SEO対策

リダイレクトがSEOに与える影響とは?種類と設定方法を解説

記事執筆:認定SEOコンサルタント 三田健司

Webサイトやブログを運営していると、ページを削除したり重複コンテンツが見つかり記事をまとめたりすることがあると思います。また、サイトをまるまる別のドメインに引っ越すことも。
そのようなときに有効なのが「リダイレクト」の設定です。でも、リダイレクトすることでSEOにマイナス評価を受けるのは避けたいですよね。
そこで本記事では、リダイレクト設定がSEOに与える影響とリダイレクトの種類、設定方法を解説しています。
リダイレクトとSEOの関係が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

リダイレクトとは

リダイレクトとは、Webページが削除・移転などによってURLが変わった際に、古いページに流入したユーザーを新しいページへ自動的に転送させる設定のことです。例えば、https://sample.com./aaaというWebページのURLがhttps://sample.com./bbbというURLに移転した場合、https://sample.com./aaaにアクセスしたユーザーを自動的にhttps://sample.com./bbbに転送することです。

リダイレクトには「301リダイレクト」と「302リダイレクト」の2種類があり、それぞれの役割が異なりますので、正しくリダイレクト設定をするようにしましょう。

301リダイレクトとは

301リダイレクトは、Webサイトのページを永続的に別のURLにリダイレクトするための仕組みです。これは、ページのURLが変更された場合や、特定のページが完全に削除された場合に使用されます。

このリダイレクトは検索エンジンやブラウザに対しても重要な役割を果たします。例えば、古いURLが検索エンジンのインデックスに残っている場合でも、301リダイレクトを設定することで、ユーザーは新しいURLに自動的に転送されます。

また、301リダイレクトはSEOにおいても重要な役割を果たします。検索エンジンは古いURLと新しいURLを関連付け、古いURLの検索エンジンの評価を新しいURLに引き継ぐことができます。これにより、Webサイトの検索エンジンのランキングが損なわれることなく、トラフィックを確保することができます。

301リダイレクトを設定するケース

Webサイトの引っ越し、ページの削除や統合

Webサイトを別のドメインに移転する場合や、ページを削除または統合する場合には、301リダイレクトを設定することが望ましいです。これにより、古いURLのアクセスを新しいURLに自動的に転送され、ユーザーの利便性と検索エンジンのインデックスに影響がありません。

URLの正規化

WebサイトのURLには、wwwありとなしの2つのバリエーションが存在します。例えば、「example.com」と「www.example.com」のような形です。これによって、同じコンテンツが2つのURLで表示されてしまい、検索エンジンのランキングに悪影響を与える可能性があります。301リダイレクトを設定することで、どちらかのバリエーションに統一し、適切なURLで表示されるようにします。

SSL化をおこない、プロトコルがhttpからhttpsに変わった場合

WebサイトをSSL化することで、セキュリティを向上させることができます。しかし、プロトコルがhttpからhttpsに変更された場合、既存のインデックスされたURLが無効になる可能性があります。301リダイレクトを設定することで、検索エンジンとユーザーを新しいhttpsのURLに自動的に転送します。

末尾にindex.htmlのあるページと無いページ

Webサイトの一部のページには、末尾に「index.html」が付いている場合と付いていない場合があります。例えば、「example.com/page」と「example.com/page/index.html」のような形です。これにより、同じコンテンツが2つのURLで表示されてしまい、検索エンジンのランキングに悪影響を与える可能性があります。301リダイレクトを設定することで、どちらかのバリエーションに統一し、適切なURLで表示されるようにします。

301リダイレクトをおこなう際の注意点

関連性の低いページにリダイレクトしない

301リダイレクトは、古いページを新しいページに転送するための手法ですが、関連性の低いページへリダイレクトすることは避けるべきです。関連性の高いページへリダイレクトすることで、ユーザーの利便性と検索エンジンの評価を向上させることができます。

内部リンク、canonicalの設定などを更新する

301リダイレクトを実施する際には、リダイレクト元のページからの内部リンクや、canonicalタグの設定なども適切に更新する必要があります。これにより、正しいページにリンクが集中し、ページの評価を最適化することができます。

robots.txtの仕様を確認する

301リダイレクトをおこなう場合、リダイレクト元のページが検索エンジンのクローラーに対してブロックされていないか、robots.txtの仕様を確認することが重要です。もしリダイレクト元のページがブロックされている場合、クローラーが正しいリダイレクト先を取得できず、ページの評価が低下してしまう可能性があります。

302リダイレクトとは

302リダイレクトは、特定のWebページにアクセスした際に、一時的に別のURLに転送することを指します。この転送は一時的なものであり、サイトのメンテナンスや一定期間ページを閉じている場合など、ユーザーを一時的に別のページに誘導したい場合に使用されます。

