ホームページ制作を検討している方の多くは、「どのような流れで進めればいいのか」「何から始めればいいのか」という疑問を抱えています。特に初めてホームページを作る場合、専門用語が多く、全体像が見えにくいという課題があります。
実際、ホームページ制作には企画から公開まで多くの工程があり、それぞれの段階で重要な決定を行う必要があります。制作会社に依頼する場合でも、発注者側が流れを理解していないと、思い通りのホームページが完成しない可能性が高くなります。
そこで本記事では、ホームページ制作の流れを5つのステップに分けて、初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説します。各工程での具体的な作業内容、必要な期間、費用の目安、そして失敗を避けるためのポイントまで、実践的な情報を網羅的にお伝えします。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
ホームページ制作の全体像と基本的な流れ
ホームページ制作は、単にデザインを作って公開するだけの作業ではありません。目的の明確化から始まり、企画、設計、制作、公開、そして運用まで、一連のプロセスを経て完成します。この章では、まず全体の流れを俯瞰的に理解していただきます。
ホームページ制作にかかる期間の目安
ホームページの規模や内容によって制作期間は大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
規模 | ページ数 | 制作期間 | 特徴 |
---|---|---|---|
小規模サイト | 5〜10ページ | 1〜2ヶ月 | 会社概要、サービス紹介など基本的な情報のみ |
中規模サイト | 20〜50ページ | 2〜4ヶ月 | ブログ機能、お問い合わせフォームなど動的機能を含む |
大規模サイト | 50ページ以上 | 4〜6ヶ月以上 | ECサイト、会員機能など複雑なシステムを含む |
制作方法による違い
ホームページを作る方法は大きく分けて3つあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、目的や予算に応じて選択することが重要です。
制作会社に依頼する方法では、プロのデザイナーやエンジニアが制作を担当するため、高品質なホームページが期待できます。ただし、費用は高額になりやすく、会社の規模や実績により50万円〜200万円以上と幅があります。
フリーランスに依頼する方法は、制作会社より費用を抑えられることが多く、柔軟な対応が期待できます。一方で、個人のスキルや対応力にばらつきがあるため、事前の実績確認が重要です。費用は20万円〜100万円程度が相場です。
自分で作る方法では、WordPress(ワードプレス)やWix(ウィックス)などのツールを使えば、プログラミング知識がなくてもホームページを作ることができます。月額数千円程度で済みますが、デザインの自由度や機能面での制約があり、制作に時間と労力がかかります。
ステップ1:企画・準備段階(制作開始前の重要な下準備)
ホームページ制作で最も重要なのが、この企画・準備段階です。ここでの決定事項が、その後のすべての工程に影響を与えます。多くの失敗事例は、この段階での準備不足が原因となっています。
目的とゴールの明確化
「なぜホームページを作るのか」という根本的な問いに答えることから始めます。目的が曖昧なまま制作を進めると、誰にも見られない、成果の出ないホームページになってしまいます。
よくある目的としては、新規顧客の獲得でお問い合わせを月10件獲得したい、企業の信頼性向上で名刺代わりとして活用したい、採用活動の強化で応募者を前年比150%に増やしたい、売上の向上でECサイトで月商100万円を目指したいなどがあります。
目的を明確にしたら、それを達成するための具体的な数値目標を設定します。「アクセス数を増やしたい」ではなく「月間1万PVを達成したい」というように、測定可能な目標にすることが重要です。
ターゲットユーザーの設定
ホームページを見てもらいたい人物像を具体的に設定します。これをマーケティング用語で「ペルソナ設定」と呼びますが、簡単に言えば「理想的なお客様像」を詳しく描くことです。
ターゲット設定では、年齢層は30代後半〜40代前半、性別は男性中心か女性中心か両方か、職業は会社員か経営者か主婦か、年収は300万円〜500万円程度か、居住地域は東京都内か地方都市か、興味関心は健康志向かコスト重視か、解決したい課題は業務効率化かコスト削減かなど、具体的に考えていきます。
競合他社の調査・分析
