こんにちは!(社)全日本SEO協会の認定SEOコンサルタントの三田です。
今回は、Webサイト分析の重要な指標である「セッション数」について、分かりやすく解説していきます。セッション数の基本的な意味から、実際の活用方法まで詳しくお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
記事執筆:認定SEOコンサルタント 三田健司
セッション数とは?基本的な意味を解説
セッション数は、一定期間内にWebサイトに訪れた回数を表す指標です。たとえば、朝に1回サイトを訪れ、夜にもう1回サイトを訪れた場合、セッション数は2とカウントされます。
具体例を挙げると、あるユーザーが朝9時にブログを読み、その後サイトを離れ、夜20時に再度同じブログを訪れた場合、これは2つのセッションとしてカウントされます。つまり、セッション数は「サイトへの訪問」という行動の回数を示している指標といえます。
新しいセッションは、ユーザーが異なるソースからサイトを訪れた場合や、一定時間以上の間隔を空けて再訪問した場合にカウントされます。これは、ユーザーの新しい「訪問」として扱われるためです。
セッション数と関連指標の違いを理解しよう
Webサイトの分析では、セッション数以外にもいくつかの重要な指標があります。それぞれの違いを理解することで、より効果的なサイト分析が可能になります。
PV(ページビュー)との違い
PV(ページビュー)は、サイト内のページが表示された回数を表します。同じセッション中に複数のページを見た場合、それぞれのページ表示がPVとしてカウントされます。
例えば、1回のセッションで3つのページを閲覧した場合、セッション数は1ですが、PVは3となります。PVは各ページの閲覧数を把握するのに適していますが、実際の訪問者数やサイトの訪問回数を知るには、セッション数の方が適しています。
UU(ユニークユーザー)との違い
UU(ユニークユーザー)は、期間内にサイトを訪れた固有のユーザー数を表します。同じユーザーが何度サイトを訪れても、UUは1とカウントされます。
たとえば、1人のユーザーが1週間で5回サイトを訪れた場合、UUは1、セッション数は5となります。UUは実際のユーザー数を把握するのに役立ちますが、リピート率や訪問頻度を知るにはセッション数との組み合わせが重要です。
ページ/セッションとは
ページ/セッションは、1回のセッションあたりに閲覧されたページ数の平均値です。この指標は、ユーザーがサイト内をどれだけ回遊しているかを示すものです。
例えば、ページ/セッションが3の場合、平均して1回の訪問で3ページが閲覧されていることを意味します。この数値が高いほど、サイト内のコンテンツに対するユーザーの関心が高いと考えられます。
セッション数の計測ルールについて
セッション数の計測には、いくつかの重要なルールがあります。これらのルールを理解することで、より正確にユーザーの行動を把握できるようになります。
セッションの追跡にはcookieが使用され、ブラウザごとに個別に管理されます。そのため、同じユーザーでも異なるブラウザを使用した場合は、別々のセッションとしてカウントされます。
Googleのアナリティスクヘルプ内「 ユニバーサル アナリティクスでのウェブ セッションの算出方法」では、以下のように定義をしています。
30分以上の操作がない場合
ユーザーがサイト内で30分以上何も操作を行わなかった場合、次の操作から新しいセッションとしてカウントされます。これは、ユーザーが実質的にサイトを離れたとみなされるためです。
例えば、ブログ記事を開いたまま30分以上放置し、その後別の記事を読んだ場合、これは新しいセッションとして記録されます。ただし、この時間設定は管理画面から変更することも可能です。
日付が変わった場合
深夜0時をまたいでサイトを閲覧している場合、日付が変わった時点で新しいセッションが開始されます。これは、日単位での正確なデータ収集を可能にするためのルールです。
たとえば、23時55分からサイトを閲覧し始め、0時5分まで継続して閲覧していた場合、この間に新しいセッションがカウントされます。
キャンペーンソースが変更された場合
異なる参照元やキャンペーンからサイトに訪れた場合、新しいセッションとしてカウントされます。これにより、どの流入経路が効果的かを正確に把握できます。
例えば、最初にGoogleの検索結果からサイトを訪れ、その後SNSの投稿からサイトを訪れた場合、これらは別々のセッションとして計測されます。
GA4でのセッション数の確認方法
