AI検索対策

ChatGPTからの流入が「直接」に|GA4で見失わない計測法

記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司

「最近、ChatGPTからのアクセスが急に減った気がする」「その代わりに『Direct(直接)』が増えている」。10月に入ってから、こうしたご相談をいただくようになりました。

原因として海外で指摘されているのが、ChatGPTの新モデル「GPT-6」の提供開始にあわせて、回答内のリンクの開き方が変わった可能性です。これまでリンクに付いていた目印と、どこから来たかを示す参照元の情報が、どちらも届かなくなったと報告されています。

この記事では、何が起きているのか、なぜGA4で「直接」に数えられてしまうのかを整理したうえで、中小企業のWeb担当者が今日から確認できる手順と、計測を一つの数字に頼らないための考え方をご紹介します。OpenAIは現時点で公式の説明を出していないため、確認できている事実と報告ベースの情報を分けてお伝えします。

筆者は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作とSEOに10年以上携わり、延べ1,000件以上のご相談に対応してきました。日々のアクセス解析の現場で見えてきた注意点も交えて解説します。

目次

ChatGPTからの流入が「直接」に|何が起きたのか

AIの画面から伸びるリンクの道筋が切り替わる様子を表したイラスト

2026年10月14日、米国の検索業界メディアSearch Engine Roundtableが「ChatGPTの結果からUTMパラメータが消えた」と報じました。UTMパラメータとは、URLの末尾に付けて「どこから来たアクセスか」を解析ツールに伝える目印のことです。

GPT-6の提供開始と同じタイミングで起きた

複数の解説記事によると、OpenAIは2026年10月7日にChatGPTの有料プランでGPT-6の提供を始め、翌8日から無料プランなどにも順次広げました。目印が届かなくなったと報告されているのは、その直後からです。

海外のSEO担当者からは、10月9日ごろからChatGPT経由の人のアクセスが目に見えて減ったという投稿も出ています。時期が重なっていることから、新しいモデルの提供にあわせて画面の作りが変わった影響だと考えられています。

Adobeの分析で見えた「減った分が直接に移った」動き

技術的な原因を詳しく示したのは、AdobeのCedric Huesler氏です。ChatGPTが訪問の5%以上を占める約500ページを対象に、10月9日〜13日と前の週を比べたところ、ChatGPT経由の訪問は1日あたり約3万1,000件減り、同じページの直接の訪問は1日あたり約2万6,000件増えていました。

同じ期間の検索からの流入は7%減でしたが、Web全体で同じように減っていたため、別の要因と見られています。ChatGPTからの訪問が消えたのではなく、「直接」という箱に移し替えられた可能性が高いというのが、この分析の読み方です。

OpenAIは公式に説明していない

注意したいのは、OpenAIがこの変更について公式の発表や説明をしていないことです。意図した変更なのか、不具合なのか、今後元に戻るのかは、現時点では分かっていません。

なお、ある調査会社の分析では、目印付きのリンクを含む回答の割合が10月8日から14日にかけて98%から66%に下がったとされており、すべてのリンクから目印が消えたわけではないようです。

そのため本記事では、報告されている現象を前提にしつつも、「この先も同じ状態が続く」とは断定しません。大切なのは、仕様が変わっても慌てずに済むよう、計測の仕組みを見直しておくことです。

なぜ「直接」に数えられるのか|参照元と目印の仕組み

封筒の差出人ラベルと荷札で、参照元と目印の仕組みを表したイラスト

今回の現象を理解するには、解析ツールがアクセスの出どころを判断する2つの手がかりを知っておく必要があります。仕組みが分かれば、なぜChatGPTからの訪問が「直接」に紛れ込むのかが見えてきます。

手がかり1:リファラー(参照元)

リファラーとは、リンクをクリックしたときにブラウザが移動先へ伝える「直前にいたページの住所」です。たとえばGoogle検索の結果からサイトに来れば、参照元はgoogle.comと記録されます。

リンクに「noreferrer」という指定が付いていると、ブラウザはこの参照元を移動先に伝えません。Huesler氏の分析では、GPT-6の画面はリンクを新しいタブで開く際にこの指定を使っていると説明されています。

手がかり2:UTMパラメータ

UTMパラメータは、リンクのURLそのものに付ける目印です。

ChatGPTは回答の出典リンクに「utm_source=chatgpt.com」のような目印を付けており、2025年6月にはその対象をより多くのリンクに広げていました。GA4などでChatGPTからの訪問を見分ける主な手段になっていたのが、この目印です。

