確認することをおすすめします。
Q2. 自社サイトは違反しているつもりがないのに順位が下がりました。どうすればいいですか?
意図せず該当パターンに近い運用(似た内容のページの乱立、更新頻度優先の量産など)になっていないか、客観的に見直すことから始めてください。それでも原因が特定できない、または重要なページで大きな影響が出ている場合は、専門家にご相談いただくことをおすすめします。
Q3. AIで記事を作成すること自体がスパム扱いされますか?
AIの活用自体が問題視されているわけではありません。Google公式も、コンテンツの作成方法(人力かAIか)ではなく、内容が読者にとって有用か、独自の価値があるかを評価の基準にすると明言しています。
AIを使う場合も、ファクトチェックと独自情報の追加を必ず行うことが重要です。
Q4. 次のコアアップデートはいつ実施されますか?
2026年7月時点でGoogleから正式な予定は発表されていません。過去の実施間隔(概ね3〜4か月に一度)から推測すると、2026年8月から9月頃に実施される可能性がありますが、あくまで推測であり確定情報ではない点にご注意ください。
Googleの公式発表は検索ステータスダッシュボードやSearch Central Blogで随時確認できます。
SEOのご相談は専門家へ
今回ご紹介したスパムアップデートのように、Googleの検索アルゴリズムは細かな更新を繰り返しながら日々変化しています。自社だけで最新動向を追い、正しい対策を判断するのは容易ではありません。
株式会社アクセス・リンクでは、全日本SEO協会認定SEOコンサルタントの三田健司が、Web制作10年以上・延べ1,000件以上の実績にもとづき、貴社の状況に合わせたSEOコンサルティングをご提供しています。順位変動の原因分析から中長期的な改善提案まで、60分のミーティングで丁寧にお伺いします。
「最近アクセスが落ちた気がする」「今後のアップデートに備えたい」という方は、ぜひお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント
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