WebサイトのSEO効果を高めるためには、サイト構造にも注意が必要です。しかし、サイト構造をあまり意識しないで運営されている方も多いと思います。
そこで本記事では、SEO効果を最大限に引き出すためのサイト構造の作り方を解説します。サイト構造のポイントを押さえることで、検索エンジンの評価を高め、多くの人にアクセスしてもらえる可能性を高めることができます。
あなたのサイトのSEO対策を改善し、より多くの人にアクセスしてもらえるようなサイト構造を作り上げましょう。
記事執筆:認定SEOコンサルタント 三田健司
サイト構造とは?
サイト構造とは、サイト内部の構成をどのように組み立てるかということであり、SEO対策にも大きく影響します。サイト構造の設計は、サイト内の階層化やカテゴリ分け、内部リンクの置き方などを考慮して行われます。
正確かつ効果的なサイト構造の設計は、ユーザーエクスペリエンスの向上や検索エンジンのクロール効率の向上につながります。サイトを立ち上げる際には、サイトカテゴリや階層の設計に注意し、運用前に入念に構造を構築することをおすすめします。
サイト構造はユーザーファーストが基本
サイト構造を設計する際の重要な考え方として、「ユーザーファースト」があります。これは、訪問者が求める情報に簡単にアクセスできるような構造を作ることです。
例えば、ECサイトであれば商品カテゴリを明確にし、コンテンツサイトであれば記事のテーマごとに整理するなど、ユーザーが直感的に使いやすい構造を考えることが大切です。
検索エンジンもユーザー体験を重視しているため、ユーザーファーストなサイト構造はSEO効果も高まります。
サイト構造とディレクトリ構造の違い
Webサイトを構築する際に重要な要素となるのが、サイト構造とディレクトリ構造です。これらは似ているようで異なる概念となります。
まず、サイト構造とは、Webサイトの全体像、つまりページの階層構造を指します。サイト構造は、ユーザーがWebサイト上でナビゲーションする際のルートを決める役割を果たします。例えば、ホームページからサブページへ、更にその中から別のページへとたどる際のパスを定義することです。
一方、ディレクトリ構造とは、Webサイトのファイルやフォルダの配置の仕方を指します。ディレクトリ構造は、サイト内のファイルやコンテンツを整理する役割を果たします。例えば、画像やCSSファイル、JavaScriptファイルなどを適切にフォルダに分けて管理することです。
項目 | サイト構造 | ディレクトリ構造 |
---|---|---|
定義 | ページの階層構造 | ファイルの配置方法 |
主な目的 | ユーザーナビゲーション | ファイル管理 |
影響する対象 | ユーザー体験、SEO | サイト管理、SEO |
設計の焦点 | ユーザビリティ | 整理・効率性 |
サイト構造とディレクトリ構造は密接に関連しており、互いに影響し合います。良いサイト構造を持つためには、適切なディレクトリ構造を設計することも重要です。例えば、ページの階層構造とディレクトリ構造が一致していると、サイトの管理がしやすくなります。
SEOにとってサイト構造が重要な5つの理由

サイト構造がSEOに与える影響は非常に大きく、適切に設計することでWebサイトの検索順位向上に貢献します。以下に、SEOにとってサイト構造が重要な5つの理由を解説します。
①クローラビリティの向上
クローラビリティの向上には、適切なサイト構造が不可欠です。検索エンジンのクローラは、ウェブサイトのコンテンツを収集し、インデックス化する役割を果たしています。このため、ウェブサイトの構造がクローラにとって効果的であることは非常に重要です。
検索エンジンは、階層的な構造を好みます。つまり、ウェブサイトがカテゴリー、サブカテゴリー、ページなどの階層的な構造を持っているほど、クローラは効率的にサイトを巡回することができます。これによって、検索エンジンはウェブサイトの全体像を正確に把握し、適切なページを特定することができます。
②サイトの読みやすさ
Webサイトをユーザーにとって読みやすくすることは、Webサイトの成功に大きく貢献します。読みやすいサイト構造は、ユーザーが求めている情報をすぐに見つけることができるため、サイトの使い勝手が向上します。
読みやすいサイトにするためには、適切なカテゴリーやサブカテゴリーの使用が必要です。これにより、ユーザーは興味のあるトピックに関連する情報を簡単に見つけることができます。 また、分かりやすいメニューの配置も重要です。一目でメニューの項目を把握できるようにすることで、ユーザーは必要な情報にすぐにアクセスすることができます。
③内部リンクの最適化
内部リンクは、Webサイト内の異なるページの関連性を示す役割を果たします。例えば、ある特定のトピックに関連する複数の記事がある場合、これらの記事を内部リンクで結びつけることで、ユーザーが関連記事に簡単にアクセスできるようになります。
