重複コンテンツとは、同じまたは非常に似た内容のコンテンツが複数のURLで存在することを指します。この重複コンテンツは、Googleなどの検索エンジンの評価に悪影響を与え、サイトの検索順位が下がる可能性があります。
サイト内に同じ内容のページが複数存在したり、他のサイトと同じ内容のページが存在したりすることで、検索エンジンはどのページを評価すべきか判断できなくなります。これにより、本来得られるはずの評価や被リンクが分散し、検索結果での表示順位に影響を及ぼします。
記事執筆:認定SEOコンサルタント 三田健司
そこで本記事では、重複コンテンツの定義から、SEOへの具体的な影響、効果的な対策方法まで、重複コンテンツに関する情報を詳しく解説します。Webサイトの可視性とランキングを向上させるために、ぜひ参考にしてください。
重複コンテンツの定義と種類
重複コンテンツとは、ウェブサイト上で同じ内容のページが複数存在する場合や、他のウェブサイトと同じ内容のページが存在する場合を指します。検索エンジンのアルゴリズムによって評価が分散することがあり、SEO対策において重要なポイントとなります。
重複コンテンツは大きく分けて2つのタイプに分類されます。
サイト内に同じ内容のページが複数ある
サイト内に同じ内容のページが複数ある場合、検索エンジンはどのページを評価すべきか判断できず、すべてのページのランキングが下がる可能性があります。
例えば、以下のようなケースが該当します:
- 同じ商品が複数のカテゴリに属している場合
- PCサイトとモバイルサイトで別々のURLを使用している場合
- URLのパラメータが異なるだけで同じコンテンツが表示される場合
- セッションIDやトラッキングコードによって異なるURLが生成される場合
これらの状況では、検索エンジンは同一のコンテンツを異なるURLで認識するため、どのページをインデックスすべきか判断に迷ってしまいます。
他のサイトと同じ内容のページがある
他のサイトと同じ内容のページがある場合も、検索エンジンはどちらのページを優先して表示すべきか判断に迷います。他のサイトが元となるコンテンツを持っている場合、検索エンジンは元のサイトを優先して表示する傾向があります。
以下のようなケースが該当します:
- 他サイトのコンテンツをコピーして使用している場合
- 自社の記事やコンテンツが他サイトに無断転載されている場合
- 提携サイトなどで同じコンテンツを共有している場合
- 製品説明などをメーカーのものをそのまま使っている場合
重複コンテンツは、検索エンジンだけでなく、ユーザーにとっても悪い影響を及ぼします。同じ内容のページが複数表示されると、ユーザーは混乱し、サイトの信頼性が低下する可能性があります。
重複コンテンツになる基準
重複コンテンツになる基準は、一般的にはコンテンツが約70%以上重複している場合とされています。本文やタイトルなどの重要な部分が同じである場合に重複コンテンツと判断されます。
URLに関しても注意が必要です。同じコンテンツが異なるURLで表示される場合、検索エンジンはそれを重複コンテンツと判断します。例えば、以下のURLは別のものとして認識されます:
- https://example.com/page.html
- http://example.com/page.html(httpsとhttpの違い)
- https://www.example.com/page.html(wwwの有無)
- https://example.com/page.html?id=123(パラメータの有無)
- https://example.com/page.html/(末尾のスラッシュの有無)
これらのURLがすべて同じコンテンツを表示していると、検索エンジンはそれぞれを別のページとして認識し、評価が分散してしまいます。
重複コンテンツがSEOに与える影響
重複コンテンツがSEOに与える影響について、以下の3つの観点から解説します。
読者がどのページを見れば良いか迷う
Webサイト内に重複コンテンツが存在すると、読者は同じ内容のページが複数存在するため、どのページを見れば良いか迷ってしまいます。これにより、以下のような影響が生じます:
- 必要な情報を見つけるのに時間がかかる
- ユーザーエクスペリエンスが悪化する
- 購買意欲やサイト滞在時間が低下する
- 直帰率が上昇する可能性がある
ユーザーにとって使いやすいサイトであることはSEOにおいても重要な要素です。重複コンテンツによってユーザー体験が損なわれると、間接的にSEO評価にも悪影響を及ぼします。
Googleがどのページを評価すれば良いか迷う
重複コンテンツがある場合、Googleはどのページを評価すれば良いか迷ってしまいます。同じ内容のページが複数あると、どのページを上位表示すべきか判断が難しくなります。
この結果、以下のような問題が発生します:
- クローラーの効率が低下する
- インデックスの質が低下する
- Googleの評価やランキングが分散する
- 全体的なSEOパフォーマンスが低下する
