記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
「AIモードで調べられると、自社のサイトまでたどり着いてもらえないのでは」「AIの回答の中に、うちのリンクは出ているのだろうか」。最近、中小企業の経営者やWeb担当者の方から、こうしたご相談が増えています。
2026年10月15日、GoogleはAIモードとAIによる概要(AI Overviews)で、ウェブサイトへのリンクの見せ方を広げる変更を発表しました。回答文の中のリンクを増やして上に表示するほか、公式サイトを目立たせる専用の枠のテストも始まっています。
この記事では、Google公式ブログの発表内容をもとに5つの変更点を整理し、中小企業のサイトにとって何が変わるのか、今から何を準備すればよいのかを解説します。まだテスト段階の機能や、日本での提供時期が示されていない機能もあるため、確定している事実と見通しを分けてお伝えします。
筆者は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作とSEOに10年以上携わり、延べ1,000件以上のご相談に対応してきました。AI検索の変化を毎日追いかけている立場から、実務で役立つ視点に絞ってご紹介します。
GoogleがAI検索のリンク表示を拡充|10月15日の発表

今回の発表は、Google検索のプロダクト管理担当バイスプレジデントであるヘマ・ブダラジュ氏が、Googleの公式ブログに「More ways to connect with the web from Search」という題で投稿したものです。AIの回答から、ウェブ上の記事やサイトへ移動しやすくすることが目的だと説明されています。
発表された5つの変更点
発表された変更は、大きく分けて次の5つです。1つ目は回答文の中のリンク(インラインリンク)を増やし、より上の位置に表示すること、2つ目は公式サイトを目立たせる専用の枠をテストすることです。
3つ目はニュース記事のカルーセルを提供地域と言語に広げること、4つ目は回答の最後に出る関連記事のリンクに画像のサムネイルを付けることです。そして5つ目が、動画の結果に表示される制作者名や運営者名から、その人の検索プロフィールへ移動できるようにするテストです。
すでに始まったものと、テスト中のもの
注意したいのは、5つの変更がすべて同じ段階にあるわけではないことです。インラインリンクの増加やニュースのカルーセルの拡大は提供が進んでいる一方で、公式サイトの専用枠と制作者名のリンクは「テスト」と明記されています。
テスト中の機能は、そのまま正式に提供されるとは限らず、内容が変わることもあります。記事の中でも、どの機能がどの段階なのかを分けてご説明します。
日本での提供状況
発表では、それぞれの機能を提供する国や言語の一覧は示されていません。ニュースのカルーセルについて「世界の追加の地域と言語に広げる」と書かれている程度で、日本語の検索結果でいつ見られるかは明記されていない状況です。
なおAIモードは2025年9月に日本語でも使えるようになっており、日本の利用者にとっても無関係な話ではありません。米国で先に始まった変更が、時間を置いて日本語に広がるのはこれまでもよくあったことなので、仕組みを先に理解しておくことをおすすめします。
変更点①回答文の中のリンクが増えて上に表示される

1つ目の変更は、AIの回答文の中に埋め込まれるリンクの扱いです。Googleは「AIの体験の中でインラインリンクの存在を継続的かつ大幅に増やしてきた」と述べ、今後はより上の位置に、より多く表示するとしています。
インラインリンクとは
インラインリンクとは、AIの回答文の中の単語やフレーズに直接埋め込まれたリンクのことです。回答を読みながら、気になった箇所からそのまま情報源のページに移動できるようになっています。
これまでは、回答の横や下にまとめて並ぶ参照リンクのほうが目立ちやすく、回答文を最後まで読まないと情報源にたどり着きにくい場面がありました。今回の変更で、回答を読んでいる途中にリンクが目に入りやすくなります。
リンクが上に来ると何が変わるのか
一般に、画面の上のほうに表示される情報ほど、目に留まりやすくクリックされやすい傾向があります。回答の冒頭近くでリンクされたページは、AIの回答の根拠としてそれだけ目立つ位置に置かれることになります。
ただし、Googleはリンクの数をどのくらい増やしたのか、クリックがどの程度増えたのかといった数字は公表していません。「リンクが増えるから必ずアクセスが増える」とは言い切れない点は、冷静に受け止めておきましょう。
中小企業サイトへの影響
中小企業のサイトにとって大切なのは、回答のどの部分の根拠として選ばれるかです。料金、所要時間、対応エリア、手順など、回答の中心になりやすい具体的な事実を自社のページにはっきり書いておくと、その部分の根拠として選ばれる可能性が高まります。
反対に、どの会社にも当てはまる一般論だけのページは、根拠としてリンクされる理由が弱くなります。自社しか書けない具体的な情報を、1ページに1つのテーマでまとめることが、インラインリンクに選ばれる近道です。