例えば、あるECサイトで商品ページのメンテナンスを行う場合、ユーザーがその商品ページにアクセスした際に一時的に別のページに転送することがあります。この場合、302リダイレクトを使用することで、ユーザーは一時的に転送先のページに誘導されます。メンテナンスが終わった後は、再び元の商品ページにアクセスできるようになります。

また、セールやキャンペーンなど一定期間限定のページを作成した場合にも、302リダイレクトを使用して転送することがあります。特定の期間だけそのページにアクセスできるようにしておきたい場合に便利です。

302リダイレクトは機能的な理由で使用されることが多い一方、SEOには注意が必要です。一時的なリダイレクトを繰り返すと、検索エンジンがページの評価を下げてしまう可能性があるためです。検索エンジンに適切なページを表示するためにも、使用には注意が必要です。

302リダイレクトを設定するケース

サイトの一時的なメンテナンス

Webサイトのメンテナンスを行う場合、一時的にアクセスを制限する必要があります。この場合、302リダイレクトを使用することで、ユーザーがメンテナンス中のページにリダイレクトされるようにすることができます。これにより、ユーザーはメンテナンスおこなわれていることを知ることができます。

特定のページに不具合が生じた場合

Webサイトの特定のページに不具合が生じた場合、ユーザーがエラーページを表示されることは望ましくありません。代わりに、302リダイレクトを使用して、ユーザーを正常なページにリダイレクトすることができます。これにより、ユーザーは問題のあるページではなく、代替のページを閲覧することができます。

A/Bテストを実施する場合

A/Bテストでは、複数のバージョンのウェブページを比較し、ユーザーの反応を分析します。この場合、302リダイレクトを使用して、ユーザーを異なるバージョンのページにランダムにリダイレクトすることができます。これにより、ユーザーは異なるバージョンのページを見ることができるため、テストの結果を正確に収集することができます。

302リダイレクトをおこなう際の注意点

設定期間を長くし過ぎない

302リダイレクトは一時的なリダイレクトです。つまり、一時的に別のURLに転送するための設定です。しかし、設定期間を長くし過ぎると、検索エンジンが永久的なリダイレクト(301リダイレクト)と認識してしまい、サイトの評価に悪影響を与える可能性があります。設定期間は必要最低限に設定しましょう。

不正なリダイレクトだとGoogleに思われないようにする

リダイレクトを利用する場合、検索エンジンに対して不正なリダイレクトと誤解されないように注意が必要です。例えば、ユーザーを自動的に異なるURLにリダイレクトする際は、その理由を明確にしておくことが重要です。また、検索エンジンのガイドラインに適合した設定を行うことも大切です。

転送先のURLを確認する

302リダイレクトを設定する際は、転送先のURLを確認することも重要です。正しいURLを指定しないと、ユーザーが意図したページに正しくリダイレクトされない可能性があります。また、転送先のURLが変更される場合には、リダイレクト先のURLも適宜変更するようにしましょう。

リダイレクトがSEOに与える影響

画面にSEOと表示されているノートパソコン

リダイレクトすること自体は、SEOに影響を与えることはありません。しかし、リダイレクトの種類によって、SEO評価の引き継ぎ方が異なります。

まず、元ページのSEO評価を新ページへ引き継ぎたい場合は、「301リダイレクト」を設定してください。301リダイレクトは、検索エンジンに対して「このページは移動したので、新しいページにアクセスしてください」と伝える設定です。この場合、元ページのSEO評価は新ページへと引き継がれます。

一方、SEO評価を元ページのままリダイレクト設定する場合は、「302リダイレクト」を使用します。302リダイレクトは、検索エンジンに対して「一時的に別のページにアクセスしてください」と伝える設定です。

一部、302リダイレクトがSEO的に不利だという意見もありますが、Googleは「リダイレクトの種類がSEO評価に影響を及ぼすことは無い」という趣旨の発言をしています。

以前はスパム行為を防ぐためにリダイレクトされたページのSEO評価が失われてしまう仕様がありました。しかし、最近では検索エンジンの精度が向上し、不正なリダイレクトを検知・排除することが可能になりました。その結果、現在ではリダイレクトによってSEO評価がゼロになることはなく、検索順位に大きな影響を与えることもありません。

つまり、リダイレクトがSEOに与える影響は限定的であり、正しく設定されていればSEO評価が維持されます。しかし、リダイレクトの種類や設定方法には注意が必要です。適切な設定を行うことで、ユーザーの利便性と検索エンジンのクロール効率を向上させることができます。

リダイレクトの設定方法

リダイレクト設定の方法を4つ紹介します。

.htaccessを使用したリダイレクト

.htaccessを使用して、ページ単位とディレクトリ単位のリダイレクト設定の方法について説明します。例として、「https://sample.com/old.html」というページから「https://sample.com/new.html」へリダイレクトする方法と、「https://sample.com/old」というディレクトリから「https://sample.com/new」というディレクトリへリダイレクトする方法を解説します。