GA4(Google Analytics 4)の基本的な使い方を理解することで、様々な角度からセッション数を確認することができます。従来のUniversal Analyticsと比べて、より詳細な分析が可能になっているため、効果的なサイト運営に活かすことができます。以下では、具体的な確認方法について詳しく説明していきます。
全体のセッション数を確認する
GA4のホーム画面のレポート一覧から簡単にアクセスできます。
具体的には「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」の順にクリックすると、全体のセッション数を確認できます。以下の図で示すように、この画面では様々な分析が可能です。
まず、画面上部の期間設定で、日別、週別、月別などの期間を選択できます。これにより、時系列でのセッション数の推移を把握することができます。例えば、施策実施前後での比較や、季節変動の確認などに役立ちます。
また、GA4では「エンゲージメント」という新しい概念が導入され、より質の高いセッションの把握が可能になっています。エンゲージメントセッションには以下のような条件があります。
- 10秒以上サイトに滞在したセッション
- コンバージョンが発生したセッション
- 2ページ以上閲覧があったセッション
これらの条件を満たすセッションは、より価値の高い訪問として扱われます。エンゲージメント率を確認することで、サイトの内容がユーザーにとって本当に有益なものかどうかを判断できます。
流入元別のセッション数を確認する
どの経路からユーザーがサイトに訪れているかを確認するには、「レポート」→「集客」→「トラフィックの獲得」を選択します。
この画面では、以下のような流入元ごとの詳細な分析が可能です。
- オーガニック検索(Googleなどの検索エンジンから)
- 直接流入(URLの直接入力やブックマークから)
- 参照サイト(他サイトからのリンク経由)
- ソーシャル(SNSからの流入)
- メール(メールマーケティングからの流入)
- 有料広告(Google広告などの広告経由)
各流入元について、以下のような指標を確認できます:
- セッション数
- エンゲージメント率
- コンバージョン率
- 直帰率
- 平均セッション時間
これらのデータを分析することで、効果的なマーケティング施策を見出すことができます。例えば、SNSからの流入でエンゲージメント率が高い場合は、SNSマーケティングにさらに注力するといった判断ができます。
また、キャンペーンごとの効果測定も可能です。UTMパラメータを適切に設定することで、特定のキャンペーンやメール配信からの流入を個別に追跡することができます。
このように、GA4では様々な角度からセッション数を分析することができます。これらのデータを適切に活用することで、より効果的なサイト運営が可能になります。
セッション数から分かるサイトの状態
セッション数を詳しく分析することで、サイトの現状や改善点が見えてきます。具体的な分析方法と、そこから得られる洞察について説明していきます。
サイトへの流入経路を把握する
セッション数の分析により、ユーザーがどのような経路でサイトにたどり着いているのかが分かります。例えば、検索エンジン経由、SNS経由、直接アクセス、様々な流入経路の割合を把握できます。
この情報を基に、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。例えば、Googleからの流入が多い場合はSEO対策をさらに強化し、SNSからの流入が少ない場合はSNSでの情報発信を見直すといった具合です。
人気のある流入ページ
どのページが最初の訪問先として選ばれているのかを分析することで、ユーザーの興味関心が分かります。特にセッション数が多いページは、検索エンジンでの表示順位が高かったり、SNSで話題になっていたりする可能性があります。
このような人気ページの特徴を分析し、他のページ作成にも活かすことで、サイト全体のパフォーマンスを向上させることができます。
効果的な流入チャネル
各流入チャネルのセッション数を比較することで、最も効果的なマーケティングチャネルを特定できます。例えば、メール経由の流入では高いコンバージョン率が見られる、SNS経由の流入ではページ滞在時間が長いなど、チャネルごとの特徴が見えてきます。
これにより、限られたリソースをどのチャネルに集中させるべきか、戦略的な判断が可能になります。
サイト内の回遊状況
1セッションあたりの閲覧ページ数や滞在時間を分析することで、ユーザーのサイト内での行動パターンが見えてきます。例えば、特定のページで離脱率が高い場合は、そのページのコンテンツや導線を見直す必要があるかもしれません。