同業他社のホームページを5〜10社程度調査し、良い点と改善できそうな点を洗い出します。これにより、自社の強みを活かした差別化ポイントを見つけることができます。
調査では、デザインの印象が洗練されているか親しみやすいか、コンテンツの充実度として情報量や更新頻度はどうか、使いやすさの面でナビゲーションや検索機能は適切か、独自の工夫として特集ページや動画活用などがあるかを確認します。
予算と期間の設定
現実的な予算と期間を設定することで、実現可能な範囲が明確になります。予算には初期費用だけでなく、運用費用も含めて考えることが重要です。
項目 | 費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
初期費用 | 80〜150万円 | デザイン、コーディング、システム開発など |
ドメイン費用 | 年間1,000〜5,000円 | .com、.jpなど種類により異なる |
サーバー費用 | 月額1,000〜10,000円 | アクセス数により変動 |
保守管理費 | 月額10,000〜50,000円 | 更新作業、セキュリティ対策など |
コンテンツ更新費 | 都度見積もり | ページ追加、画像差し替えなど |
ステップ2:設計段階(サイトの骨組みを作る)
企画が固まったら、次は設計段階に入ります。この段階では、ホームページの構造や各ページの役割、デザインの方向性などを決定します。建築に例えると、設計図を作る段階にあたります。
サイトマップの作成
サイトマップとは、ホームページ全体の構成を示す図のことです。どのようなページが必要で、それらがどのような階層構造になるかを視覚的に表現します。
基本的なサイト構成として、トップページを頂点に、会社概要(代表挨拶、会社沿革、アクセス)、サービス紹介(サービスA、サービスB、サービスC)、実績・事例、お知らせ・ブログ、お問い合わせという構成が一般的です。
ワイヤーフレームの作成
ワイヤーフレームとは、各ページのレイアウトを簡単な線画で表現したものです。「設計図」や「下書き」のようなもので、どこに何を配置するかを決める重要な工程です。
ワイヤーフレームでは、ヘッダー(サイト上部)の構成、ナビゲーションメニューの位置、メインコンテンツのレイアウト、サイドバーの有無と内容、フッター(サイト下部)の情報を決めていきます。この段階では見た目の美しさよりも、使いやすさと情報の整理を重視します。紙に手書きで描いても構いませんし、無料のツール(Figma、Adobe XDなど)を使うこともできます。
機能要件の定義
ホームページに必要な機能を洗い出し、優先順位をつけます。すべての機能を実装すると費用が膨大になるため、本当に必要な機能に絞ることが重要です。
機能 | 説明 | 必要性 | 費用への影響 |
---|---|---|---|
お問い合わせフォーム | 訪問者からの問い合わせを受け付ける | 高 | 小 |
ブログ・お知らせ機能 | 最新情報を発信する | 中〜高 | 小〜中 |
会員登録・ログイン | 会員限定コンテンツを提供する | 低〜中 | 大 |
検索機能 | サイト内の情報を検索できる | 低〜中 | 中 |
多言語対応 | 英語など他言語でも表示する | 低 | 大 |
EC機能 | 商品を販売する | 必要に応じて | 大 |
コンテンツの企画・準備
各ページに掲載する文章や画像などのコンテンツを準備します。この段階で準備が不十分だと、制作が大幅に遅れる原因となります。
準備すべきコンテンツとして、会社概要では企業理念、沿革、組織図など、サービス・商品の説明文、写真素材として社屋、商品、スタッフの写真、ロゴマークがなければ新規作成、キャッチコピー、お客様の声・導入事例などがあります。
ステップ3:デザイン制作(見た目を作り込む)
設計が完了したら、いよいよデザイン制作に入ります。この段階で、ホームページの見た目が具体的に決まっていきます。
デザインコンセプトの決定
ターゲットユーザーと企業イメージを考慮して、デザインの方向性を決定します。「かっこいい」「おしゃれ」といった抽象的な表現ではなく、具体的なイメージを共有することが重要です。
デザインの方向性を決める要素として、カラースキームではメインカラー、サブカラー、アクセントカラーを決め、フォントはゴシック体か明朝体かを選び、写真・イラストのテイストを統一し、全体的な雰囲気を信頼感重視にするか親しみやすさ重視にするかを決定します。
トップページのデザイン
最も重要なトップページから制作を始めます。トップページは「ホームページの顔」となるため、第一印象を左右する重要な要素です。