変更点②「公式サイト」を示す専用枠のテスト

2つ目の変更は、中小企業にとって特に注目したいものです。Googleは「特定の手続きをしたり正確な情報を得たりするための公式な場所が、ウェブ上に1つか2つしかないことがある」として、そうした場合にAIの回答の上部で公式サイトを目立たせる専用の枠をテストすると発表しました。
どんな検索で表示されるのか
発表では、手続きや作業を目的とした検索で、公式な情報源が1つか2つに限られる場合が想定されています。Search Engine Journalの記事では、航空会社の払い戻しの手続きについて、航空会社の公式ページへのリンクが示される例が紹介されています。
この枠では、リンクを並べるだけでなく、それぞれのリンクがなぜ役に立つのかの説明も添えられるとされています。利用者にとっては、まとめサイトや比較サイトを経由せずに、手続きができる公式ページへ直接進めるようになるわけです。
中小企業にもチャンスがある理由
「公式な場所」というと大企業や役所のイメージがあるかもしれませんが、店舗や会社の予約、問い合わせ、料金の確認なども、本来は公式サイトでしか正確に分からない情報です。たとえば「〇〇歯科 予約変更」や「〇〇工務店 見積もり 依頼」のような検索は、まさに公式サイトが答えになる検索といえます。
社名や店名を含む検索で、公式サイトが「手続きの場所」として分かる作りになっているかが、この枠に選ばれるかどうかを左右すると考えられます。ただしテスト中の機能であり、どの検索で表示されるかの条件は公開されていないため、ここでの見通しは筆者の考えとしてお読みください。
公式サイトと認識されるための準備
まず、予約、問い合わせ、資料請求、料金といった「手続き」ごとに、専用のページを用意しておくことが大切です。トップページの一部に小さく書いてあるだけでは、どこで手続きができるのかが伝わりにくくなります。
次に、会社名、住所、電話番号などの基本情報を、自社サイトとGoogleビジネスプロフィール、各種SNSでそろえておきましょう。情報がばらばらだと、どれが公式なのかを判断しにくくなるおそれがあります。
変更点③④ニュースのカルーセルと関連記事リンク

3つ目と4つ目の変更は、記事を探している利用者に向けたものです。タイムリーな記事を並べるカルーセルの提供範囲が広がり、回答の最後に出る関連記事のリンクも画像付きの目立つデザインに変わります。
ニュースのカルーセルと「優先する情報源」
ニュースのカルーセルは、話題の出来事に関する記事を横に並べて表示する枠です。今回の発表では、このカルーセルで利用者が登録した「優先する情報源(Preferred Sources)」のサイトが目立つように表示されると説明されています。
優先する情報源は、利用者が好きなサイトを登録しておくと、トップニュースなどでそのサイトの記事が表示されやすくなる機能で、2026年4月にはGoogleが対応するすべての言語に広がったと報じられています。発表によると、この機能の利用者数は年初から7倍以上に増えたとのことです。
関連記事のリンクに画像が付く
4つ目の変更では、AIの回答の最後に表示される関連記事のリンクが、画像のサムネイル付きでより目立つデザインになります。Googleは、これらのリンクを「より魅力的で目立つものにする」と説明しています。
画像が付くと、文字だけのリンクよりも内容が一目で伝わりやすくなります。その分、記事に使っている画像が内容と合っているか、見て分かりやすいかが、クリックされるかどうかに関わってくると考えられます。
画像で選ばれるための準備
記事のアイキャッチ画像は、記事の内容を表す分かりやすいものを選び、代替テキスト(alt属性)も日本語で具体的に書いておきましょう。Googleは、画像SEOのベストプラクティスに沿っていれば、生成AIの検索機能にもすでに対応していることになると説明しています。
また、robots metaタグで画像のプレビューを制限していないかも確認しておくと安心です。WordPressのテーマやSEOプラグインの設定によっては、意図せず大きな画像の表示を制限していることがあります。