まず、ページ単位のリダイレクト設定です。以下のコードを.htaccessファイルに追加します。

RewriteEngine On
Redirect 301 /old.html https://sample.com/new.html

この設定では、/old.htmlというページにアクセスがあった場合に、301リダイレクトステータスコードを返し、https://sample.com/new.htmlにリダイレクトされます。

次に、ディレクトリ単位のリダイレクト設定です。以下のコードを.htaccessファイルに追加します。

RewriteEngine On
RedirectMatch 301 /old/(.*) https://sample.com/new/$1

この設定では、/old/以下のすべてのページにアクセスがあった場合に、301リダイレクトステータスコードを返し、https://sample.com/new/以下の同じURLにリダイレクトされます。

これらの設定を.htaccessファイルに追加することで、ページ単位およびディレクトリ単位のリダイレクトを実現することができます。注意点としては、.htaccessファイルが正しく設置されていることやサーバーがmod_rewriteをサポートしていることを確認してください。また、変更が反映されるまでに時間がかかる場合があるため、設定後にしばらく待つ必要があります。

phpを使用したリダイレクト

例として、「https://sample.com/new.html」へ移行したい場合、PHPのヘッダー関数を使用してリダイレクトを設定します。以下のコードをウェブページの先頭に追加します。

<?php
header(‘Location: https://sample.com/new.html’);
exit;
?>

このコードでは、`header(‘Location: https://sample.com/new.html’);`でリダイレクト先のURLを指定しています。そして、`exit;`で以降のコード実行を停止し、直ちにリダイレクトされるようにします。

このようにPHPを使ってリダイレクトを設定することで、ユーザーが古いURLにアクセスした場合でも自動的に新しいURLに移行させることができます。また、ヘッダー関数を使うことで正常なリダイレクト処理が行われ、検索エンジンにも適切に通知されるため、SEOにも配慮した設定が可能です。

なお、この方法ではリダイレクト先のURLをハードコードしていますが、変数を使用することもできます。例えば、データベースから取得したURL情報を変数に格納し、それを使ってリダイレクト先のURLを動的に決定することも可能です。

javaScript使用したリダイレクト

javaScriptを使用して、例として「https://sample.com/new.html」へ移行したい場合の記述方法を解説します。

リダイレクトを行いたい元のURLのHTMLファイルを開きます。以下のようなスクリプトを<head>タグ内に追加します。

<script type=”text/javascript”>
window.location.href = “https://sample.com/new.html”;
</script>

以上のように、window.location.hrefにリダイレクト先のURLを指定することで、設定を行います。

このスクリプトを追加することで、ユーザーが元のURLにアクセスした際に、自動的にhttps://sample.com/new.htmlへ転送されます。

また、ページの移動がすぐに行われることが望ましくない場合は、リダイレクトの遅延を設定することも可能です。

例えば、以下のように、2秒後にリダイレクトが行われるように設定することもできます。

<script type=”text/javascript”>
setTimeout(function(){
window.location.href = “https://sample.com/new.html”;
}, 2000);
</script>

この場合は、ページにアクセスしてから2秒後にリダイレクトが行われます。

WordPressプラグインを使用したリダイレクト

Redirection

WordPressを使用している場合、プラグインを活用することで簡単にリダイレクト設定を行うことができます。

リダイレクト設定におすすめプラグインは「Redirection」です。このプラグインは、使いやすさと高機能性が特徴です。Redirectionを導入することで、簡単にリダイレクトの設定が行えます。

Redirectionの使用方法は非常にシンプルです。まずはプラグインをインストールして有効化します。有効化後、WordPressの管理画面に「Redirection」という項目が追加されます。ここから、リダイレクトの設定や管理が行えます。

301リダイレクト、302リダイレクトを含め、以下のようなリダイレクト設定が可能です。

1. 単純なURLのリダイレクト:あるURLから別のURLにリダイレクトさせる場合に使用します。例えば、旧バージョンの記事のURLを新しいバージョンのURLにリダイレクトさせることができます。

2. 正規表現を使用したリダイレクト:特定の条件に基づいてリダイレクトさせたい場合に使用します。例えば、特定のURLパターンが含まれる場合にリダイレクトさせたい場合に利用できます。

3. 404エラーのページをリダイレクト:存在しないページにアクセスされた場合に、別のページにリダイレクトさせることができます。ユーザーエクスペリエンスを向上させるためにも有用です。

Redirectionの公式サイトはこちら

 

まとめ

今回はリダイレクトがSEOに与える影響とリダイレクトの種類、設定方法を解説いたしました。
結論としましては、リダイレクト設定をすることでSEOにマイナス評価を受けることはありませんが、正しい設定が必要です。
永続的な移行は「301リダイレクト」、一時的な移行は「302リダイレクト」設定をするようにしてください。
また、SEOの評価は301リダイレクトは移行先のページに引き継がれ、302リダイレクトは元ページのままとなります。
サイトの引っ越しやメンテナンスなどに必須となるリダイレクト設定は、くれぐれも正しく実施するようにしてくださいね。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP