記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
「対策キーワードは、ページ全体の何%くらい入れればよいのでしょうか」。ホームページの原稿を書かれている経営者やWeb担当者の方から、いまでもよくいただくご質問です。
この問いの背景には、「キーワードを多く入れたほうが上位に出る」という考え方があります。かつては一定の効果があった手法ですが、現在は逆効果になるだけでなく、Googleのスパムポリシー違反として扱われる行為です。これがキーワードスタッフィングです。
そして2026年に入り、この問題をめぐる状況が変わりました。4月、Googleはスパム通報が手動対策の引き金になり得ることを正式にドキュメントへ明記しています。つまり、詰め込みを放置しているページは、機械に見つかるだけでなく、第三者の通報から人の目に触れる可能性が出てきたということです。
この記事では、Googleの公式ドキュメントに書かれている定義を確認したうえで、よくある詰め込みのパターン、2026年に変わった点、自社サイトの点検手順、そして見つかったときの直し方までを整理します。
キーワードスタッフィングとは何か

Google公式の定義
Googleは検索セントラルの「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」の中で、キーワードスタッフィングを独立した項目として扱っています。
そこでの定義は「検索結果での掲載順位を操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込む行為」というものです。判断の軸になっているのは語の数ではなく、順位を操作する目的があるかどうかです。
あわせて「これらのキーワードは多くの場合、リストやグループの形で、不自然に、あるいは文脈から外れて出現する」とも書かれています。つまり、文章として読めるかどうかが見分けの手がかりになります。
公式が挙げている3つの例
Googleは具体例を3つ挙げています。1つ目は「実質的な付加価値のない電話番号の羅列」です。2つ目は「そのページで上位表示を狙っている市区町村や地域名を並べただけのテキストブロック」。
3つ目は「同じ単語やフレーズを、不自然に聞こえるほど繰り返すこと」です。公式ドキュメントには、同じ語句を1段落のなかで4回も5回も繰り返した英文の例文まで掲載されています。
この3例を日本の中小企業のサイトに当てはめると、2つ目の「地域名の羅列」がもっとも当てはまりやすいパターンです。心当たりのある方は、この記事の後半の点検手順をご覧ください。
「たくさん入れれば上がる」が通用した時代の名残
2000年代の検索エンジンは、ページ内に対策語がどれだけ出現するかを重視して順位を決めていた時期がありました。そのため、キーワードの出現率を数%に調整する、という作業がSEOの中心にあった時代があります。
いまのGoogleは、語の一致ではなく検索した人の意図と文書全体の意味を見て順位を決めています。出現率を目標にして原稿を書く必要は、現在のSEOではありません。
筆者のところにも「何%が正解ですか」というご質問は届きますが、いつも「数値の目標は置かず、その質問に答えている文章になっているかで判断してください」とお伝えしています。

中小企業のサイトでよくある4つのパターン

本文中で同じ語を不自然に繰り返す
もっとも典型的なパターンです。「下野市 塗装」で上位を取りたいがために、1つの段落のなかで「下野市の塗装なら」「下野市の塗装工事は」「下野市で塗装をお考えなら」と繰り返してしまう形です。
本人は自然に書いたつもりでも、声に出して読むとすぐ分かります。人が読んで違和感のある繰り返しは、Googleにとっても不自然です。
対応エリアとして地域名を羅列する
ページの下部に「対応エリア:宇都宮市/小山市/栃木市/佐野市/足利市……」と数十件の市町村名を並べているサイトは、いまも数多く見かけます。
これはGoogleが公式に例示している「そのページで上位表示を狙っている地域名を並べただけのテキストブロック」に、かなり近い形です。実際に対応している地域を書くこと自体は問題ではなく、地域名だけが並んでいて中身がないことが問題になります。
なお、地域ごとに独立したページを用意している場合も同じです。市町村名だけを差し替えた同一文面のページを何十枚も作っているなら、後述する大量生成コンテンツの問題と重なってきます。
背景色と同じ文字色で隠す
白い背景に白い文字でキーワードを置く、文字サイズを0にする、画面の外へ飛ばす。こうした手法は「隠しテキストと隠しリンク」として、キーワードスタッフィングとは別項目でスパムポリシーに明記されています。
いまどきそんなことはしない、と思われるかもしれません。ただ、10年以上前に制作したサイトを引き継いだ場合、当時の制作会社が仕込んだまま残っていることがあります。実際に筆者もそうした事例に立ち会ったことがあります。
あわせて、Googleは「アコーディオンやタブで折りたたまれた文章」「スクリーンリーダー向けの補助テキスト」は違反ではないと明記しています。隠す意図の有無で区別されている、と理解してください。
alt属性やメタタグに詰め込む
画像のalt属性に「塗装 外壁塗装 屋根塗装 下野市 宇都宮 見積もり 安い」と羅列する。ページのタイトルタグやメタキーワードに対策語をすべて並べる。こうした形も残っています。
alt属性は本来、その画像に何が写っているかを説明するためのものです。目の不自由な方が読み上げソフトで聞いたときに意味が通るかを基準にすると、迷いません。