Googleのクローラーは各サイトに割り当てられたクロールバジェット(クローリングの上限)を持っています。重複コンテンツが多いと、限られたクロールバジェットが無駄に消費され、重要なページのクロールが遅れる可能性があります。
サイト全体の評価が下がる
重複コンテンツが多く存在するサイトは、全体的な評価が下がる可能性があります。Googleはユーザー体験を重視しており、重複コンテンツが多いサイトは、ユーザーにとって役に立たないと判断されることがあります。
その結果、以下のような影響が出る可能性があります:
- サイト全体の信頼性が低下する
- ドメインパワーが弱まる
- 検索結果の上位に表示されにくくなる
- 新規コンテンツの評価も影響を受ける
重複コンテンツがあるからといって、必ずしもGoogleからペナルティを受けるわけではありませんが、SEOにおいては確実にマイナス要因となります。特に競争の激しいキーワードで上位表示を目指す場合、重複コンテンツの解消は重要な施策となります。
重複コンテンツの確認方法
重複コンテンツを適切に対策するためには、まず現状を把握する必要があります。以下に重複コンテンツを確認する代表的な方法を紹介します。
Google検索で確認する方法
Google検索を使って重複コンテンツを確認する方法は、非常に簡単です。
- 確認したいコンテンツの一部(特徴的なフレーズなど)をコピーする
- Google検索のバーに貼り付け、引用符(”)で囲んで検索する
- 検索結果に表示されたページが、重複コンテンツとなる可能性がある
この方法は手軽ですが、すべての重複コンテンツを発見できるわけではありません。特に、サイト内の重複コンテンツを網羅的に調査するには限界があります。
Google検索でさらに詳しく調べるには、以下のような検索コマンドも活用できます:
site:example.com "検索したいフレーズ"
– 特定のサイト内で重複コンテンツを検索info:https://example.com/page.html
– 特定のURLに関する情報を表示
ツールを使用した確認方法
より網羅的に重複コンテンツをチェックするには、専用のツールを使用するとよいでしょう。代表的なツールとしては、以下のようなものがあります:
Copyscape
Copyscapeは、指定したURLや文章を入力することで、そのコンテンツが他のWebページに存在するかどうかを確認できるツールです。無料版と有料版があり、有料版ではより詳細な分析が可能です。
Siteliner
Sitelinerは、サイト内の重複コンテンツを検出するためのツールです。サイト全体をスキャンし、内部の重複箇所を特定します。無料版では月に一定回数まで利用可能です。
Google Search Console
Google Search Consoleを使用すると、サイト内の問題を検出できます。「インデックス」→「カバレッジ」で、「重複、Google が選択したものと異なる正規ページ」という項目を確認することで、Google が検出した重複コンテンツを確認できます。
これらのツールを使用することで、サイト内外の重複コンテンツを効率的に発見し、適切な対策を講じることができます。
重複コンテンツにならない対策方法

重複コンテンツの問題を解決するためには、いくつかの効果的な方法があります。以下に、主な対策を紹介します。
1. 301リダイレクト設定をする
301リダイレクトとは、WebページのURLが変更された場合に、古いURLから新しいURLに自動的に転送される設定のことです。これは、URLの正規化のために非常に効果的な方法です。
301リダイレクトが有効なケースは以下の通りです:
- URLにwwwなしとありが混在している場合
- httpsとhttpが混在している場合
- URL末尾のindex.htmlありとなしが混在している場合
- PCとモバイル用のURLが異なる場合
301リダイレクトを設定することで、検索エンジンは正規のURLにアクセスするよう指示され、評価が一本化されます。また、リダイレクト元のURLが持っていた評価(リンクジュース)は、リダイレクト先のURLに引き継がれます。
サーバーの設定方法は使用しているサーバーやCMSによって異なりますが、一般的にはサーバーの.htaccessファイルを編集することで設定できます。
Apacheサーバーでの設定例
# wwwありのURLにリダイレクト
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^example\.com [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://www.example.com/$1 [L,R=301]
# httpsにリダイレクト
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]
2. canonicalタグを設置する