また、よく一緒に閲覧されるページの組み合わせを知ることで、より効果的な内部リンクの設置や関連コンテンツの提案が可能になります。
セッション数を増やすための具体的な施策
セッション数を増やすことは、サイトの成長につながります。以下では、効果的な施策について詳しく説明します。
SEO対策の実施
検索エンジンからの流入を増やすために、適切なキーワード選定やコンテンツの最適化が重要です。特に、ユーザーの検索意図に合った質の高いコンテンツを提供することで、自然検索からの流入を増やすことができます。
また、適切なメタタグの設定やサイト構造の最適化など、技術的なSEO対策も忘れずに行いましょう。
Web広告の活用
Google広告やSNS広告を活用することで、ターゲットとするユーザー層に直接アプローチすることができます。特に、検索広告は検索意図が明確なユーザーにリーチできるため、効果的なセッション数の増加が期待できます。
ただし、広告運用では予算管理が重要です。費用対効果を常に監視し、効率的な運用を心がけましょう。
質の高いコンテンツを提供する
ユーザーが求める情報を分かりやすく提供することで、リピーターを増やすことができます。特に、専門的な情報を分かりやすく解説したり、独自の視点を加えたりすることで、コンテンツの価値を高めることができます。
また、定期的に新しいコンテンツを追加することも重要です。これにより、ユーザーが繰り返しサイトを訪れる理由を作ることができます。
サイトのユーザビリティを改善する
サイトの使いやすさを向上させることで、ユーザーの再訪問を促すことができます。具体的には、以下のような改善が効果的です:
- サイトの表示速度を改善する
- スマートフォンでの表示を最適化する
- 分かりやすいナビゲーションを設置する
- 関連コンテンツへの誘導を強化する
成果事例の共有
実際の成果事例やケーススタディを掲載することで、サイトの信頼性を高めることができます。特に、以下のような内容が効果的です。
- 無料の資料ダウンロード
- 具体的な数値を含む事例
- メディアへの掲載実績
- セミナーや動画コンテンツの提供
これらの改善により、ユーザーがストレスなくサイトを利用できるようになり、再訪問の可能性が高まります。
セッション数の分析時の注意点
セッション数を分析する際は、いくつかの重要な点に注意する必要があります。ここでは、特に気をつけるべきポイントについて説明します。
GA4での計測ルールの変更点
GA4では、従来のUniversal Analytics(UA)とは異なる計測ルールが導入されています。主な変更点として、以下が挙げられます:
- エンゲージメントセッションの概念が追加された
- セッションの開始条件が変更された
- イベントベースの計測方式になった
これらの変更により、UAとGA4でセッション数に差が生じる可能性があります。データを比較する際は、この点に注意が必要です。
セッション数の目安について
適切なセッション数は、サイトの規模や業界によって大きく異なります。小規模なブログサイトであれば月間数百セッション程度でも十分かもしれませんが、大規模なECサイトであれば数万セッション以上が必要かもしれません。
重要なのは、絶対的な数値ではなく、セッション数の推移や質です。セッション数が増加傾向にあり、かつコンバージョン率も維持できているのであれば、それは良い兆候といえます。
まとめ:セッション数を活用したサイト改善のポイント
ここまで、セッション数について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきましょう。
セッション数は、サイトのパフォーマンスを測る重要な指標の一つです。しかし、セッション数だけを見るのではなく、PVやUU、コンバージョン率などの他の指標と組み合わせて総合的に分析することが重要です。
また、GA4への移行に伴い、セッション数の計測方法が変更されていることにも注意が必要です。新しい計測ルールを理解した上で、適切な分析と改善を行っていきましょう。
効果的なサイト改善のためには、以下の点を意識することをお勧めします:
- 定期的なデータ分析と傾向の把握
- ユーザーのニーズに合ったコンテンツの提供
- 技術面とコンテンツ面の両方からの改善
- 各施策の効果測定と継続的な改善
セッション数の分析と改善は、継続的な取り組みが重要です。この記事で解説した内容を参考に、ぜひ効果的なサイト運営に活かしていってください。
記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント
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