2026年に変わったこと|通報が手動対策の引き金に

2026年4月のドキュメント更新
これまでGoogleは、スパム報告フォームから寄せられた情報について「個別のサイトへの対処には使わない」という趣旨の説明をしてきました。集まった報告は、自動判定システムを改善するための材料という位置づけだったわけです。
それが2026年4月14日、Googleは報告ページの記述を更新し、「スパム報告の内容を、違反に対する手動対策のために使用する場合がある」と明記しました。その後、4月23日にも条件についての説明が追記されています。
通報フォームが、フィードバックの窓口から実際の措置につながる入口へと位置づけを変えた、ということです。この変更はSearch Engine Landをはじめとする海外の業界メディアが一斉に報じています。
通報文はサイト運営者に転送される
もう1点、同時に加わった仕様があります。通報を受けて手動対策が実施された場合、通報者が書いた文面がそのままサイト運営者へ伝えられる、というものです。
Googleの説明では、措置を受けた側がその根拠を理解できるようにするための対応とされています。なお通報者の氏名や連絡先が共有されるわけではなく、4月24日には、個人を特定できる情報を含む通報は転送せず処理しないという方針変更も行われています。
措置を受ける側から見ると、これは悪い話ばかりではありません。従来の手動対策の通知は「大量生成されたコンテンツの不正使用」といった分類名しか示されず、どこを直せばよいのか分かりにくいものでした。具体的な記述が届けば、対応はしやすくなります。
中小企業にとって何が変わるのか
実務上の変化は明確です。これまで、詰め込みを含むページが問題になるとしたら自動判定によるものでした。これからは、同じ商圏の同業者が通報フォームから指摘するという経路が加わります。
ここで特定の企業や業界を批判する意図はありません。ただ、地域名を数十件並べたページや、対策語を繰り返した文章がそのまま残っているサイトは、以前より指摘されやすい状態にあるとはいえます。
逆に、自社が不当な手法の競合に困っている場合も、通報の意味は以前より大きくなりました。ただしその際は、違反しているポリシー名と該当URL、観察した事実だけを書き、自分や顧客を特定できる情報は一切入れないでください。
スパムアップデートと手動対策の重み

2026年6月のスパムアップデート
直近で公式に発表されたスパムアップデートは、2026年6月24日から26日にかけて実施されたものです。3日ほどで完了しており、近年のなかでは短い部類に入ります。
対象は、クローキング、誘導ページ、期限切れドメインの不正使用、ハッキングされたコンテンツ、隠しテキスト、キーワードスタッフィング、リンクスパム、サイトの評判の不正使用、大量生成コンテンツの不正使用など、既存のスパムポリシー全般です。
新しいルールが加わったわけではありません。以前から書かれていた内容の執行が、より確実に行われるようになったと捉えるのが実態に近いといえます。
コアアップデートとの違い
順位が下がったとき、コアアップデートとスパムアップデートを混同されている方が少なくありません。この2つは目的が異なります。
コアアップデートは、検索の評価基準そのものを見直すものです。違反していなくても順位は動きますし、下がったからといってペナルティを受けたわけではありません。
一方のスパムアップデートは、ポリシー違反の検出精度を上げるためのものです。キーワードスタッフィングが関係してくるのは、こちらのほうです。どちらのタイミングで下がったのかを確認するだけでも、打つ手が変わります。
手動対策はGoogle広告にも影響しうる
見落とされがちな点として、手動対策の影響が自然検索だけにとどまらない可能性があります。2024年12月のポリシー変更以降、自然検索での手動対策が広告の掲載資格にも関係し得ると報じられています。
「SEOは広告で補えばよい」という考え方が、そのままでは通らない場面が出てくるということです。検索も広告も同じサイトを見ている以上、サイト側を整えることが結局いちばん確実な対策になります。
「作り方」ではなく「目的」で判断される
スパムポリシーの「大量生成コンテンツの不正使用」の項目には、重要な一文があります。「どのように作成されたかにかかわらず」価値の低いコンテンツを大量に生み出す行為が対象だ、という記述です。
つまり、人が書いたか生成AIが書いたかは判断基準ではありません。Googleが見ているのは、そのページが検索順位の操作を主な目的として作られたかどうかです。
この考え方は、キーワードスタッフィングにもそのまま当てはまります。同じ語が何回出てくるかではなく、なぜその語を置いたのかが問われている、と考えると分かりやすいはずです。
自社サイトを点検する4つの手順