canonicalタグは、ほとんど同じコンテンツが複数のURLで公開されている場合に、優先的に表示すべき正規のURLを指定するためのものです。
canonicalタグの設置方法は、HTMLの<head>
タグ内に以下のようなコードを記述します:
<link rel="canonical" href="https://example.com/正規のURL">
canonicalタグを設置することで、以下のような効果があります:
- 検索エンジンは正規のURLを優先的にインデックスする
- 重複コンテンツとして評価されなくなる
- 正規のURLのページのSEO評価や検索順位が向上する
特に、以下のようなケースでcanonicalタグの使用が効果的です:
- セッションIDやトラッキングコードが付与されたURL
- ソート機能や絞り込み機能によって生成される異なるURL
- 印刷用ページや特別なビューモードのページ
- 異なるドメインで同じコンテンツを公開している場合
canonicalタグは、301リダイレクトと違ってユーザーの閲覧体験には影響せず、バックエンドで検索エンジンに対してのみ影響します。
3. noindexタグを設置する
noindexタグとは、Googleなどの検索エンジンに対してそのページをインデックスしないよう指示するタグのことです。これにより、同じ内容のページが複数存在する場合でも、重複コンテンツの問題を回避できます。
noindexタグの設置方法は、HTMLの<head>
タグ内に以下のようなコードを挿入します:
<meta name="robots" content="noindex">
このタグを設置することで、そのページは検索エンジンのクローラーによってインデックスされず、検索結果にも表示されなくなります。
noindexタグが効果的なケースは以下の通りです:
- 印刷用ページ
- 内部検索結果ページ
- ユーザーログイン後のマイページなど
- 一時的なキャンペーンページ
ただし、注意点として、noindexタグを設置することでそのページへの被リンクの価値も失われてしまいます。SEOにおいて、他のサイトからのリンクは非常に重要です。よって、重複コンテンツの対策としてnoindexタグを使用する場合は、SEO上の影響を考慮した上で適切なページを選択する必要があります。
一般的には、noindexタグよりもcanonicalタグによるURLの正規化をおすすめします。
4. Google Search ConsoleのURLパラメータ設定をする
Google Search ConsoleのURLパラメータ設定をすることで、同じコンテンツが異なるURLで表示されることを防ぐことができます。
例えば、商品の絞り込み機能やソート機能によってURLにパラメータが付与される場合、同じ商品ページが複数のURLで表示されることがあります。これが重複コンテンツの原因となりますが、Google Search ConsoleのURLパラメータ設定を使用することで、Googleに対して重複コンテンツであることを伝えることができます。
具体的な設定方法は、Google Search Consoleの「レガシーツールとレポート」→「URLパラメータ」から行うことができます。ここでは、重複コンテンツとなるパラメータのパターンを指定することで、Googleに対してそのパラメータを無視するように指示します。
URLパラメータ設定が有効なケースは以下の通りです:
- 商品のソート順を変更するパラメータ(sort=price_ascなど)
- 表示形式を変更するパラメータ(view=gridなど)
- 内部トラッキング用のパラメータ(ref=headerなど)
- セッションIDなど
パラメータの無視設定を行った後は、サイトマップの再送信やクロールの要求を行うことで、変更が即座に反映されるようにすることも重要です。
5. Google著作権侵害の報告をする
自分のWebサイトのコンテンツが他のサイトで無断転載されている場合、これまで紹介した方法は使用できません。この場合、Googleに著作権侵害の報告をすることで対応が可能です。報告することで、著作権侵害をしているサイトがGoogleの検索結果から除外される可能性があります。
具体的な手順は以下の通りです:
- 自分のウェブサイトのコンテンツをGoogleで検索します。
- 検索結果から、自分のコンテンツが無断転載されているサイトを特定します。
- 著作権侵害の報告をするためのGoogleの報告フォームにアクセスします。
- 必要事項を入力し、侵害されたコンテンツのURLや侵害された部分を具体的に記述します。
- 提供された認証情報などを適切に入力し、報告を送信します。
このようにすることで、自分のコンテンツの著作権を守るだけでなく、重複コンテンツに対する対策ができます。他のウェブサイトが自分のコンテンツを無断転載することを防止するとともに、検索エンジンの信頼性も高めることができます。
重複コンテンツに関するよくある質問
重複コンテンツについて、よくある質問とその回答をまとめました。
重複コンテンツは必ずペナルティになるのか?