今回の報告では、この目印もURLから外れているとされています。参照元と目印の両方がなくなると、解析ツールには「どこから来たか」を判断する材料が何も残りません。

GA4の「Direct」は「出どころが不明」という意味

GA4のヘルプでは、Directチャネルの条件を「参照元が(direct)と完全に一致し、メディアが(not set)または(none)」と定めています。つまりDirectは「URLを直接入力した人」だけでなく、「出どころが分からなかった訪問」をまとめて受け止める箱です。

ブックマークからの訪問、メールソフトやチャットアプリのリンク、社内資料のPDFに貼ったリンクなども、条件によってはここに入ります。ChatGPTからの訪問が目印を失えば、同じ箱に入るのは仕組み上自然なことです。

GA4の「AIアシスタント」チャネルも反応しなくなる

GA4には2026年に「AIアシスタント」という標準チャネルが加わり、ChatGPTやGemini、Copilotなどからの訪問を自動でまとめて表示できるようになりました。ただし、このチャネルも参照元や目印をもとに判定する仕組みです。

判定の材料が届かなければ、AIアシスタントのチャネルにも数えられません。チャネルの設定が正しくても、元のデータが欠けていれば正しい数字にはならない点に注意が必要です。

自社サイトへの影響|こんな数字の動きは要注意

グラフの一本が下がり別の一本が上がる解析画面のイラスト

中小企業のサイトでは、ChatGPTからの訪問はまだ全体の一部というケースが多いでしょう。それでも、次のような動きが出ている場合は、今回の変化の影響を受けている可能性があります。

10月上旬から「Direct」だけが増えている

広告やメールの配信を増やしたわけでもないのに、10月8日〜9日ごろを境にDirectの訪問だけが増えている場合は要注意です。同じ時期にChatGPTの訪問が減っていれば、移し替えが起きている可能性が高まります。

特に、これまでChatGPTから訪問が来ていた記事ページでDirectが増えているかを見てください。ブログ記事やサービス紹介ページといった奥のページにDirectが急に増えるのは、通常のブックマーク利用では起こりにくい動きです。

AI経由の問い合わせが「出どころ不明」になる

影響は訪問数だけにとどまりません。GA4で問い合わせ完了をキーイベントとして計測している場合、ChatGPT経由で来た見込み客の問い合わせも、Direct経由の成果として記録されます。

「AI検索対策は効果がなかった」と判断する前に、数字が減ったのか、見え方が変わっただけなのかを切り分けることが欠かせません。判断を誤ると、続けるべき施策を止めてしまうおそれがあります。

月次報告の前月比・前年比がずれる

月次のアクセス報告書で、チャネル別の推移を前月や前年と比べている会社も多いと思います。10月以降はChatGPTの数字が小さく、Directの数字が大きく出るため、比較の前提が崩れます。

社内向けや取引先向けの報告では、「10月7日以降、ChatGPTからの訪問の一部がDirectに計上されている可能性がある」と注記しておくと、誤解を防げます。

GA4で今すぐ確認したい4つの手順

虫眼鏡で解析画面の表を確認する担当者のイラスト

ここからは、GA4の画面で実際に確認する手順をご紹介します。専門的な設定は不要で、レポート画面の操作だけで確認できます。

手順1:参照元で「chatgpt」を検索する

GA4の左メニューから「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開き、表の項目を「セッションの参照元/メディア」に切り替えます。表の上にある検索欄に「chatgpt」と入力すると、ChatGPTに関係する行だけが表示されます。

期間を「9月1日〜10月6日」と「10月7日以降」に分けて比べてみてください。日別の推移グラフで見ると、10月8日前後で数が落ちているかどうかが分かりやすくなります。

手順2:同じページのDirectと見比べる

次に、ChatGPTから訪問が多かったページを書き出し、そのページのDirectの訪問数が同じ時期に増えていないかを確認します。「探索」機能で、行に「ランディングページ」、列に「セッションのデフォルトチャネルグループ」を置くと比べやすくなります。

同じページでChatGPTが減り、Directが同じくらい増えていれば、移し替えの可能性が高いと判断できます。逆に、Directが増えていないのにChatGPTだけが減っている場合は、AIでの紹介自体が減った可能性も考えられます。

手順3:「セッションの〜」の項目で見る

GA4には「最初のユーザーの〜」で始まる項目と「セッションの〜」で始まる項目があります。前者はその人が初めて来たときの出どころ、後者は今回の訪問の出どころを表します。

今回のように訪問ごとの出どころが変わる話を確認するときは、「セッションの〜」の項目を使ってください。初回の項目で見ると、以前にChatGPTから来た人がまとめてChatGPTに数えられ、変化に気づきにくくなります。