また、内部リンクは検索エンジンのクローラーにとっても重要です。 検索エンジンのクローラーは、Webサイト内のリンクをたどってページをインデックスするため、内部リンクが適切に設定されていると、Webサイト全体がより効果的にクロールされることになります。 つまり、内部リンクの最適化はSEOにおいても大きな役割を果たします。
④パフォーマンスの向上
Webサイトのパフォーマンスを向上させるためには、軽量化されたページや効率的なコード、適切な画像の最適化などの要素を取り入れる必要があります。
軽量化されたページを提供することは、サイトの読み込み速度を改善するために重要です。 ページが軽量化されると、ユーザーはより迅速にコンテンツにアクセスできるため、ストレスや待ち時間が減ります。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、ユーザーの満足度も高まります。
⑤モバイルフレンドリー
モバイルフレンドリーなサイトの重要性が近年、ますます高まっています。 検索エンジンのアルゴリズムは、モバイルフレンドリーなサイトを優先的に表示する傾向にあります。 なぜなら、ユーザーの多くがモバイルを使用してウェブサイトにアクセスしており、快適に閲覧できることが求められているからです。
モバイルフレンドリーなサイトを構築するためには、適切なサイト構造を持つことが重要です。 ユーザーがモバイルデバイスでサイトを閲覧する際に、スムーズにナビゲーションできるようなレイアウトやメニューが必要です。 また、画像やテキストのサイズも適切に調整されていることが望まれます。これにより、ユーザーはズームインやスクロールの手間をかけることなく、簡単に情報を入手できるようになります。
以上が、SEOにとってサイト構造が重要な5つの理由です。適切なサイト構造を確立することで、検索エンジンランキングの向上とユーザーエクスペリエンスの向上を実現できます。
SEOに最適なサイト構造の作り方5つのポイント
効果的なサイト構造は、SEO対策において基盤となる重要な要素です。ここでは、SEOに最適なサイト構造を作るための5つの重要なポイントについて解説します。
①サイト内の階層構造を明確にする
サイト内の階層構造を明確にすることは、サイトの利用者にとって非常に重要です。なぜなら、階層構造が明確であれば、利用者は簡単に目的の情報にたどり着くことができるからです。
階層構造とは、メインページやトップページを基準として、さらに細かなカテゴリーページやサブページに分けられる仕組みのことを指します。 例えば、あるショッピングサイトの場合、メインページからは服、靴、アクセサリーなどの大まかなカテゴリーページにアクセスでき、それぞれのカテゴリーページからはさらに細かな商品ページにアクセスできるようになっています。
このような階層構造を持つことで、利用者は自分が求めている情報に素早くアクセスできます。 また、検索エンジンにとっても、サイトの構造が明確であれば、より正確にサイトの内容を理解することができます。
②ユーザビリティを考慮したナビゲーションを実装する
ユーザビリティを考慮したナビゲーションの重要性は、ユーザーエクスペリエンスの向上だけでなく、SEOにも大きな影響を与えます。 ナビゲーションは、ウェブサイトの設計の中で特に重要な要素であり、サイトの使いやすさや情報の整理に大きく貢献します。
シンプルで直感的なナビゲーションを使用することは、ユーザーがサイト内をスムーズに移動できるようにするための鍵です。ユーザーは迷ったり、目的のページにたどり着けなかったりすることなく、必要な情報やコンテンツに素早くアクセスできるようになります。 このような使いやすさは、ユーザーがサイトを快適に利用できることを意味し、満足度を高めることができます。
効果的なナビゲーション設計のポイント:
- メインメニューは7項目以内に抑える(認知的負荷を減らすため)
- ドロップダウンメニューは必要な場合のみ使用し、シンプルに保つ
- パンくずリストを設置してユーザーの現在位置を明確にする
- 検索機能を追加して、ユーザーが直接目的のコンテンツを探せるようにする
- モバイルデバイスでも操作しやすいデザインにする(ハンバーガーメニューなど)
③内部リンクを活用する
内部リンクの活用は、ウェブサイトの構造と使いやすさを向上させる重要な手法です。内部リンクを設定することで、ユーザーはサイト内の他のページに簡単にアクセスすることができます。 これにより、ユーザーは関連する情報にアクセスする際に、サイト内をスムーズに移動することができます。