重複コンテンツがあるからといって、必ずしもGoogleからペナルティを受けるわけではありません。Googleの公式見解によれば、意図的に検索エンジンを欺くためではない限り、重複コンテンツに対して直接的なペナルティを課すことはありません。
ただし、重複コンテンツがあると、以下のような間接的な影響を受ける可能性があります:
- インデックスの効率が低下する
- 検索結果での表示順位が下がる
- 特定のページへの評価が分散する
これらは技術的には「ペナルティ」とは呼ばれませんが、実質的にはSEOにマイナスの影響を与えます。
重複コンテンツの判定基準は何%からなのか?
Googleは明確な数値基準を公表していませんが、一般的には70%以上のコンテンツが重複している場合に重複コンテンツと判断されると言われています。ただし、この数値はあくまで目安であり、コンテンツの内容や質、サイトの評価によっても判断は変わります。
重要なのは、ユーザーにとって価値のある独自のコンテンツを提供することです。コンテンツが70%未満の重複だとしても、残りの30%が価値のない内容であれば、検索エンジンからの評価は低くなる可能性があります。
AI生成コンテンツは重複コンテンツになるのか?
AI生成コンテンツは、そのままでは重複コンテンツになる可能性があります。特に、多くのユーザーが同じAIツールを使って同じようなプロンプトで生成した場合、類似したコンテンツが多数存在することになります。
Googleの検索品質評価者向けガイドラインでは、「少ない労力で生成されたAIコンテンツ」や「価値を追加せずに異なるウェブページのコンテンツをつなぎ合わせたもの」は低品質と評価されるとしています。
AI生成コンテンツを使用する場合は、以下のことを心がけるとよいでしょう:
- AI生成したテキストを編集し、独自の視点や情報を追加する
- 実体験や事例、専門知識などを加える
- 画像、表、グラフなどのオリジナルコンテンツを含める
- コンテンツの正確性を確認し、必要に応じて更新する
まとめ
今回は重複コンテンツとはどういうものか、また、重複コンテンツがSEOに与える影響、および効果的な対策方法を解説しました。
重複コンテンツは、サイト内で同じ内容のページが複数存在する場合や、他のサイトと同じ内容のページが存在する場合に発生し、検索エンジンの評価に悪影響を及ぼします。具体的には、以下のような影響があります:
- 読者がどのページを見れば良いか迷う
- Googleがどのページを評価すれば良いか迷う
- サイト全体の評価が下がる
重複コンテンツを避けるための対策としては、以下の方法が効果的です:
- 301リダイレクト設定をする
- canonicalタグを設置する
- noindexタグを設置する
- Google Search ConsoleのURLパラメータ設定をする
- Google著作権侵害の報告をする
これらの対策を適切に実施することで、重複コンテンツの問題を解消し、サイトのSEO評価を向上させることができます。
重複コンテンツはユーザーにとって不便であるとともに、Googleが嫌うコンテンツです。wwwのある無しなど、気づかないうちに重複コンテンツとなっていることもありますので、この記事を参考に改めて重複コンテンツのチェックとURLの正規化などの対策を実施してください。
サイトの健全性を保ち、検索エンジンからの評価を高めるためにも、定期的に重複コンテンツをチェックし、適切な対策を講じることをおすすめします。

記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント
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