手順4:実際のリンクを自分でクリックして確かめる

最後に、ChatGPTで自社に関係する質問をして、回答に出た自社サイトへのリンクを実際にクリックしてみてください。開いたページのアドレス欄に「utm_source」の文字が付いているかどうかで、現在の状態が分かります。

スマートフォンのアプリ、パソコンのブラウザ、無料プランと有料プランで挙動が違う可能性もあります。確認した日付と環境をメモしておくと、後から仕様が変わったときにも比べやすくなります。

計測を一本足にしない|複数の物差しを組み合わせる

複数のメーターと計器を並べて見比べる様子のイラスト

今回の件から学べるのは、AIからの流入の計測を、AIの運営会社が付ける目印ひとつに頼るのは危ういということです。目印は相手側の都合でいつでも変わるため、複数の物差しを組み合わせておくことをおすすめします。

Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート

GoogleのAIによる概要やAIモードについては、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、自社サイトのページがどのくらい表示されたかを確認できます。

クリック数や検索語句は出ませんが、ページ・国・デバイス・日付ごとの表示回数が分かります。こちらはGoogle側のデータなので、ChatGPTの仕様変更の影響を受けません。

ChatGPTとGoogleのAIは別の仕組みですが、AI検索全体で自社がどのくらい表示されているかの傾向をつかむ参考になります。

Bing Webmaster ToolsのAIパフォーマンスレポート

MicrosoftのBing Webmaster Toolsにも、CopilotなどのAI回答で自社サイトがどのくらい引用されたかを示すレポートがあります。2026年10月13日には、テーマごとの露出を見られる「Topics Portfolio」(ベータ版)も追加されました。

こちらもChatGPTの数字をそのまま表すものではないため、AI検索全体の傾向を見る補助として使いましょう。Googleのデータと並べることで、特定のサービスに偏らない見方ができます。

決まった質問でAIの回答を定点観測する

自社のサービスに関係する質問を5〜10個ほど決めておき、月に1回、ChatGPTやGemini、AIモードで同じ質問をして、自社が紹介されるかどうかを記録する方法も有効です。

AIの回答で自社が紹介され続けているのに、GA4の数字だけが落ちているなら、問題は集客ではなく計測側にあると判断できます。表計算ソフトに日付と結果を残すだけでも十分な記録になります。

指名検索の数とDirectの動きを並べて見る

AIで社名やサービス名を知った人は、あとからGoogleで社名を検索して訪れることもあります。Search Consoleで社名を含む検索語句の表示回数を確認し、Directの推移と並べて見ると、AIでの認知の広がりを間接的に把握できます。

どれか一つの数字で判断するのではなく、複数の数字が同じ方向を向いているかを見ることが、仕様変更に強い計測の考え方です。

AI経由の問い合わせを取りこぼさない工夫

問い合わせフォームと電話で来訪のきっかけを確認するイラスト

解析ツールの数字が不完全になっても、問い合わせをくれたお客様本人に聞けば、出どころは確かめられます。中小企業にこそ取り入れやすい、アナログな工夫をご紹介します。

問い合わせフォームに「きっかけ」の選択肢を加える

お問い合わせフォームに「当社を知ったきっかけ」を選ぶ項目を設け、選択肢に「ChatGPTなどのAI」を加えておきます。必須にすると入力の手間が増えるため、任意項目にするのがおすすめです。

選択肢は「Google検索」「Googleマップ」「AI(ChatGPT・Geminiなど)」「SNS」「ご紹介」「その他」くらいに絞ると、答えやすくなります。WordPressのContact Form 7などのフォームなら、項目の追加は短時間で行えます。

電話や打ち合わせの場でも聞く

電話でのお問い合わせや初回の打ち合わせの場で、「どちらで当社をお知りになりましたか」と一言たずねるだけでも、貴重なデータになります。最近は「AIに聞いたら名前が出てきた」とおっしゃる方も珍しくありません。

聞き取った内容は顧客管理の表やメモに残し、月に1回まとめて数えると、GA4の数字と比べられるようになります。

自社で配るリンクには自社で目印を付ける

SNSのプロフィール、メールマガジン、名刺のQRコードなど、自社で配るリンクには自社でUTMパラメータを付けておきましょう。これらがDirectに混ざらなくなれば、Directの中に残る「正体不明の訪問」が減り、変化を読み取りやすくなります。

目印の付け方は社内でルールを決めて表にまとめておくと、担当者が変わっても同じ形で続けられます。

中小企業が避けたい3つの早とちり

立ち止まって分かれ道の標識を確かめる人のイラスト

数字が急に動くと、つい大きな手を打ちたくなります。しかし今回のように計測の仕様が変わったときは、次の3つの対応は避けたほうが安全です。

AI検索対策をすぐにやめてしまう

ChatGPTの数字が減ったからといって、AIに紹介されるための情報整備をやめてしまうのは早計です。先ほどの手順で、見え方が変わっただけなのかを先に確かめてください。