トップページには、ファーストビュー(最初に目に入る部分)のビジュアル、キャッチコピー、主要なサービス・商品の紹介、お知らせ・新着情報、お問い合わせへの導線を含めます。これらの要素を効果的に配置することで、訪問者の興味を引き、目的のページへ誘導します。
下層ページのデザイン
トップページのデザインが決まったら、その他のページのデザインを展開していきます。全体的な統一感を保ちながら、各ページの目的に応じた最適なレイアウトを採用します。
レスポンシブデザインの実装
現在では、スマートフォンやタブレットでの閲覧が全体の70%以上を占めることも珍しくありません。そのため、様々な画面サイズに対応する「レスポンシブデザイン」は必須です。
レスポンシブデザインでは、文字サイズをスマホでも読みやすく最適化し、ボタンサイズを指でタップしやすく調整し、画像を表示速度を考慮して最適化し、ナビゲーションをハンバーガーメニューなどで工夫します。
ステップ4:実装・開発(実際に動くものを作る)
デザインが完成したら、それを実際に動くホームページとして実装する段階に入ります。この工程は技術的な作業が中心となりますが、発注者側も基本的な流れを理解しておくことが重要です。
フロントエンド開発
フロントエンドとは、ユーザーが直接見て操作する部分のことです。デザインデータを元に、HTML(エイチティーエムエル)、CSS(シーエスエス)、JavaScript(ジャバスクリプト)といったプログラミング言語を使って実装します。
フロントエンド開発では、HTMLでページの構造を作り、CSSで見た目を整え、JavaScriptで動きをつけ、各種ブラウザでの表示確認を行い、スマートフォン・タブレットでの表示も確認します。
バックエンド開発
バックエンドとは、ユーザーからは見えない裏側の仕組みのことです。お問い合わせフォームの送信機能や、ブログの投稿機能などがこれにあたります。
バックエンド開発では、データベースの設計・構築、管理画面の開発、フォーム機能の実装、セキュリティ対策の実施などを行います。これらの作業により、ホームページが単なる静的な情報提供だけでなく、動的な機能を持つWebアプリケーションとして動作するようになります。
CMS(コンテンツ管理システム)の導入
CMS(シーエムエス)とは、専門知識がなくてもホームページの更新ができるシステムのことです。最も有名なのはWordPress(ワードプレス)で、世界中のホームページの約40%で使用されています。
CMS名 | 特徴 | 向いている用途 | 費用 |
---|---|---|---|
WordPress | 高い自由度、豊富なプラグイン | ブログ、企業サイト | 無料(カスタマイズは有料) |
Movable Type | 日本企業に人気、セキュリティが高い | 大規模企業サイト | 有料ライセンス |
EC-CUBE | EC機能に特化 | オンラインショップ | 無料(カスタマイズは有料) |
Webflow | 高デザイン性、ノーコード操作 | LP、コーポレートサイト | 月額20〜40ドル |
STUDIO | 日本語対応、簡単操作 | スタートアップ、個人事業主向け | 月額980円〜 |
テスト・検証作業
開発が完了したら、公開前に徹底的なテストを行います。この段階で不具合を発見・修正することで、公開後のトラブルを防ぐことができます。
開発段階の技術的テスト項目:
- [ ] プログラムコードのエラーチェック
- [ ] データベース接続の動作確認
- [ ] 各種ブラウザでの互換性テスト
- [ ] レスポンシブデザインの動作検証
- [ ] セキュリティの脆弱性診断
ステップ5:公開・運用(継続的な改善)
すべての準備が整ったら、いよいよホームページを公開します。しかし、公開がゴールではなく、むしろスタート地点です。継続的な運用と改善により、成果を出すホームページに育てていく必要があります。
ドメインとサーバーの準備
ホームページを公開するには、インターネット上の住所となる「ドメイン」と、データを保管する「サーバー」が必要です。
ドメインは覚えやすく入力しやすいものを選び、企業名やサービス名と関連性を持たせ、.comや.jpなど信頼性の高い拡張子を選ぶことが重要です。
サーバーの種類 | 特徴 | 月額費用 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
共用サーバー | 他のサイトと共有、安価 | 500〜3,000円 | 小規模サイト向け |
VPS | 仮想的な専用環境、柔軟性が高い | 1,000〜10,000円 | 中規模サイト向け |
専用サーバー | 完全に独立した環境、高性能 | 10,000円〜 | 大規模サイト向け |