また、内部リンクはSEOにも効果的です。適切な内部リンクを設定することで、検索エンジンはサイト内のコンテンツをクロールしやすくなります。 内部リンクによって、関連するコンテンツ同士が相互にリンクされるため、検索エンジンはサイトの階層構造やコンテンツの関連性を理解しやすくなります。結果的に、良質な内部リンクを設定することで、ウェブページのランキング向上につながることがあります。
効果的な内部リンク戦略:
- 関連コンテンツへの自然なリンク設置
- 重要なページには複数のページからリンクを設置
- アンカーテキストにはターゲットキーワードを含める
- ピラミッド型のリンク構造を作り、重要なページをハブにする
- 定期的にリンク切れをチェックし修正する
④URL構造を最適化する
URLは検索エンジンにとってページの内容を理解する上での手がかりとなるため、適切な構造を採用することが必要です。
まず、意味のあるキーワードを含むURLを使用することがポイントです。URLがキーワードを含むことで、ユーザーが検索しているクエリ(検索キーワード)との関連性が高まります。 たとえば、ウェブページが「健康食品についての情報」を提供している場合、そのページのURLには「healthy-food」といったキーワードを含めることが効果的です。これにより、検索エンジンがページの内容を正確に理解しやすくなり、ランキングの向上にもつながる可能性があります。
また、URLの構造には階層を持たせることも重要です。 階層を持たせることで、サイトの構造を明確に示すことができます。 たとえば、健康食品に関する情報を提供するサイトであれば、カテゴリーごとにURLを分けることが効果的です。例えば、「example.com/healthy-food/vegetables」といった具体的なURL構造を作ることで、ユーザーが特定の情報を探しやすくなります。
URL最適化のベストプラクティス:
- 簡潔で分かりやすいURLを使用する
- 単語の区切りにはハイフン(-)を使用する(アンダースコアは非推奨)
- 大文字を避け、すべて小文字で統一する
- 特殊文字や数字の連続は避ける
- URLにはコンテンツを表す重要なキーワードを含める
- パラメータの使用は最小限に抑える
⑤レスポンシブデザインを採用する
レスポンシブデザインは、ユーザーがスマートフォンやタブレットでウェブサイトを閲覧する際に、画面のサイズに自動的に適応するデザイン手法です。 これにより、ユーザーは使い慣れたデバイスで快適な閲覧をすることができます。
また、レスポンシブデザインはユーザーだけでなく、検索エンジンの評価にも大きな影響を与えます。 検索エンジンは、ユーザーに最適な検索結果を提供するために、ウェブサイトのモバイルフレンドリーを評価します。 その際に重視されるのがレスポンシブデザインです。なぜなら、モバイルフレンドリーなサイトは、ユーザーがスマートフォンで検索した際にストレスなく閲覧体験ができるからです。
Googleは現在、モバイルファーストインデックスを採用しており、モバイル版のサイトを優先的にインデックスします。そのため、レスポンシブデザインを採用してモバイルとデスクトップの両方で最適な表示を実現することは、SEO対策において非常に重要な要素となっています。
レスポンシブデザインの実装には、CSSのメディアクエリを使用したり、フレームワーク(BootstrapやFoundationなど)を活用したりする方法があります。また、WordPressなどのCMSを使用している場合は、レスポンシブ対応のテーマを選択することでも実現可能です。
構造化データとサイト構造の連携によるSEO強化
サイト構造を最適化する際に見落とされがちなのが、構造化データ(スキーママークアップ)との連携です。構造化データは、Webページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で提供するための仕組みであり、サイト構造と組み合わせることでSEO効果をさらに高めることができます。
構造化データを実装することで、検索結果にリッチスニペットとして表示される可能性が高まります。リッチスニペットとは、通常の検索結果に加えて、評価星、価格、在庫状況、イベント日程などの追加情報が表示されるものです。これにより、ユーザーの目を引き、クリック率の向上につながります。
また、構造化データはサイト構造の意味的な関連性を検索エンジンに伝える役割も果たします。例えば、サイトがeコマースサイトであれば、商品カテゴリの階層構造と製品情報を構造化データで明示することで、検索エンジンはコンテンツの関連性をより正確に理解できるようになります。
構造化データの実装方法としては、JSON-LD形式が推奨されています。これはHTMLと分離して記述できるため、サイトの表示に影響を与えずに実装できる利点があります。
Schema.orgで提供されている様々なスキーマタイプ(Article、Product、LocalBusiness、Eventなど)を活用し、サイトの目的やコンテンツに合わせた構造化データを実装しましょう。