出現率を測るのではなく、声に出して読む
点検の第一歩は、ツールを使うことではありません。集客の要になっているページを開き、最初から最後まで声に出して読んでみてください。
読んでいて言いよどむ箇所、同じ言葉が続いて耳につく箇所が、そのまま修正対象です。出現率の数値より、この方法のほうが正確に見つかります。
時間があれば、社内の別の方に読んでもらうとさらに確実です。書いた本人は繰り返しに慣れてしまっていることが多いためです。
地域名の羅列を探す
次に、サイト内で地域名が並んでいる箇所を探します。トップページの下部、フッター、対応エリアのページ、サービスページの末尾あたりが定番の場所です。
ブラウザでページを開き、ページ内検索で自社の主要な商圏の市名を入れてみると、思わぬ場所に埋まっているのが見つかることがあります。
画像のaltとタイトルタグを見る
WordPressをお使いなら、管理画面の「メディア」からライブラリを開き、代替テキストの欄を順に確認します。単語が空白で区切られて並んでいるものがあれば、書き直しの対象です。
タイトルタグは、ブラウザでページを開いてタブに表示される文字を見れば分かります。読点や記号で対策語を並べただけになっていないかを確認してください。
制作会社に任せている場合の確認方法
サイトの更新を制作会社に任せていて、ご自身では中身を触っていないというケースも多いはずです。その場合でも、確認はできます。
ブラウザでページを開き、本文の部分をマウスで全選択してみてください。何も書かれていないように見える場所に選択の色が付いたら、そこに文字が隠れています。
心当たりがあれば、制作会社に「隠しテキストや地域名の羅列が入っていないか確認してほしい」と伝えるだけで構いません。専門用語を使う必要はありません。
Search Consoleで手動対策を確認する
Google Search Consoleの左メニューに「手動による対策」という項目があります。ここを開いて「検出された問題はありません」と表示されていれば、少なくとも人の目による措置は受けていません。
問題が記載されていた場合は、内容を読んだうえで該当箇所を修正し、再審査リクエストを送ることになります。自動判定による順位下落はここには表示されないため、両方を分けて考える必要があります。

見つかったときの直し方

削るのではなく、書き直す
繰り返しを見つけたとき、その語を機械的に削るだけでは不十分です。削った結果、何も説明していない薄い文章が残ってしまうことがあるからです。
おすすめは、その段落で伝えたいことを一度自分の言葉で口に出し、それを文字にする方法です。対策語を意識せずに書いた文章のほうが、結果として自然な形でキーワードを含むことがほとんどです。
地域名の羅列は「その地域の情報」に変える
対応エリアの羅列をどうするかは、よくいただくご相談です。全部消してしまうと、本当にその地域に対応していることが伝わらなくなります。
現実的な落としどころは、主要な地域を絞り、それぞれに一言ずつ情報を添える形です。「小山市:市内全域に対応、当日中の現地確認が可能です」のように書けば、羅列ではなく情報になります。
地域ごとのページを作る場合も同じで、その地域での施工事例や、地域特有の事情を1つでも書けるかが分かれ目です。書けないなら、そのページは作らないほうが安全です。
タイトルタグは1つの主題に絞る
タイトルタグに対策語を並べてしまっている場合は、そのページで答えたい質問を1つに決めるところから始めます。
「外壁塗装 屋根塗装 防水工事 下野市 宇都宮市 見積もり」ではなく、「外壁塗装の費用相場|栃木県下野市の実例で解説」のように、読んだ人が中身を想像できる形にします。
検索結果に表示される文字数には限りがあるため、長く並べても後半は切れて見えません。詰め込みを避けることは、クリック率の面でも合理的な判断になります。
反映までにかかる時間
修正した内容が検索結果に反映されるまでの期間を、確約することはできません。Googleが再度クロールし、評価をやり直すまでには時間がかかります。
手動対策を受けていた場合は、再審査リクエストの審査に数週間かかることもあります。自動判定による影響であれば、次のスパムアップデートや定期的な再評価のタイミングを待つことになります。
いずれにせよ、直した翌日に順位が戻るという性質のものではありません。焦って何度も書き換えるより、直した状態を保って待つほうが確実です。