AIに選ばれるための基本は、Google検索で評価される有用なコンテンツづくりと大きく変わりません。土台の取り組みは、計測の仕様に関係なく続ける価値があります。

OpenAIのクローラーを止めてしまう

「AIからの流入が見えないなら意味がない」と、robots.txtでOpenAIのクローラーを拒否する設定を入れるのもおすすめしません。海外のSEO担当者からは、検索用のクローラーOAI-SearchBotの巡回は10月7日ごろからむしろ増えているという報告も出ています。

止めてしまうと、ChatGPTの検索で自社サイトが参照されにくくなる可能性があります。設定を変えるのは、計測の状況がはっきりしてからでも遅くありません。

GA4の設定で無理に数字を作る

「Directの一部をChatGPTとして数え直そう」と、根拠のない条件でチャネルを書き換えるのも避けましょう。カスタムチャネルグループは届いた情報を並べ替える機能であり、届かなかった出どころを復元することはできません。

推測で作った数字は、後で見返したときに判断を誤らせる原因になります。分からない部分は分からないまま注記し、別の物差しで補うのが正しい扱い方です。

よくある質問(FAQ)

相談カウンターで担当者が質問に答えている、よくある質問のイラスト

ChatGPTからのアクセスは本当に減ったのですか?

現時点では、訪問そのものが減ったのではなく、出どころの情報が届かずDirectに計上されている可能性が高いと報告されています。ただしOpenAIは公式に説明しておらず、すべてのサイトに当てはまるとは限りません。

自社のGA4で、同じページのChatGPTとDirectの推移を比べて確認するのが確実です。

Googleの「AIによる概要」や「AIモード」の流入も影響を受けますか?

今回報告されているのはChatGPTのリンクの挙動です。GoogleのAIによる概要やAIモードからの訪問は、GA4では従来どおりオーガニック検索として扱われ、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートでも表示回数を確認できます。

他のAIサービスについても、仕様は各社の判断で変わるため、定期的に確認することをおすすめします。

元に戻る可能性はありますか?

2025年6月に目印が追加されたのも今回の変化も、いずれもOpenAI側の判断によるもので、元に戻るかどうかは現時点では分かりません。意図的な変更か不具合かも公表されていません。

戻るかどうかに関係なく使える計測の仕組みを、今のうちに整えておくことが大切です。

小さな会社でも対応が必要ですか?

ChatGPTからの訪問がほとんどない段階なら、急いで設定を変える必要はありません。ただし問い合わせフォームに「きっかけ」の選択肢を加える工夫は、手間が少なく効果が大きいので、規模に関係なくおすすめです。

今後AI経由の相談が増えたときに、早くから記録を取っていた会社ほど判断材料が多くなります。

GA4の設定に自信がありません。相談できますか?

GA4の画面の見方やチャネルの確認、問い合わせの計測設定など、当社でもご相談をお受けしています。設定内容によっては個別の確認が必要になるため、まずは現状をお聞かせください。

まとめ|AIの流入は複数の物差しで見る

整理された解析画面を前にうなずく経営者と担当者の、まとめのイラスト

2026年10月7日のGPT-6提供開始以降、ChatGPTのリンクから参照元とUTMパラメータの両方が届かなくなり、訪問がGA4の「Direct」に計上されているという報告が相次いでいます。OpenAIの公式な説明はまだありません。

GA4のDirectは「出どころが分からなかった訪問」の受け皿です。ChatGPTの数字が減ってDirectが増えているときは、AIでの紹介が減ったのではなく、見え方が変わっただけの可能性があります。

一つの目印に頼る計測は、相手の仕様変更ひとつで崩れます。Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート、AI回答の定点観測、指名検索の推移、問い合わせ時のヒアリングを組み合わせ、複数の数字が同じ方向を向いているかで判断しましょう。

まずは今日、GA4のトラフィック獲得で「chatgpt」を検索し、10月7日の前後で数字がどう変わったかを確かめてみてください。

アクセス解析とAI検索対策のご相談はアクセス・リンクへ

株式会社アクセス・リンクは、栃木県下野市を拠点に、SEOコンサルティング、ホームページ制作、サジェスト対策、AI検索対策を手がけています。代表の三田健司は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、10年以上にわたり中小企業のWeb集客を支援してきました。

GA4やSearch Consoleの数字の読み解きから、AIに紹介されやすい情報の整え方まで、実務に沿ってご提案します。「この数字の変化は何が原因なのか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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