構造化データの効果を確認するには、Googleの構造化データテストツールを活用すると良いでしょう。このツールを使えば、実装した構造化データに問題がないか、リッチリザルトとして表示される可能性があるかを確認できます。
モバイルファーストのサイト構造設計
近年のWeb利用動向では、モバイルデバイスからのアクセスが過半数を占めるようになっています。そのため、Googleもモバイルファーストインデックスを採用し、モバイル版のサイトを優先的にインデックスするようになりました。
このような状況を踏まえると、サイト構造の設計においても「モバイルファースト」の考え方が重要です。モバイルファーストとは、まずモバイルデバイスでの使いやすさを優先して設計し、その後デスクトップ版に拡張していく方法です。
モバイルファーストのサイト構造設計では、以下のポイントに注意しましょう:
- シンプルなナビゲーション
- タップしやすい十分なサイズのボタン
- 必要最小限のメニュー項目
- ハンバーガーメニューなどの効率的な収納方法
- 階層の浅い構造
- 目的のコンテンツに3タップ以内でたどり着ける設計
- 重要な情報ほど上位階層に配置
- 読み込み速度の最適化
- 画像の軽量化
- 不要なスクリプトの削除
- AMPの活用検討
- コンテンツの優先順位付け
- 小さな画面で最も重要な情報が最初に表示される配置
- スクロール量を考慮したコンテンツ配置
このようなモバイルファーストの考え方をサイト構造に取り入れることで、ユーザー体験が向上し、結果としてSEO効果も高まります。モバイルデバイスでの使いやすさを常に意識したサイト構造設計を心がけましょう。
定期的なサイト構造の見直しと改善
サイト構造は一度設計して終わりではなく、定期的な見直しと改善が必要です。ユーザーのニーズや検索エンジンのアルゴリズム、市場環境は常に変化しているため、それに合わせてサイト構造も進化させていく必要があります。
定期的なサイト構造の改善のために、以下のようなアプローチが効果的です:
- アクセス解析データの活用
- ユーザーの行動パターンを分析
- 人気ページと離脱率の高いページを特定
- 導線の改善ポイントを見つける
- サイト内検索キーワードの分析
- ユーザーがサイト内で検索している内容を確認
- 新たなコンテンツニーズを発見
- カテゴリ構造の改善ヒントを得る
- ヒートマップ分析
- クリック位置やスクロール深度を可視化
- ユーザーの注目箇所を把握
- ナビゲーションの最適化に活用
- 競合サイトの構造分析
- 成功している競合サイトの構造を研究
- 業界のベストプラクティスを取り入れる
- 自社サイトとの差異を把握
- フィードバックの収集
- ユーザーからの直接的なフィードバックを集める
- サイト使用中の課題を特定
- 改善アイデアを得る
これらの分析結果をもとに、必要に応じてカテゴリの再編成や内部リンクの最適化、ナビゲーションの改善などを行います。ただし、大規模な構造変更を行う際には、既存のURLを維持し、適切なリダイレクトを設定するなど、SEO評価を損なわないよう注意が必要です。
定期的な見直しと改善のサイクルを確立することで、常に最適なサイト構造を維持し、長期的なSEO効果を得ることができます。
まとめ
本記事では、Webサイトを作成する上で重要なサイト構造に関して、サイト構造とディレクトリの違いやSEOに効果的なサイト構造の作り方のポイントを解説いたしました。
SEOにとってサイト構造が重要な理由は以下の5つです:
- クローラビリティの向上
- サイトの読みやすさ
- 内部リンクの最適化
- パフォーマンスの向上
- モバイルフレンドリーの確保
また、SEOに最適なサイト構造を作るためのポイントとして、以下の5つを押さえることが重要です:
- サイト内の階層構造を明確にする
- ユーザビリティを考慮したナビゲーションを実装する
- 内部リンクを活用する
- URL構造を最適化する
- レスポンシブデザインを採用する
さらに、構造化データとの連携やモバイルファーストの設計思想を取り入れることで、より効果的なサイト構造を実現できます。また、定期的な見直しと改善を行うことも忘れないようにしましょう。
適切なサイト構造にしていただくことで、ユーザーにとって有益なサイトになり、結果SEOにも効果を発揮します。 ぜひ、正しいサイト構造で設計するようにしてくださいね。

記事執筆・株式会社アクセス・リンク 代表取締役
Webサイト制作歴10年以上の経験を元にSEOコンサルティングを行い、延べ1,000件以上のサポート実績を誇ります。個人事業主や中小企業向けのホームページ制作やSEOコンサルティングを得意としています。
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント
コメント