クラウドサーバー | 拡張性が高い、従量課金 | 使用量による | あらゆる規模に対応 |
本番公開の手順
テストが完了したら、実際にホームページを公開します。公開作業は慎重に行い、問題が発生した場合はすぐに対処できる体制を整えておくことが重要です。
公開時の最終チェックリスト:
- [ ] すべてのページが正しく表示されるか
- [ ] お問い合わせフォームから正常に送信できるか
- [ ] SSL証明書が適用されているか(https://になっているか)
- [ ] Google Analytics 4(GA4)が正しく動作しているか
- [ ] XMLサイトマップが検索エンジンに送信されているか
- [ ] WAF(Webアプリケーションファイアウォール)が設定されているか
- [ ] 定期的なバックアップ体制が整備されているか
SEO対策の実施
SEO(エスイーオー)とは、検索エンジン最適化のことで、GoogleやYahoo!で上位表示されるための対策です。公開直後から適切な対策を行うことで、より多くの人にホームページを見てもらえるようになります。
基本的なSEO対策として、各ページに適切なタイトルタグを設定し、検索結果に表示される説明文(メタディスクリプション)を用意し、見出しタグ(h1、h2、h3など)を論理的に使用し、画像にはalt属性で説明文を設定します。
特に重要なのが、ページ表示速度の最適化です。Core Web Vitals(コアウェブバイタル)の指標であるLCP(最大コンテンツの描画)、CLS(累積レイアウトシフト)、INP(次のペイントへのインタラクション)に対応することで、検索順位の向上が期待できます。INPは2024年3月からFID(初回入力遅延)に代わって採用された新しい指標で、ユーザー操作後の反応速度を測定します。
また、Googleはモバイルファーストインデックス(MFI)を採用しており、モバイル版のページ内容を基準に検索評価を行います。そのため、スマートフォンでも見やすく高速なデザインがSEO上必須となっています。
アクセス解析と改善
公開後は、アクセス解析ツールを使って訪問者の行動を分析し、継続的な改善を行います。アクセス解析にはGoogle Analytics 4(GA4)に加え、Google Search Consoleを活用しましょう。GA4でユーザー行動を把握し、Search Consoleで検索クエリやインデックス状況を分析することで、SEO改善に直結します。
分析指標 | 説明 | 目標値の例 |
---|---|---|
ページビュー数 | ページが表示された回数 | 月間10,000PV |
ユーザー数 | サイトを訪問した人数 | 月間3,000人 |
平均滞在時間 | サイトに滞在した時間 | 3分以上 |
直帰率 | 1ページだけ見て離脱した割合 | 50%以下 |
コンバージョン率 | 目標を達成した割合 | 2%以上 |
コンテンツの更新・追加
ホームページは「作って終わり」ではありません。定期的に新しい情報を追加し、古い情報を更新することで、訪問者にとって価値のあるサイトを維持できます。
更新すべきコンテンツとして、お知らせ・ニュースは月2〜4回、ブログ記事は週1〜2回、実績・事例は随時、商品・サービス情報は変更があれば即座に、会社情報は年度更新などのタイミングで更新します。
ホームページ制作会社の選び方と依頼時のポイント
制作会社選びは、ホームページの成功を左右する重要な決定です。価格だけで選ぶのではなく、総合的な視点で判断することが大切です。
制作会社の種類と特徴
制作会社にはそれぞれ得意分野があります。自社の目的に合った会社を選ぶことが成功への第一歩です。
タイプ | 特徴 | 費用感 | おすすめの場合 |
---|---|---|---|
大手制作会社 | 実績豊富、体制が整っている | 200万円〜 | 大規模プロジェクト、ブランド重視 |
中堅制作会社 | バランスが良い、柔軟な対応 | 100〜200万円 | 一般的な企業サイト |
小規模制作会社 | 親身な対応、スピーディー | 50〜100万円 | 予算重視、スピード重視 |
デザイン特化型 | デザイン性が高い | 高め | ブランディング重視 |
システム開発型 | 複雑な機能に対応 | 高い | EC、会員サイトなど |
マーケティング型 | 集客・売上アップに強い | 中〜高 | 成果重視 |
見積もり時の確認ポイント
複数の制作会社から見積もりを取る際は、金額だけでなく、含まれる作業内容を詳しく確認することが重要です。