変更点⑤動画の制作者名から検索プロフィールへ

5つ目の変更は、AIモードの動画の結果で、制作者や運営者の名前をクリックすると、その人の検索プロフィールが開くようにするテストです。発表の週から始まったテストと報じられています。
検索プロフィールとは
検索プロフィールは、YouTubeやInstagram、X、TikTokなど複数のプラットフォームでの発信をひとつにまとめて、Google検索やDiscoverで見つけてもらいやすくする仕組みです。Googleのヘルプでは、プロフィールを作ってもコンテンツの順位に直接の影響はないと説明されています。
利用するには、いずれかのプラットフォームで1万人以上のフォロワーや登録者がいること、18歳以上であること、Googleのポリシーに沿った内容であることなどの条件があります。
現時点では日本では使えない
2026年10月時点のGoogleのヘルプでは、検索プロフィールを利用できる国はカナダ、インド、米国の3か国とされています。日本の会社や個人が、今すぐ自分で作成できる状況ではありません。
日本では「すぐに対応すべき機能」ではなく、「将来に備えて知っておく機能」と位置づけるのが現実的です。提供国が広がったときに慌てないよう、仕組みだけ押さえておきましょう。
今からできる準備
検索プロフィールは、複数のプラットフォームでの発信を同じ人物や会社のものとして結び付ける仕組みです。今のうちから、YouTubeやSNSのアカウント名やプロフィール文、自社サイトへのリンクをそろえておくことが、将来の準備になります。
動画を発信している会社であれば、動画の概要欄に自社サイトのURLを入れ、サイト側からも公式のSNSアカウントへリンクしておくとよいでしょう。発信者と会社のつながりが、利用者にもGoogleにも伝わりやすくなります。

クリックは増えるのか|効果の測り方と注意点

リンクの見せ方が変わっても、実際に自社サイトへのアクセスが増えたかどうかは、自分で確かめるしかありません。ここでは、今回の変更の効果を測るときの注意点を整理します。
Googleはクリックのデータを示していない
今回の発表では、リンクの変更によってクリックがどれだけ増えたのかという数字は示されていません。Search Engine Roundtableは、Googleがクリックのデータを示していない点を指摘し、Googleの担当者が「どの情報が役立つかをサイト運営者と検討しており、指標は今後追加していく」と答えたと伝えています。
「リンクが増えた」という発表と「自社へのアクセスが増えた」という結果は別物として扱い、自社のデータで確かめる姿勢が大切です。
Search Consoleで見られること・見られないこと
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは、2026年8月末までにすべてのサイトで使えるようになりましたが、表示されるのは表示回数で、クリック数や検索語句は見られません。AIの機能からのクリックは、通常の検索パフォーマンスレポートの「ウェブ」の数値に含まれて集計されます。
また、AIによる概要の中のリンクは、どの位置に表示されても同じ掲載順位として集計されると説明されています。リンクが回答の上に移動しても、掲載順位の数字には表れない点に注意が必要です。

GA4と問い合わせの件数で確かめる
アクセスの変化を見るときは、GA4で検索からの流入と、問い合わせや予約などの成果の件数を合わせて見るのがおすすめです。ページごとに、変更の前後数週間を比べると、変化の傾向がつかみやすくなります。
AIの機能からの流入は、どの画面から来たのかを細かく分けられないことが多いため、数字だけで判断せず、問い合わせの際に「何で知ったか」を聞くなど、現場の声も合わせて確かめましょう。

中小企業が今やるべき5つの対策

最後に、今回の変更を踏まえて中小企業のサイトで今すぐ取り組める対策を5つにまとめます。どれも特別な技術は必要なく、これまでのSEOの基本の延長にあるものです。
①インデックスとスニペットの状態を確認する
Googleの公式ドキュメントでは、AIによる概要やAIモードのリンクとして表示されるには、ページがインデックスに登録され、検索結果にスニペット付きで表示できる状態であることが条件とされ、それ以外の技術的な要件はないと説明されています。
まずは、Search Consoleで重要なページがインデックスされているかを確認し、nosnippetなどの指定で説明文の表示を止めていないかを見直しましょう。
②手続きのページを「1ページ1目的」にする
予約、問い合わせ、料金、アクセスなど、利用者が手続きや確認をしたい内容ごとに、目的のはっきりしたページを用意します。ページの冒頭で、そのページで何ができるのかを一文で書いておくと、利用者にもGoogleにも伝わりやすくなります。
公式サイトの専用枠がテストされていることを考えると、「この手続きはこのページでできる」と迷わず分かる作りは、これまで以上に価値を持つと考えられます。
③会社情報を各所でそろえる
会社名、住所、電話番号、営業時間などの基本情報は、自社サイト、Googleビジネスプロフィール、SNS、ポータルサイトでそろえておきましょう。表記の揺れが少ないほど、どこが公式の情報なのかが分かりやすくなります。
古い住所や電話番号が残っている外部サイトがあれば、運営者に修正を依頼することも検討してください。
④画像と代替テキストを整える
関連記事のリンクに画像が付くようになることを踏まえ、記事ごとに内容を表す画像を用意し、代替テキストを具体的に書いておきましょう。文字を詰め込んだ画像よりも、内容が一目で伝わるシンプルな画像のほうが、小さなサムネイルでも見やすくなります。
⑤自社の名前で探してもらう工夫をする
優先する情報源のように、利用者が自分で選んだサイトを目立たせる仕組みが広がっています。メールマガジンやSNS、店頭などで自社の名前やサイトを覚えてもらい、名前で検索してもらえる関係をつくることが、AI検索の時代にも確かな集客の土台になります。

よくある質問(FAQ)

今回の変更は日本語の検索でも適用されていますか?
Googleの発表では、機能ごとの提供国や言語は明記されていません。ニュースのカルーセルは追加の地域と言語に広げるとされていますが、日本語でいつ見られるかは示されていない状況です。
検索プロフィールは2026年10月時点で日本は対象外です。日本語の検索結果で表示が変わったかは、実際の画面で確かめるのが確実です。
公式サイトの専用枠に載るための申請はできますか?
現時点で、専用枠に載るための申請方法は案内されていません。テスト中の機能であり、表示の条件も公開されていないため、特別な設定で載せられるものではないと考えられます。
手続きのページを分かりやすく整え、会社情報をそろえておくといった基本を固めることが、現実的な準備です。
AIモードのために特別なファイルやタグは必要ですか?
Googleの公式ドキュメントでは、AIによる概要やAIモードのリンクとして表示されるための追加の技術的な要件はないと説明されています。llms.txtのような特別なファイルも、Google検索では使われていないとされています。
インデックスされていること、スニペット付きで表示できることという通常の検索と同じ条件を満たしているかを確認しましょう。
AIの回答にリンクされたかどうかはどうやって分かりますか?
Search Consoleでは、AIの回答の中で自社のどのリンクがどの位置に表示されたかまでは分かりません。生成AIパフォーマンスレポートで表示回数の傾向を見つつ、実際に自社に関係する言葉でAIモードを使って、回答の中に自社のページが出てくるかを定期的に確認する方法が現実的です。
まとめ|公式サイトとして「選ばれる理由」をつくる

2026年10月15日、GoogleはAIモードとAIによる概要で、回答文の中のリンクを増やして上に表示するなど、ウェブサイトへの移動を促す5つの変更を発表しました。公式サイトを目立たせる専用枠や、制作者名から検索プロフィールへ移動する仕組みはテスト段階で、日本での提供時期も明らかになっていません。
一方で、どの変更にも共通しているのは、具体的で信頼できる情報を持つサイトや、利用者自身が選んだサイトを目立たせる方向だという点です。自社にしか書けない事実と、手続きができる公式ページを整えておくことが、今回の変更を追い風にするための基本になります。
クリックがどれだけ増えるかについて、Googleは数字を示していません。発表をうのみにせず、Search ConsoleとGA4、問い合わせの件数で自社の変化を確かめていきましょう。
まずは、自社の予約や問い合わせのページが「この手続きはここでできる」と一目で分かる作りになっているかを、スマートフォンで確認するところから始めてみてください。

AI検索対策のご相談はアクセス・リンクへ
株式会社アクセス・リンクは、栃木県下野市を拠点に、ホームページ制作、SEOコンサルティング、MEO対策、AI検索対策を行っています。AIモードやAIによる概要のような新しい検索の変化も、Googleの公式情報にもとづいて分かりやすくご説明します。
全日本SEO協会認定SEOコンサルタントの代表・三田健司が、サイトの現状確認から改善の優先順位づけまで、一貫して担当します。「自社のサイトがAI検索でどう見えているか知りたい」という段階のご相談も歓迎しています。
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記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント
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