AI検索時代の「詰め込み」に注意

AIに読ませるための繰り返しは効かない
AIによる概要やAIモードが広がるにつれ、「AIに引用されるために、社名やサービス名を何度も書いたほうがよいのでは」というご相談をいただくようになりました。
結論から申し上げると、おすすめしません。AIが参照するのは検索の索引です。索引に入る段階でスパムポリシーの判定を受けるため、詰め込んだページはそもそも候補に残りにくくなります。
加えてGoogleは2026年、AIによる概要やAIモードといった生成AIの回答面にもスパムポリシーを適用する方針を明確にしています。従来の検索結果だけの話ではなくなっている、ということです。
大量生成コンテンツと同じ扱いになりうる
生成AIを使って記事を量産する場合、キーワードスタッフィングと大量生成コンテンツの問題が同時に起こりやすくなります。指示文に対策語を入れると、AIはその語を素直に繰り返すためです。
Googleは生成AIの利用そのものを禁じてはいません。問題になるのは、価値を足さないまま大量のページを作ることです。公開前に人が読んで手を入れる工程を挟むだけで、リスクは大きく下がります。
構造化データは詰め込みの代わりにならない
「構造化データにキーワードを入れておけば、AIに伝わるのでは」というご質問もいただきます。これも避けたほうがよい考え方です。
構造化データは、ページに書かれている内容を機械に伝えるための補助的な記述です。本文に存在しない情報を書いたり、対策語を並べたりすると、記述と実際の内容が食い違うことになります。
本当に効くのは一次情報
では、AIに参照されやすくするために何をすればよいのか。実務上いちばん効くのは、他社が書けない事実を自社サイトに置くことです。
自社で実施した施工の記録、料金の考え方、対応の流れ、よくある失敗例。こうした内容は、繰り返しの語より遥かに強い手がかりになります。会社概要ページの設立年・所在地・提供サービスを整えておくことも土台になります。

よくある質問(FAQ)

キーワードの出現率は何%が適切ですか
Googleは適切な出現率を公表していません。何%なら安全という基準は存在しないとお考えください。
スパムポリシーが問題にしているのは割合ではなく、順位操作を目的とした不自然な配置です。数値を追うより、読んで自然かどうかで判断してください。
同じ語を3回使ったら違反ですか
回数だけで違反かどうかが決まることはありません。テーマについて詳しく書けば、その分野の言葉が自然に何度も出てくるのはむしろ当然です。
問題になるのは、文脈から浮いた形で語が置かれている場合です。文章としてつながっているなら、回数を気にする必要はありません。
対応エリアの一覧はすべて消すべきですか
いいえ。実際に対応している地域を掲載すること自体は、ユーザーにとって必要な情報です。
見直しの対象になるのは、対応していない地域まで含めて数十件を並べている場合や、地域名だけで説明が一切ない場合です。主要な地域に絞り、一言ずつ情報を添える形に整えてください。
古いサイトを引き継いだのですが、まず何を見ればよいですか
最初にSearch Consoleの「手動による対策」を確認してください。ここに何も表示されていなければ、緊急性の高い問題は起きていないと判断できます。
そのうえで、集客の要になっているページを声に出して読み、フッターの地域名と画像のalt属性を確認する。この3点を押さえれば、大きな見落としは防げます。
競合が明らかに詰め込んでいて、上位にいます
順位は詰め込みの有無だけで決まるものではないため、他の要素で評価されている可能性があります。同じ手法を真似することはおすすめしません。
どうしても看過できない場合は、Search Consoleのスパム報告フォームから、違反しているポリシー名と該当URL、観察した事実だけを記載して報告できます。自分や顧客を特定できる情報は書かないでください。
まとめ|数ではなく、答えているかどうか

キーワードスタッフィングは、検索順位を操作する目的でページにキーワードや数字を詰め込む行為で、Googleのスパムポリシーに明記された違反です。判断されるのは語の数ではなく、その配置に順位操作の意図があるかどうかです。
中小企業のサイトでよく見かけるのは、同じ語の不自然な繰り返し、対応エリアとしての地域名の羅列、古い制作時に残された隠しテキスト、そしてalt属性やタイトルタグへの詰め込みの4つです。
2026年に入り、状況はひとつ変わりました。4月14日、Googleはスパム通報を手動対策に用いる場合があるとドキュメントに明記し、通報文が運営者へ伝えられる仕組みも加わりました。放置しているページは、以前より指摘されやすい状態にあります。
点検はツールではなく、声に出して読むところから始めてください。フッターの地域名と画像のalt属性、そしてSearch Consoleの「手動による対策」。この3か所を確認するだけで、大半の問題は見つかります。
今日できることを1つ挙げるなら、いちばん集客に貢献しているページを開いて、最初から最後まで音読してみてください。言いよどんだ箇所が、直すべき場所です。

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Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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