見積もりで確認すべき項目は、制作範囲としてページ数や機能、修正回数の上限、納期とスケジュール、追加費用が発生する条件、著作権の扱い、保守・運用サポートの内容です。これらを明確にすることで、後からのトラブルを防ぐことができます。
制作会社とのコミュニケーション
制作期間中の円滑なコミュニケーションは、プロジェクトの成功に欠かせません。特にリモートワークが一般化した現在では、オンラインでのやり取りが中心となることも多いです。
効果的なコミュニケーションのためには、定期的な進捗確認ミーティングを実施し、連絡窓口を一本化し、要望や修正は文書で残し、レスポンスの期限を明確にし、プロジェクト管理ツール(Slack、Chatworkなど)を活用することが重要です。
よくある失敗事例と回避方法
ホームページ制作では、同じような失敗が繰り返されることがあります。事前に知っておくことで、これらの失敗を回避できます。
目的が不明確なまま制作を開始
最も多い失敗が、「とりあえずホームページが欲しい」という曖昧な目的で制作を始めることです。目的が不明確だと、デザインも機能も中途半端になり、結果的に誰にも見られないホームページになってしまいます。
この失敗を回避するには、制作前に必ず目的と数値目標を設定し、ターゲットユーザーを明確に定義し、競合他社の成功事例を研究することが必要です。
コンテンツ準備の遅れ
「デザインができてから文章を考えればいい」と思っていると、制作が大幅に遅れます。特に、商品説明や会社概要などの基本的な文章は、早めに準備しておく必要があります。
この問題を防ぐには、制作開始前にコンテンツリストを作成し、社内で執筆担当者を決め、必要に応じてライターに依頼することが効果的です。
予算オーバー
当初の見積もりから大幅に費用が増加することがあります。多くの場合、追加機能や大幅な修正が原因です。
予算オーバーを防ぐには、見積もり時に追加費用の条件を確認し、優先順位を決めて機能を絞り、予算の10〜20%は予備費として確保しておくことが重要です。
公開後の運用体制不足
ホームページは公開後の運用が重要ですが、運用体制を考えずに制作すると、更新されない「死んだサイト」になってしまいます。
この問題を解決するには、更新担当者を事前に決め、CMSを導入して更新を簡単にし、運用マニュアルを作成し、必要に応じて運用代行を依頼することが必要です。
まとめ:成功するホームページ制作のための重要ポイント
ホームページ制作は、企画から公開、そして運用まで、長期的な視点で取り組む必要があります。ここまで解説してきた内容を踏まえ、成功のための重要ポイントをまとめます。
制作前の準備が成功の8割を決める
多くの成功事例に共通するのは、制作前の準備に十分な時間をかけていることです。目的の明確化、ターゲット設定、競合分析など、地味な作業ですが、これらが土台となって良いホームページが生まれます。
プロとの協力体制を構築する
すべてを自社で行うことは現実的ではありません。制作会社やフリーランスなど、プロフェッショナルの力を借りながら、自社の強みを活かしたホームページを作ることが重要です。
継続的な改善が成果につながる
ホームページは「生き物」です。公開後も定期的に分析と改善を繰り返すことで、より多くの成果を生み出すツールに成長していきます。月に一度は必ずアクセス解析を確認し、改善点を見つけて実行することを習慣化しましょう。
最新技術とトレンドを取り入れる
Web技術は日々進化しています。特に2025年現在、AI技術の活用が一般化しており、以下のような具体的な活用方法があります。
AIライティングツール(ChatGPT、Claude、Copilotなど)を活用して原稿作成を効率化したり、画像生成AI(Midjourney、DALL-E、Stable Diffusionなど)でビジュアル素材を用意することで、制作コストを抑えつつ高品質なコンテンツ制作が可能です。また、AIチャットボットを導入することで、24時間365日の顧客対応も実現できます。
さらに、AR(拡張現実)技術を使った商品体験機能や、音声検索への最適化など、新しい技術を適切に取り入れることで、競合他社との差別化を図ることができます。
ホームページ制作は、単なる「会社案内をWeb上に載せる」ことではありません。企業の成長を支える重要なマーケティングツールとして、戦略的に活用することで、大きな成果を生み出すことができます。本記事で解説した流れとポイントを参考に、ぜひ成功するホームページ制作に取り組んでください。

記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント
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